1. Home
  2. Column
  3. 2020年キューティー映画総括

2020年キューティー映画総括

2020年キューティー映画総括
0

Warning: Undefined variable $checkSmartListPost in /home/onebilling/cuemovie.com/public_html/wp-content/themes/newstube-cuemovie/html/single/content.php on line 77

映画の作り方、見かたが変わった2020年、キューティー映画はどうだったでしょうか?今年の総括です。

2020年キューティー映画トピックス

・コロナ禍で映画は配信で見るものに
・配信各社のキューティー映画事情
・キューティー映画が供給過多に
・今後のキューティー映画予想

コロナ禍で映画は配信で見るものに

中国発祥の新型コロナウィルスは人々の生活を大きく変えた他、長年の映画流通どころか映画ビジネスを強制的に変えてしまいました。
まず世界的に映画の制作・公開が止まりました。また、劇場公開予定だった作品の多くが配信に移行しました。キューティー映画は元々配信販売がメインとなっていたので、配信公開への移行は当然の流れでした。

そして海外からの映画情報は以前のように映画会社が宣伝費をかけて行うものではなくなり、ほとんどストップ。さらに今年は米大統領選挙があり、いつにも増してメディアを使った情報戦が米映画サイトにも影響していたので、当サイトは情報発信をほぼ止めました。キューティー映画の情報に政治的な思想は不要です。
もともとこのサイトを読んでる人もそんないなかったですし(笑)

日本では4月以降、ほとんど海外の映画が入ってこなくなりましたが、マイナーなキューティー映画(フランスを中心としたアメリカ以外で制作された作品)は単館系を中心に公開されていました。

そして配信サービスの台頭はキューティー映画の供給に大きな影響を与えました。
Netflix、アマゾンのプライムビデオは、オリジナル作品の製作の他、公開予定だった作品を買い付けて自社作品として配信していくように。
ディズニープラス、HBO Maxなど大手映画製作配給会社の配信サービスは、自社の劇場用作品の初公開メディアを映画館ではなく配信にシフトしはじめました。
ディズニーは『ムーラン』、HBO Maxは『ワンダーウーマン1984』がそれぞれ劇場公開を予定していて配信に切り替えた(または劇場公開と同日配信となった)初の作品となります。今後、両配信サービスは新作の劇場公開・配信開始を同日に行っていくことを発表していますし、中・小規模作品は公開が配信オンリーとなっていきます。

もはや映画館で映画を見る必要性はなくなりました。
日本では世界中のキューティー映画が数多く公開されては来ましたが、その多くは単館系のため東京を中心とした一部地域でしか上映されず、それ以外の地域の人はソフトにならないと見れませんでした。しかし配信メインとなった今、世界中のキューティー映画が全国同じ条件で即座に見れるようになったのです。
映画館は今後、IMAXや4DXなど家では不可能な映像体験をする場がメイン機能となると思われますが、キューティー映画に関しては完全に主メディアは映画館から配信に移行しました。

配信各社のキューティー映画事情

劇場公開作品で築かれていた収益構造(市場構造)に対して、配信はまだ同等の収益を生みだせません。配信会社は大作のオリジナルを作れば作るほど赤字になっていく仕組みです。そのため低予算で安定した質のコンテンツを生みだせて、ユーザーの多くを満足させつつ、新規ユーザを獲得できる話題性のある作品が多く望まれます。

それがキューティー映画です。

アクション・SFモノのような大型作品ほどに多額な制作費を必要とせず、一定のフォーマットに沿って作れば、主要ターゲットの世界中の女性層を満足させることができ、有名原作の映像化や有名俳優の出演で話題も作れて、しかもビジネス的に製作スポンサーの獲得がしやすいジャンルはキューティー映画以外にありません。
事実、各配信サービスのメインコンテンツはキューティー映画となっています。

Netflixは当初、テレビなどでは不可能なハードな内容の作品を売りにしていましたが、いつしか新作はキューティー映画だらけ。年間視聴数の上位も日本以外の各国でキューティー映画だらけとなっており、オリジナルの人気作は続編やシリーズ化が増えてきました。
今年はコロナ禍で製作ができなかったようですが、クリスマス映画としてキューティー映画が数多く製作されており、こちらは各作品が同じ世界観を共有し始めています(アメコミ映画風なユニバースです)

ワーナーのHBO Maxはキューティー映画の企画製作が得意なニュー・ライン・シネマなどを有しているので、大人向けのキューティー映画が新作として登場してきます。ただ日本でのサービスインはほぼ不可能ではないかと(HBO Maxはジブリ作品全作を配信していますが、当然日本以外での配信権をもっているだけです)。そうなるとHBO Maxオリジナルのキューティー映画は劇場公開以外では日本で見れないことになります。コロナ禍の中だと公開自体が行われない可能性も高く…以前Netflixで日本だけ配信が遅れた『タンブリン』のような状況になります。つまり配信作品の場合、ソフト化もされないので見る手段が一切なくなるということです。

