
レズビアンの恋愛をストレートに描いているカナダ映画『アンダー・ハー・マウス』は、ユニセックスなイメージのモデル、エリカ・リンダー映画初出演が話題の作品です。制作スタッフは全員女性で固められています。そんな作品を監督した、女優でもあるエイプリル・マレンにインタビューしました。
監督のエイプリル・マレンは女優もこなしている人で、本作で監督は6作目となりますが、日本では本作の前に監督した『アウト・オブ・コントロール』というサスペンス映画だけ見ることができます。
[tmkm-amazon asin=’B01JSBNTYU’][/tmkm-amazon]
この他、彼女のこれまでの監督作はコメディやハードなタッチのスリラーばかり。以下に紹介する彼女の監督作は、どれも自身がメインキャラクターの1人として出演しています。
じゃんけんの世界大会優勝を目指す人々のモキュメンタリー『Rock, Paper, Scissors: The Way of the Tosser』。彼女の監督デビュー作です。
3Dホラーコメディ『Dead Before Dawn 3D』。学園もの+ゾンビという定番です。
https://youtu.be/Rcx-Fx_MqW4
不気味な建物を調べるTVクルーたちを描くサスペンス・ホラー『Farhope Tower』
https://youtu.be/NsITdXCUV-0
これらの作品から、アート系で自分の表現したい作品を撮るというより、来た企画を受ける職人タイプの監督さんのようです。そういう人が今回のような繊細なドラマ作品を撮るにあたってどういう風に考えてたのか、参加の経緯を含めて色々と興味がわき、インタビューしました。
当サイトでは2016年のトロント国際映画祭でのプレミア上映前から『アンダー・ハー・マウス』について伝えてきました。
『アンダー・ハー・マウス』で描かれるレズビアンによるセックスシーンは、ソフトポルノと言っていいくらい、とてもストレートな描き方をしています。その描き方についてもストレートに聞いています。
また、ストーリーに関する部分に立ち入っているので、鑑賞後の方がわかりやすい内容になっています(鑑賞前にこのインタビューを読んで、ここで話しているシーンに注目してもらうのもありです)。
ですので、良い子は大人になってから読んでくださいね。

2007年、カルト的人気を博したコメディ映画『Rock, Paper, Scissors:The Way of the Tosser(原題)』で 監督デビュー。2012年に公開された『Dead Before Dawn 3D(原題)』では、若手女性監督として初めて3Dアクション映画を手がけた功績が称えられてThe Perron Crystal Award を受賞。15年に公開された『アウト・オブ・コントロール』(未)はアメリカをはじめ、22の地域で公開された。最新作は、ラテンアメリカ系ギャングのラブストーリーの『Badsville(原題)』(17)が待機中。また、女優としても映画『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(06)、テレビ「GoodGod(原題)」(12~)シリーズなど、数多くの作品に出演している。
この作品に参加された経緯を教えてください。
プロデューサーが、前作『アウト・オブ・コントロール』(2015)を見て、気に入ってくれたみたいです。
『アウト・オブ・コントロール』はアクション映画なんだけど、その中に恋愛の描写があって、それが非常に生々しく描けていると思ったようで、それがこの作品にピッタリだと。それで呼んでくれました。
あなたがこれまで監督した作品は、いずれもコメディやサスペンスばかりでしたよね?
(この質問の途中で監督が大笑いしながら「What Happen!!(どうしちゃったの私!)」とツッコミが)
確かに『アウト・オブ・コントロール』を観た時に、恋愛要素はありましたが、女性キャラクターの描写はアクションものということでハードでした。でも今回とは明らかにタッチが異なります。その辺はどうでしたか?
確かに全く違うものを描いていますね。『アウト・オブ・コントロール』では女性の復讐劇を描いていました。でも今回は純粋でストレートなドラマで、リアルな恋愛を2人のキャラクターで描いていくわけですけど、かなり毛色の違う映画にはなっていますね。
監督としてはどちらのタイプが撮りやすいですか?
それぞれに難しさがありますね…。
ところで『アンダー・ハー・マウス』と『アウト・オブ・コントロール』を比べる質問って、これまでなかったの(笑)。だからとても面白いわ。ありがとう!
よく考えたらどちらも似ているところがあるかもしれません。
例えば、両作品共、超リアルなキャラクターの心情を描いています。人が過激な変化を遂げる瞬間を描いていると思うんです。これは監督として、こだわりを持っている点かもしれないわ。
今回、制作スタッフは全員女性で編成されていました。監督としては性別でスタッフをまとめるということに意味はありましたか?
この作品には必要だったかな、と思います。
とにかく今までと違うものを描きたかった。女性の愛や欲望について、女性の視点で徹底的に表現したかったので、現場だけではなく、プリ・プロダクション ((撮影に入るまでの準備期間のこと。脚本開発やロケハンなどが含まれる。))からポスト・プロダクション ((撮影後の作業のこと。編集や音響、効果音、アフレコ入れなどが含まれる。))に至るまで、どの部分も全部女性スタッフを起用しているんですよ。
でも他の作品で同じことをやるべきかというと、それはまた違う話だと思います。だから、何かしら政治的な動機でやったのではないですね。
制作の技術的な部分で考えた時に、女性だけの編成と男性が交じった編成では何か違うのかな?と思ったんですよ。
監督としては変わらなかったですね。女性だけだと各部門ごとに固まってしまいがちなところを、部門間でコミュニケーションを密に取ったりして、とてもフレキシブルにしたので、垣根が取り払われるという感じの現場ではありましたね。
