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ロマンス小説を多く翻訳している翻訳家 佐竹史子さん

ロマンス小説を多く翻訳している翻訳家 佐竹史子さん
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翻訳するということ

翻訳の仕事のやり方ってどういう手順なのですか?

まず翻訳の依頼があって、本なりコピー原稿が送られてきて、それが来たら、まず読みます。
あとは2ヶ月、3ヶ月、ただひたすら訳します。
あ、でもものすごい急ぎって時もあって、本を通読する時間がない時は訳を書き送りしていきます。
その時は「次、どうなるんだろう?」って、読者と同じ気持ちを持ちながらワクワク感たっぷりに訳すので、それはそれで、これまたオツなもので。

これは大変だったというエピソードってありますか?

パラノーマルもの ((パラノーマルもの:ロマンス小説の中で人間以外との恋を描いたもの。ファンタジーやSFの要素を持つ。「トワイライト」の大ヒットで脚光を浴び、近年の海外YA小説の中核となった。))を訳したことがあって、その時は難しかったですね。
その作者が独自に持ってる世界観があったり造語があったりするので。
そういう言葉にぶつかると「この言葉をどう訳すりゃいいの?」って戸惑いました。
その人のサイトを見たりして調べたのですが、なかなか全体図が見えてこなくてあれは大変でしたねー。

佐竹さんが多くやっておられるキューティー小説系には、今風の言葉とか流行歌手の名前を使っての喩え、若者造語のギャグ言葉とかバンバン入ってくると思うのですが、難しくないですか?

その歌手が有名であればすぐピンと来るんですけど、ちょっとそうでもない場合は訳を変えますね。調べた上で「あぁ、これはこういうことで笑いを取ろうとしてるんだ」と一応把握した上で、アレンジします。

ギャグの場合は笑いのセンスがないと、そういうアレンジは難しいですよね。

ははは。笑いのセンス、私あるのかなぁ?(笑)

(同席していたヴィレッジブックス編集者さん「ありますよ!私、いつも佐竹さんからあがってくるゲラ(原稿)を読んで「プッ」てなりますもん(笑)」)

へ~(他人事)
コメディは好きなんですけど、(声を落として)自分自身は暗い人間なんですよ…
(周り爆笑)
「すごい楽しかったです!」って言われても「何で!?私、こんなに暗いんだけどなぁ…」と…
(周り爆笑)

(笑)佐竹さん、素で面白いですよ(笑)
さて、質問に戻ります。原書を読まない我々からすると、佐竹さんが書かれた訳が全てです。翻訳家としての心構えとか気をつけてることとかはありますか?

文体を決めるのは原文です。原文から聞こえてくるものしか出せないと私は思ってます。
常に作者の声を聞けるように常にニュートラルにするっていうのが、まずは第一ですね。
先入観を入れないし、自分の好きなものとかも入れないようにします。

あと、あんまりノリにノッた翻訳って、いいようで意外とダメだったりします。
ガッーっとやって翌朝冷静に読み返すと「あれ?ってか、酔っぱらってたっかな?」って思うような(笑)
あんまりハイになっちゃうとダメですね。

日本語のこと。原書との距離感

翻訳って日本語も重要ですよね。日本語の文章に関して、勉強のため何かやっておられることってありますか?

好きな小説を書き写したりしますね。手書きで書き写します。手で書くと(文章が)自分の中に入ってきますね。
物凄く難解な日本語の本があったとして、まずはその英訳された本を読んで、次に日本語で書かれたものを読んで、それを書き写したりしてます。

大江健三郎とか三島由紀夫の小説とか物凄く凝った文体じゃないですか。そういうのはちゃんと英訳されて出版されてるので、まずは英訳された本を読んで「わっけわかんない英語だな~」と思いつつ、日本語版を書き写しながら「あ、これはこうなんだ、」と英訳と日本語の表現を確認していきます。

原書の作家への親近感ってありますか?

それは凄くありますね。でも実際に会ったことはないです。
その本の中で語ってることしか私は知らない、という風に思いたいんです。
もちろん作者のサイトとかブログとか読みますけど、さらに個人的に交流しようと思ったことはないですね。

翻訳すると、作者への思い入れはどうしても深くなりますから、さらに作者と個人的に仲良くなると、批判的な面がなくなっちゃうんじゃないかな?って。

原書を読んで「下手だなー」っていうのも、正直言ってあると思います。そういう時ってどうするんですか?上手い文章に変えたりするんですか?

そうですね。悪いところはちょっと隠して、とてもいいところにお化粧をして目立たせて、ってことをします。
同じ言葉が何度も入ってたら、その辺を整理してあげるとかですね。

けどそういうことも、基本的には原書への愛がないと。
翻訳の仕事が来るってことはその原書との運命の出会いですから。
だから「ちょっと下手だなぁ」って思ったことはあっても「バカじゃないの?」と見下したことは一度もないですね。

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翻訳するということ

翻訳の仕事のやり方ってどういう手順なのですか?

