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海外映画を配給するFOXサーチライト 平山義成さん

海外映画を配給するFOXサーチライト 平山義成さん
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はじめに〜LAでFOXサーチライト・ピクチャーズ本社を見る

2013年夏、LAに遊びに行った際、一般人は普段入れないFOXの撮影所を案内してもらいました。その日は休みで撮影所は人もおらず静かだったのですが、色々見て回る中「Fox Searchlight」という看板のある小さな一軒家風の建物を見つけました。
キューティー映画ファンなら一度は見たことがあろうであろう、FOXサーチライト社の事務所です。中は当然閉まっていましたが玄関が開いていたので吸い寄せられるようにちょっとだけ入ることに(笑)
玄関から入るとすぐに階段があり、その壁にはこれまでの作品のポスターが貼られていました。『Kissingジェシカ』『ベッカムに恋して』『ファット・ガール 愛はサイズを超える』『ローラーガールズ・ダイアリー』『JUNO/ジュノ』『ルビー・スパークス』…まだまだたくさんあります。その階段をちょっと登っただけでもうお腹いっぱいになりました。
建物を出る際「いつもいつもキューティー映画をありがとうございます。これからもどうぞたくさん作品をよろしくお願いします。」と拝んできました(笑)

そんな(どんなだ)FOXサーチライト・ピクチャーズさんが、来年設立20周年ということで、色々なプロジェクトを仕掛けていくとのこと。
となると、当然キューティー映画も?ということで、その辺を含めて普段なかなか表に出ない、海外の配給会社のことなど色々お話を聞くことにしました。

平山 義成

20世紀フォックス映画 セールス・シニア・マネージャー

1998年、20世紀フォックス映画に入社。営業部門に所属しつつ、2006年の「リトル・ミス・サンシャイン」を契機にFOXサーチライト作品の配給に深く関わるようになり、「JUNO/ジュノ」「(500)日のサマー」「ブラック・スワン」といったヒット作品を手がける。

FOXサーチライトとは?

まずは平山さんの日々のお仕事について教えて下さい。

映画の配給会社とは何ぞや?というところを説明すると、映画は作る人たちと、上映する映画館があって、その間に入るのが配給会社というものです。

配給会社というのは一般に、作られた映画を映画館に営業する(セールス)ことと、その映画を宣伝する(マーケティング)という2つの部署が存在することになります。これはどこも基本的に同じです。

配給会社は邦画の会社と洋画の会社と分かれますが、洋画の会社でも2通りに分かれます。
1つはいわゆるハリウッドメジャーと言われる会社です。
大作を中心に全世界に配給網を展開していて、全世界に地域ごとに配給を受け持つ支社があります。弊社はそのパターンです。
もう1つはインディペンデント(独立)系の会社です。国内の会社さんですね。
映画のマーケットや映画祭などに出向いて、配給したい作品を買い付けて国内で配給するパターンですね。

FOXサーチライトさんの特徴は、ハリウッドメジャー配給でありながら、インディペンデント系の作品を扱うというところにあると思うのですが

そうですね。FOXサーチライトは20世紀フォックスの中に設けられたインディペンデント映画部門なんです。
設立が1994年なんですが、メジャースタジオの中にインディペンデント映画の会社として設けられたのは恐らく最初だと思います。

平山さんご自身は最初からFOXサーチライトに関わっておられたんですか?

いえ、私は設立後に参加しました。元々こういう系統の映画が好きだったのでわりと任されるようになりまして、後に営業から、少しずつ宣伝まで関わるようになっていきました。

私がFOXサーチライトに深く関わるきっかけになったのは2006年の『リトル・ミス・サンシャイン』なんです。

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その年のサンダンス映画祭でFOXサーチライトがこの映画のワールドワイド(全世界)の配給権利を買ったんです。
サンダンス映画祭に行ってた日本の映画館の関係者さんから、「この作品をFOXサーチライトが買ったらしい。ぜひうちで上映させてもらえないか?」という話がありまして。その方は実際に観て目を付けていたんですね。
でも当然こちらはまだ見てないので、どういう作品かわからないので…と消極的で。
社内的には最初から期待されてる作品じゃなかったんです。
だから社内で担当もつかない。本当に、最初はどう扱っていいかわからない映画だったんですよ。
そしたら夏にアメリカで公開されヒットして、日本でも!となりまして、「あいつはミニシアター系に詳しいんじゃないか」と私が言われてて、何となく作品に深入りすることになりました。
第19回東京国際映画祭に出品したら(コンペティション部門)最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、観客賞など最多3部門を受賞してしまい、期待値がどんどん上がり、さらにアカデミー賞にノミネートされ、それも取ってしまい…という感じで。
それ以降のFOXサーチライト作品に関しては営業的な窓口になったという感じですね。

FOXサーチライトの特徴ってなんでしょう?

テイスト的には笑って泣ける作品が多いと思っています。アメリカのいい意味でのインディペンデントな匂いがするというか。
あとは、何年かに一度はラブストーリーや青春映画の傑作が来ますね。
それと、FOXサーチライト作品から巣立つ人が多いですね。常に新しい才能を発掘していると思います。

平山さんとFOXサーチライト

FOXサーチライトに関わって印象的なお仕事って何かありましたか?

FOXサーチライトに関しては3本ありまして、先ほどの『リトル・ミス・サンシャイン』『(500)日のサマー』『ブラック・スワン』ですね。
どれも公開前は成功の保証が全くなく、1から形を作っていったので印象深いですし、自分のキャリアの中でもターニングポイントだったなと思います。

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『(500)日のサマー』は元々映画館でかからない可能性の方が高かったんです。
社内的にはこれは劇場公開は無理じゃないの?という声が強かったのですが、どうしてもやりたかったので、粘りに粘って最終的にはやることになったんですが、宣伝にもかなり首を突っ込みました。
結果的にそんなに大きなヒットにはなりませんでした。社内的には一応目標額は達成したので問題なかったのですが、正直言うと、その年ヒットした『モテキ』の数十分の一でした。

そうした中で、FOXでは作品ごとに、全世界支社の中からがんばったところを表彰するというのがあるんですが、『(500)日のサマー』に関しては日本が金賞を取ったんです。これは凄くうれしかったですね。

平山さん、キューティー映画を語る

ちなみに平山さんご自身でお好きなキューティー映画はありますか?

やっぱり『キューティ・ブロンド』ってひとつの金字塔だと思いますね。

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あと実は自分がFOXに入るきっかけは『メリーに首ったけ』だったんです。前務めていた映画会社にいたとき、どうしてもあの映画がみたくて無理言って試写に入れてもらったりしたんです(笑)
とにかく冒頭から笑いっぱなしで、映画館全員のお客さんが笑ってる醍醐味というのをこの映画で知りました。

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これは自論なんですが、いい映画って、ベースにあるのは作り手にとっての何らかのトラウマだと思ってるんです。
あとで調べてみると『メリーに首ったけ』にも、ファレリー兄弟の周りにメリーのモデルになったような魅力的な子がいたらしいんです。そしてその子は交通事故か何かで亡くなってるんです。その子のことを頭において脚本を書いてるらしいんです。だから何かしらの想いを感じるんですよね。コメディであるんだけど、不思議なリアリティがどっかあるんですよね。