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“J.T.リロイ”こと「サラ、神に背いた少年」著者 ローラ・アルバート インタビュー

“J.T.リロイ”こと「サラ、神に背いた少年」著者 ローラ・アルバート インタビュー
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『作家、本当のJ.T.リロイ』は、90年代にアメリカのセレブ界を巻き込んで大騒ぎとなった、架空作家J.T.リロイ捏造事件の張本人、女性作家ローラ・アルバートのインタビューを中心に、当時の関係者の証言や資料をもとにしたドキュメント映画です。架空作家J.T.リロイが書いた設定の「サラ、神に背いた少年」著者で事件の張本人であるローラ・アルバートにインタビューしました。


1996年に突如文壇に現れ、幼くして女装の男娼となっていた過去を綴った自伝「サラ、神に背いた少年」で時代の寵児となった謎の天才美少年作家、J.T.リロイ。
その才能にほれ込み、映画監督のガス・ヴァン・サントは『エレファント』の脚本を依頼し、マドンナやトム・ウェイツ、コートニー・ラブ、ビリー・コーガンら当時のセレブたちが絶賛しJ.T.リロイと会いたがり、2作目の著作「サラ、いつわりの祈り」はアーシア・アルジェントによって2004年に映画化されるなど、話題の中心人物でしたが、2006年ニューヨーク・タイムスの暴露記事によって事態は一変します。

実はJ.T.リロイなる人物は架空の人物で、皆の前に現れているのは彼に仕立てられた女性がなりすましていて、本当はJ.T.リロイの女性マネージャー、ローラ・アルバートがその著者でした。
一大スキャンダルとなったこの事件を、ローラ・アルバート自身のインタビューを中心に、当時録音されていた留守番電話のテープや当時の関係者へのインタビューなどで検証したのが、4月8日から公開中のドキュメント映画『作家、本当のJ.T.リロイ』です。

このドキュメント映画は、事件の真実を探求するものではありません。映画の中でのローラ・アルバートへのインタビューでは、彼女の発言を「真実」として流し続けます。

元々事件自体が、彼女の巧妙な仕掛けから始まったものですから、言葉は悪いですが彼女は事実の捏造が得意です。しかもそれが創作としてとても面白かったわけです(だからこそ小説が注目されたわけです)。映画の中で彼女自身が語るJ.T.リロイ創作の動機や自身の過去の話自体が、本当かどうかもわからないまま「もしかして、これは彼女が作り出した新しい物語ではないか?」とも思いながらも、当時起こったことを追体験し、映画に引き込まれていくという、とても面白い仕掛けの作品になっています。

ちなみに、この事件はクリステン・スチュワートがJ.T.リロイを演じる『JT Leroy』という企画が現在進行中です。ローラ・ダーンがローラ・アルバートを演じるというニュースも最近ありました。

そして『作家、本当のJ.T.リロイ』公開を記念してなんとローラ・アルバートが来日。インタビューに応じてくれました。しかし正直いって、インタビューが決まったときは困りました(笑)

劇映画の制作者や出演者なら、映画に出演したときのことを聞きます。『作家、本当のJ.T.リロイ』を作ったジェフ・フォイヤージーク監督であれば、聞きたいことがたくさんあります。しかしローラ・アルバートはドキュメント映画の取材対象者で、しかも事件の当事者・中心人物です。一体何を聞けば良いのやら…

映画の中で自身のトラウマなどを語るローラ・アルバートは、日本でいうところの”腐女子”と呼ばれる「ボーイズ・ラブ」愛好者にとても感覚が近いと思いました。自身の思い描くファンタジーを何かに託して表現する女性作家として考えると、とてもまっとうな創作者です。そこで「ローラ・アルバートと腐女子やファン・フィクションについて語ろう」というコンセプトに至りました。