まず翻訳の依頼があって、本なりコピー原稿が送られてきて、それが来たら、まず読みます。
あとは2ヶ月、3ヶ月、ただひたすら訳します。
あ、でもものすごい急ぎって時もあって、本を通読する時間がない時は訳を書き送りしていきます。
その時は「次、どうなるんだろう?」って、読者と同じ気持ちを持ちながらワクワク感たっぷりに訳すので、それはそれで、これまたオツなもので。

これは大変だったというエピソードってありますか?

パラノーマルもの ((パラノーマルもの:ロマンス小説の中で人間以外との恋を描いたもの。ファンタジーやSFの要素を持つ。「トワイライト」の大ヒットで脚光を浴び、近年の海外YA小説の中核となった。))を訳したことがあって、その時は難しかったですね。
その作者が独自に持ってる世界観があったり造語があったりするので。
そういう言葉にぶつかると「この言葉をどう訳すりゃいいの?」って戸惑いました。
その人のサイトを見たりして調べたのですが、なかなか全体図が見えてこなくてあれは大変でしたねー。

佐竹さんが多くやっておられるキューティー小説系には、今風の言葉とか流行歌手の名前を使っての喩え、若者造語のギャグ言葉とかバンバン入ってくると思うのですが、難しくないですか?

その歌手が有名であればすぐピンと来るんですけど、ちょっとそうでもない場合は訳を変えますね。調べた上で「あぁ、これはこういうことで笑いを取ろうとしてるんだ」と一応把握した上で、アレンジします。

ギャグの場合は笑いのセンスがないと、そういうアレンジは難しいですよね。

ははは。笑いのセンス、私あるのかなぁ?(笑)

(同席していたヴィレッジブックス編集者さん「ありますよ!私、いつも佐竹さんからあがってくるゲラ(原稿)を読んで「プッ」てなりますもん(笑)」)

へ~(他人事)
コメディは好きなんですけど、(声を落として)自分自身は暗い人間なんですよ…
(周り爆笑)
「すごい楽しかったです!」って言われても「何で!?私、こんなに暗いんだけどなぁ…」と…
(周り爆笑)

(笑)佐竹さん、素で面白いですよ(笑)
さて、質問に戻ります。原書を読まない我々からすると、佐竹さんが書かれた訳が全てです。翻訳家としての心構えとか気をつけてることとかはありますか?

文体を決めるのは原文です。原文から聞こえてくるものしか出せないと私は思ってます。
常に作者の声を聞けるように常にニュートラルにするっていうのが、まずは第一ですね。
先入観を入れないし、自分の好きなものとかも入れないようにします。

あと、あんまりノリにノッた翻訳って、いいようで意外とダメだったりします。
ガッーっとやって翌朝冷静に読み返すと「あれ?ってか、酔っぱらってたっかな?」って思うような(笑)
あんまりハイになっちゃうとダメですね。

日本語のこと。原書との距離感

翻訳って日本語も重要ですよね。日本語の文章に関して、勉強のため何かやっておられることってありますか?

好きな小説を書き写したりしますね。手書きで書き写します。手で書くと(文章が)自分の中に入ってきますね。
物凄く難解な日本語の本があったとして、まずはその英訳された本を読んで、次に日本語で書かれたものを読んで、それを書き写したりしてます。

大江健三郎とか三島由紀夫の小説とか物凄く凝った文体じゃないですか。そういうのはちゃんと英訳されて出版されてるので、まずは英訳された本を読んで「わっけわかんない英語だな~」と思いつつ、日本語版を書き写しながら「あ、これはこうなんだ、」と英訳と日本語の表現を確認していきます。

原書の作家への親近感ってありますか?

それは凄くありますね。でも実際に会ったことはないです。
その本の中で語ってることしか私は知らない、という風に思いたいんです。
もちろん作者のサイトとかブログとか読みますけど、さらに個人的に交流しようと思ったことはないですね。

翻訳すると、作者への思い入れはどうしても深くなりますから、さらに作者と個人的に仲良くなると、批判的な面がなくなっちゃうんじゃないかな?って。

原書を読んで「下手だなー」っていうのも、正直言ってあると思います。そういう時ってどうするんですか?上手い文章に変えたりするんですか?

そうですね。悪いところはちょっと隠して、とてもいいところにお化粧をして目立たせて、ってことをします。
同じ言葉が何度も入ってたら、その辺を整理してあげるとかですね。

けどそういうことも、基本的には原書への愛がないと。
翻訳の仕事が来るってことはその原書との運命の出会いですから。
だから「ちょっと下手だなぁ」って思ったことはあっても「バカじゃないの?」と見下したことは一度もないですね。