ディズニープラスはなかなか新作の供給が軌道に乗りませんが、現在企画開発中や準備中の作品は『魔法にかけられて』の続編など話題となるキューティー映画が多く、またディズニー・チャンネルがディズニープラスに合流するという噂もあり、そうなるとこれまで作られてきたティーン向けキューティーテレビ映画が配信作品として数多く登場することになります。
さらに現在北米でディズニーは、家族向けのプラスに対して、大人向けに米Huluを用意していますが、これも別サービスではなく合体した上でレーベルとして分けられるという噂があります。巨大なディズニーがこれまでの多展開を統合していく過程でキューティー映画の扱いが重要な要素となってきます。

NBCユニバーサル系の配信サービスPeacockが今年からアメリカ国内でスタートしていますが、サービス内容は無料会員があるので過去の名作ドラマなどが楽しめる反面、現在の展開では新作配信映画にキューティー映画が一つもないため全く話題になっていない状況。サービス開始早々失敗していると思われます。
ただユニバーサルは多くのキューティー映画のほか、ワーキング・タイトル、フォーカス・フューチャーといったキューティー映画の企画に長けたスタジオも配しているので、今後の新作が配信作品として並ぶと一気にメジャー配信サービスとなる可能性を秘めています。

キューティー映画が供給過多に

今後、配信がメインとなる映像作品の主軸は先に書いたようにキューティー映画に移りますし、コンテンツの中核を担うものになります。
以前は映画館、レンタル/セルソフト、有料チャンネルがキューティー映画を見るメディアでしたが、そこで展開されている作品群はバイヤーによって買い付けられた作品でした。

しかし各配信サービスのキューティー映画には各国でテレビ映画として制作されたものが多く含まれ始めています。これまでそういう作品はソフトで見るくらいしかなく、それも全てのレンタルショップ等に並ぶわけでもありませんでした。それが一気に誰でもいつでも見れるようになりました。

各国のオリジナル作品もNetflixを中心に世界同時配信となっています。世界同時配信となるのは世界共通のフォーマットを有するキューティー映画です。これまでなかなか見ることができなかった国のキューティー映画も簡単に見れるようになりました。

キューティー映画は、映画の流通で配信サービスがメインとなった今、過去最大に供給過多状態となっています。
本来当サイトはそんなときだからこそ、”キューティー映画ソムリエ”として作品を紹介していかないといけないのですが、膨大な作品を見て評価し紹介するには人手も時間が足りません…

そして多くの配信サービスが作り出すであろう作品は今後、キューティー「映画」と呼んでいいのか?という事が起こりつつあります。

今後のキューティー映画予想

配信サービスのメインコンテンツとなっているキューティー映画ですが、配信の場合はテレビ同様、視聴者の興味を長く引っ張っていける連続シリーズ形式が映画より重視されていくでしょう。
人気ドラマシリーズの制作と同時に、有名キャストによるリミテッドシリーズのドラマ(通常と違い10話以内の構成)がキューティー映画に取って代わっていくと思われます。いわば「4時間もののキューティー映画」「映画ではシリーズとして展開していた作品がドラマのようにまとまった形で配信」というものが増えていき話題となっていくのでは、と。
そうなるともう「映画」とも「ドラマ」とも呼ぶものではなく、ドラマも映画も一つと考える新しい概念での呼び名が必要となってきますね。

そして1990年代、2000年代にキューティー映画を引っ張ってきた女優たちが、プロデューサーや監督などでこの新たなメディアを舞台にキューティー映画を引っ張っていく存在となっています。そうした状況から次世代のキューティー映画を担う女優はどういう人達でしょう?メグ・ライアン、ドリュー・バリモア、リース・ウィザースプーン、アン・ハサウェイ…といった、色々な作品でキューティー映画のヒロインを演じる女優が出てくるでしょうか?多様性が求められる今、人種だけで主演になっているような女優も多く、今後、すえ長くヒロインを演じられるような女優が登場することが期待されます。

また数年前に流行った作家性を全面に押し出しただけの自己満足的な作品は影を潜めました。今後はコメディをちゃんと撮れる職人的な監督が求められると思います。ここ最近、女優から監督になる人の多くが、1990年代、ベテラン男性監督が作っていたような職人監督的な映画を作っているのが以前と違って面白い傾向だな、と。
そういう意味では今後のキューティー映画は1990年代〜2000年代に作られたような作風の作品が現代的なアレンジ(シスターフッドや人種問題を逆手にとったものなど)で登場してくると予想します。

女優、監督、脚本にどういう才能を持つ人が現れるか、キューティー映画は作品発表の機会が増えているのでとても楽しみな状況となっています。

tags: