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映画製作をしたエルシーラブコスメティック 川井愛実さん

映画製作をしたエルシーラブコスメティック 川井愛実さん
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業界外から見た映画業界、映画を公開するということ

映画業界外の、ネット中心に活動されているエルシーラブコスメティックさんからみて、一般的な映画の宣伝や展開ってどう見えますか?今回映画製作に関わったとこもあり、業界外の率直な意見を聞いてみたいことなのですが。

チラシとかポスターとか、何でこんなに枚数いるんだろう?とか思いました。
もうごくごく単純に「そんなに刷ってどこに置いたり貼ったりするのかな?」って。
弊社がネット中心で多くのユーザーを抱えてるというのもあるので、それならばFBやツイッターの拡散効果を狙う方がいいんじゃないかなと。

後、展開的にはできるだけ早く作品をネット配信したいですね。

完成した作品は一般公開されたということもあり、エルシーラブコスメティックのことやラブ・グッズに全く興味のない人も見ることになりますね。その辺はどう思われますか?

あまり「当社商品への宣伝効果を第一に!」とか考えず、まずは映画を見てもらって「変なおもしろいアイテムが出てくるみたいだからちょっと見てみたら、楽しくてスカッと気持ち良くなった。」というのでいいと思っています。それで映画のことが口コミで広がってくれたらうれしいです。
今回キューティー映画テイストで作ったのは、みんなでワーッと笑って、見た後にスカッとした気分になってもらえたらそれでいいんだと。女子を応援するという意味も含めて、ちょっと元気になってもらえたらいいな、って思いますね。

初めてのことで色々大変だったと思いますが、今後も映画を作りたいですか?

メチャクチャ作りたいです!(笑)
私たちみたいな門外漢で、映画業界の人たちが考えつかないような題材の作品が作れたらと思いますね。
今回もラブグッズという題材でみんながこんなに注目してくれるんだ、とか、こちらからすると意外だったので。その辺、すごく手応えがありましたから。

ちょっとビジネスの話

ちょっとビジネス的なことを聞きたいのですが、今回の『ラブクラフト・ガール』って、原作漫画は自社で作られて、自社サイトで発信していましたね。普通ならすでに発表されている漫画や小説を原作にして映画化します。映画の主題歌も自社で作られてる。普通そういうのってタイアップですよね。そして宣伝も自社中心にやられてます。そして製作費は一社だけで用意され…と、すべてエルシーラブコスメティックさんだけでやっておられますね。
今後規模を大きくするとしたら、他社を加えた製作委員会方式などが考えられると思うのですが、その辺は想定されますか?
映画って「製作費何億円」とかテレビとか雑誌で言ってるじゃないですか。だから今回、実際映画を作ろうとなったとき、仲のいい他社さんや大手さんにも声をかけて、資金を募ろうかというのも言ってたんですけど…
けどそうなると、たぶん色々なしがらみが増えるんじゃないかと思ったんです。

コンパクトな予算でも、テーマがぶれない作品を作っていけたらと思うので、今後もできるだけ自社だけでやっていけたらと思っています。

これからも女の子のセクシャルな悩みを応援していくのがテーマ

今回は自社商品の宣伝も兼ねて、という意味合いが色濃く出ている作品です。でも今後、一切自社商品が出ない、けどエルシーラブコスメティックさんのコンセプトにある「女性を勇気づける」というテーマのキューティー映画を作るということはあるんでしょうか?

はい、すごくあると思います!
今回はまず会社を立ち上げた当時のエピソードがほんと面白いものばかりだったので、それを題材にして作りました。

けど今後は、うちの商品やグッズが出なくっても、最終的にはちょっとセクシャルな悩みがある女の子を応援するという、さっき教えてもらった(※Vol.1参照)海外のキューティー映画みたいな作品を作れたらいいなと思っています。

エルシーラブコスメティックに期待

やはり映画というのは作ってみないとわからないことがたくさんあるようです。とにかく製作を実行し、公開まで持っていったエルシーラブコスメティックさん、川井さんの実行力は見事なものだと思います。それによって得た貴重な経験は相当なものだったのではないでしょうか?

しかし、一度経験すると、次も!となるのも映画製作の醍醐味であり魔力です。インタビューから川井さんもその魔力の虜になってしまわれてるようです。

cueは「次回キューティー映画を企画するなら、ぜひ呼んでください。」とちゃっかりアピールさせてもらいました(笑)
でも真面目な話、キューティー映画には構造的なお約束があり、それを企画と脚本段階で抑えればさほど外しません。そこはぜひお手伝いしたいところです。

邦画において、男性向けのセクシャルな映画は多くても、なかなか女性向けの「コメディでセクシャル」な内容の映画はなかなか出てこないので、ぜひエルシーラブコスメティックさんにはその分野をガンガン開拓していってほしいと思います。

刺激的だけど、等身大。すべての働く女性に贈る、とびきりポップなラブコメディ!『ラブクラフト・ガール』

Lovecraftgirl_poster

ストーリー

デザイナー志望の26歳独身女性・茜(安藤聖)は突然のリストラに遭い、そのうえ彼氏の浮気現場にも遭遇してしまい、一夜にして職なし、家なし、彼氏なしに。就職情報誌の「デザイン・企画開発・即日勤務可能」の文字に飛びつき憧れのデザイナーになった喜びもつかの間、入社した「ラブクラフト社」が扱う主な商品は“ラブグッズ”と呼ばれる女性用セクシャルグッズと知り、愕然とする茜だったが…

キャスト&スタッフ

出演:安藤聖、中村倫也、羽鳥名美子、黒瀬友望、千葉雅子、矢柴俊博、木野花
監督:平林克理『ペンギン夫婦の作りかた』/脚本:鹿目けいこ『体育館ベイビー』『同級生』
製作:エルシーラブコスメティック
© 映画「ラブクラフト・ガール」
公式サイト:https://www.lovecraftgirl.com/
ツイッター:https://twitter.com/lovecraft_movie

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色々知らないことだらけからスタートした映画企画

ではそんな川井さんの、キューティー映画のヒロインみたいな、映画製作奮戦記を聞いていきたいと思います(笑)
映画を作ることになって、最初にまず何をしました?
映画を実際に作る制作会社さん向けの企画書作りでした。キャッチコピーの案やプロットは元々作っていたのですが、実際の映画の企画書なんて見たこともなかったので、映画製作のことを知っている知り合いの会社の人に聞いたりしながら作っていきました。
普通だと、映画の資金を出してくれるスポンサー向けに企画書を書くのですが、エルシーラブコスメティックさん自体がスポンサーだからそのへんは違ったのですね。
では社内でどうやって映画製作の予算を確保したんですか?
社長に拝み倒して出してもらうとかではなく、普通に広告費からですね。
年間に使える広告費の総額が決まっているので、その中からこの映画の製作費用を作りつつ調整して…という感じです。

じゃあ、普通の映画製作だと最初の難関となる資金集めに関しては、会社での通常予算をうまく活用されたんですね。

そうなります。ただ映画を作って見てもらうのに、実際お金がどこにどれくらい掛かるかというのがわからないですから、実際始まってからがほんと大変でした。
私たちは「これだけのお金(予算)で映画を作ってください」と言っているのに、色々他の費用がかかってくるんですね。
配給というのは何?P&A費 ((P&A費:Print&Advertisingの略。上映に使用するプリント(マスターフィルムからのコピー)の作成料金と、広告出稿に必要な資金のこと。
現在、2通りの方法があり、
1)配給会社が事前にP&Aを立て替えておき、映画興行が終了し精算する段階で、配給収入からP&A費をトップオフする。
2)映画を製作したところがP&Aを全額負担し、事前に配給会社に支払う。配給会社はその費用内で営業と宣伝を行う。))って何?どうしてそんなにお金がかかるんだろう?って感じで、一々意味が全くわからないので、そこを何時間も納得行くまで説明してもらって。
あと、提示された金額が適正かどうか、他のところにも聞いて表にして比較してみたりして。
大手の会社に制作の依頼をしようと思って相談に行ったら即座に断られたときもありました。「この予算だと、うちみたいな会社でやる規模のものじゃないですよ」とハッキリ言われたりして。

で、そうやっていくうちに、どれくらいの予算規模でどれくらいの作品になって、というのかがやっと分かるようになってきて。

プリ・プロダクション、そして撮影へ!

確かに実際動いていかないとわからない費用って多いですよね。準備段階(プリ・プロダクション)の脚本作りとかどうでしたか?

脚本の鹿目けいこさん ((脚本家。デビュー作「本日の猫事情」のほか、「同級生」「たいむすりっぷメガネ」などの脚本を担当。小説の著作では「乙女プロレス」「ホワイトウエディング」など。))に決まってから何回か話し合いをして、脚本が出来てから何度か書き直してもらったりしました。
初稿の段階だと、弊社が扱ってる商品への私たちの思い入れとかがなかなか上手く伝わらないですから、その辺を上がってきた脚本でチェックさせてもらいました。

やはりそういった脚本のチェック項目は宣伝的な意味も自社商品についてだったのですか?

鹿目さんが最初に作ってくれた脚本は、当社が化粧品メーカーということで、イメージ的に気を遣ってもらったみたいで、全体に綺麗な感じのサクセスストーリーだったんですね。
でも、もっとヒロインがどん底に落ちたり仕事の描写も泥臭くしてもらってもいいということで、そういうエピソードを作ってもらったりしました。
商品や弊社のイメージも大事ですが、それ以前にまずこの映画はヒロインの成長物語だというところが軸にあったので。

打ち合わせの時に、イメージ的に目標にしたい映画の話題とか出ましたか?

監督や脚本家さんとの打ち合わせの時、『プラダを着た悪魔』の話題はメチャクチャ出ました。あの映画は凄くオシャレな映画でしたが、そこは真似できなくても「ヒロインが失敗したり落ち込んだりして、そこから自分自身の力で這い上がって何かをなす」というテイストはとても目指したい部分だったので。

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出演者の選考にも関わったのですか?

男優さんの選定に関しては、いくらか「イメージ的にこう」「見た目はこう」とわがままを言わせてもらいました。
というのが、漫画の『ラブクラフト・ガール』の中でヒロインの相手の男性キャラが読者の間で凄く人気キャラだったんです。なので、そのイメージに近づけたいというのがありました。

制作中に大変だったことってありましたか?

撮影のときが大変でした。会社のシーンとかを当社を使って撮影したんですけど、毎朝5時半とかに始まって24時までとか。
で、やっぱりずっとそれだと日に日に現場が疲弊していくのが分かるんですね…それはこちらとしてもどうしようもないですから、心のなかで応援するしかなくって…

でも平林監督がすごく周囲への気遣いがある方なので、撮影自体は凄く楽しかったです。

イベント上映のつもりが、ひょんなことから劇場公開に!

制作の次は映画を見てもらうための公開ですね。映画業界内じゃなければ、普通は配給とか興行とかまで考えが及びませんよね?その辺はどういう経緯で公開に至るのですか?

最初にも話したように元々「当社のような会社が映画を作ったということを歴史に残す」という目的でやっていたので、映画館を3日間くらい貸し切って上映できればいいかな〜くらいに考えてたんですよ。

で、今の配給をやってもらっているキュリオスコープさんと繋がりが出来て、そのことを相談してみたら、予算もそんなにかからずに出来るんじゃないかと言われて、「じゃあイベント上映でいいので」とすぐお願いしたんです。
そしたら「作品を見たら意外と面白いので本興行にしましょう。」と先方からおっしゃってもらって、そこでアレヨアレヨという感じで公開が決まったんです。

渋谷のヒューマントラストさんで上映することになったのも、若い女性が多くて普段キューティー映画もたくさんかかっているので「あそこなんかいいですよねー」と話したら、「じゃあ聞いてきます。」「OKもらいました。」て感じで(笑)

じゃあ、本当は映画を一般公開する気はなかったということなんですか?

そうなんですよ!だから私たちからしてみたら、驚くばかりで(笑)
でもこうなったのも、作品が認められたということですから、それが本当にうれしくて。
その頃、弊社も社内で試写会やったら、一気に火が付いたみたいに盛り上がり始めて、私たちもノリノリになって、「じゃあうちもPRがんばります!」と盛り上がっていった感じですね。