
去年から映画の鑑賞方法が変わりつつある2021年、キューティー映画を総括してみます。
2021年キューティー映画トピックス
キューティー映画は公開の場をほぼ配信に移行しました。青春学園モノは、これまで1作目がヒットすると、同コンセプトで単体作品でのシリーズ化がなされていました。しかしそれも今はドラマシリーズに移行しています。
Netflix、AppleTVは、これまでの配給会社の役割を担い、新作を買い付けて配信しています。一方、ディズニー(&FOX)はディズニー+、ワーナーはHBO Max、NBCユニバーサルはPeacockとそれぞれ自社の配信サービスで自社製作作品を配信しています。しかしこの分布図は北米のものです。日本では大手映画会社の配信サービスがまだディズニー+以外行われていません(HBO Maxの一部がU-NEXTで配信)
ここで今後、日本で危惧されるのが『観る手段がない作品が増える』可能性です。
2018年、ダニエル・マクドナルド、ジェニファー・アニストン共演のミスコンに挑戦するおデブちゃんを描いた『タンプリン』がNetflixで12月から世界同時配信されました。本作は原作のYA小説含めてとても高い評価を得ていたのですが、なぜか日本だけ配信されませんでした。この時『タンプリン』の配信についてtwitter等で発信したのは日本で筆者だけでした。これまで日本未公開映画を鑑賞する手段として海外版のソフトを入手するというのがありました。しかしNetflixの独占配信である本作はソフトが発売されていません。やっとのことで見つけたのはフランス版DVD…最終的には6が月後の2019年5月に日本でも配信されるのですが、その間、未公開映画より視聴が困難であることを痛感しました。
そして今年はサンダンス映画祭で、史上最高額の配給権をAppleTVが購入した『CODA』がそのパターンとなりました。フランス映画『エール!』の英語版リメイク作である『CODA』は高い評価を得ており2021年8月にAppleTVで独占配信となりましたが、日本での配信はありませんでした。『タンプリン』のときと違いサンダンス映画祭での報道もあったので、日本で配信されないことへの疑問の声は薄っすら上がっていました。サンダンス映画祭での話題作ということもあり、どこかの配給会社が買って塩漬けにしているのかな?と思いましたが、その予想通り『CODA』は『コーダ あいのうた』という邦題で1月21日から劇場で公開です。
これにより、本来であればAppleTVに登録すれば誰でも見れるはずの『CODA』が、上映される映画館でしか観れなくなりました。当然、全国のどの映画館でも上映されるわけではないので、観ることができるのは上映館近郊の人までのものとなってしまいます。また現状のような社会情勢では、いつまた緊急事態宣言等で行動が制限されるやもしれません。
そう考えると、これまでと同じように映画配給というものが長編作品にとって最善なのか?映画館の存在意義はもはや必要となくなっているキューティー映画にとっては、せっかく配信主体となり世界中のキューティー映画を容易に受け取れるはずが、今度は映画館での配給が足枷になりかねない…と、なかなか色々考えさせられる状況になりつつあります。
去年まではその年に公開された作品で選んでいましたが、今年からは2021年に鑑賞した作品の中から選ぶことにします。
今年はNetflixのキューティー映画が豊作の年でした。Prime Videoは去年に続いてカナダのキューティーテレビ映画群がドバドバと。一方で新作キューティー映画の配信は減少気味です。ディズニー+はSTARS(FOX作品)が加わりましたが、キューティー映画はまだまだという印象。新作映画は来年の『魔法にかけられて』続編まで待機でしょうか?
また、映画ではありませんが、ドラマのほうでオススメを2つほど。
ステージ・マザー
1秒先の彼女
スター・ガール
https://youtu.be/mgkiixWJPeU
ラブ・エディター

ラブ・ハード
ミックステープ:伝えられずにいたこと
亡き母親が残した90年代の曲が詰まったカセットテープ。それをトゥイーンになった娘が曲を調べていく中で、友情や家族を再確認していく…というお話です。
インディーズ・ロック、パワーポップ系ロッ系が好きな人にはたまらない選曲。まさかのブルーハーツ。トゥイーンのヒロインの目線で進む作品なので、最後の方で若き祖父母(が好演)たち大人の視点に移ってしまったのがちょっと残念でしたが、最後までとっても気持ちのいい、元気で楽しいキューティー映画でした。
スケーターガール
ムクドリ
キスから始まるものがたり3
パリピ的アフターライフの始め方
パーティーガールだったヴィクトリア・ジャスティス演じるヒロインが幽霊になり天国に行くために、親友の恋愛を助けたり、両親の心の傷を癒やしたりするため奮闘するお話です。
ヒロインの恋愛をほぼ描かずにちゃんとキューティー映画として成立させているのが興味深いです。それはキューティー映画の本質である、ヒロインの精神的成長をちゃんと描いているともいえます。
『そんなガキなら捨てちゃえば?』『ナオミとイーライのキス禁止リスト』『オタク・レボリューション』などでどこか優等生的なキューティー映画ヒロインを演じてきたヴィクトリア・ジャスティスが、今回は派手で前向きでお人好しな人物を演じていたのも良かったです。