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チェイシング・リバティ

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マンディー・ムーア16歳のときのデビュー作品です。

最初のアナの部屋からカメラが回ってホワイトハウスを写したり、ホワイトハウスが遠景で入るシーンは、CGとデジタル合成が使われているっぽいです。

なので、ヴェニスなどヨーロッパのシーンも、パキッとあまりにきれいに映っていたので一部セットと合成かな?と思いましたが、音声解説によるとオール・ロケだそうで、カメラとライティングが格調高く見事だと思います。

お姫様と身分を隠したシークレット・サービスのロード・ムービーというアイディアはとても素晴らしいし1、2人を追う別のシークレット・サービスの男女の恋愛も対比で描くのは面白いのですが、マシュー・グード演じるシークレット・サービスのベンが、なぜマンディ・ムーア演じるわがまま娘のアナに惹かれたのか、さらにベンが本来の使命を捨ててまでしてアンと結ばれるのか、という重要なところの描写が弱いのが残念です。

対比で出るシークレット・サービスの男女は主人公たちに比べて大人ですから、そこももっと大人の恋愛感などを出して違う描き方があったはず。かなり都合よくおざなりな描写です。対比としてうまく機能してません。

ベン役のマシュー・グードは声がかっこよく(とても深みのあるいい声です)甘いマスクで女性の憧れを具現化してますから、もっとシークレット・サービスとして「影ながらアナを守る」シーンがあったほうがよかったと思います。
という感じで、全体的にキャラクターの作りこみがちょっと散漫な展開でしたが、その割りにお話のテンポがよく、だれることなくとても面白く見れました。

さらに音楽面ではロック、ファンク、テクノ、オペラとあらゆるジャンルが盛り込まれていて楽しいです。
アンが友達とお忍びで訪れるライブハウスでのThe Rootsのライブシーン、屋上で聞くオペラ、ラストの舞台となるテクノの祭典、ラブ・パレードなど、音楽を使ったシーンもそれぞれ見事。

なのに、この映画、サントラがありません。
でも劇中に使われた曲目があまりに多彩で素晴らしいので、エンディングのリストを載せておきます。

【劇中に使われた曲目リスト】
01. Goo Goo Dolls – Big Machine (trailer)
02. Michelle Branch – Find Your Way Back (trailer)
03. Tom Petty – American Girl (Washington DC – opening)
04. Rooney – Stay Away (Wahington DC – first date)
05. 7th Sun – Melody (Prague – walking to concert)
06. The Roots – The Seed 2.0 (Prague – concert)
07. Frantisek Cerny – Deja Vu (Prague – Marquis de Sade bar)
08. Jesse Harris – If you won’t (Prague – walking down the alley)
09. Offenbach – La Belle Helen (Prague – the opera playing on the screen)
10. Jason Mraz – Who Needs Shelter (Prague – waking up on the rooftop)
11. Apollo 440 – Can’t Stop the Rock (Prague – train station)
12. Sean Paul – Get Busy (McGruff on the train)
13. Giorgia – Vivi Davvero (exploring Venice)
14. Faith Hill – If I’m Not In Love (Austria – ben chasing anna on the kids bike)
15. Sean Paul – Get Busy (Austria – bungee jumping)
16. Jason Mraz – Who Needs Shelter (Austria – waking up at the campsite)
17. Yomanda – Free (Berlin – love parade)
18. Mansun – Wide Open Space – Perfecto mix by Paul Oakenfold (Berlin – love parade)
19. Benny Benassi – Satisfaction (Berlin – love parade – good beat, no lyrics)
20. Chris Isaak – Life Will Go On (Berlin – in the helicopter and during flashback)
21. uncredited opera singer – Nessun Dorma (London – in the theater at the end)
22. Caroline Lost – To Be With You (during credits)

アナたちが目指すドイツの「ラブ・パレード」。
1989年から始まった、世界最大のテクノ・レイブイベントです。フロートと呼ばれるでかいトレイラー(スピーカー・DJ・踊り子さんが乗り込む)が何台も連なりベルリン市内を行き来し、最後は戦勝記念塔の下に集まる、というものです。
1999年は最大150万人が参加する大イベントになりましたが、最近はテクノブームの下火もあって参加者はどんどん減少し、資金難も重なって、2年連続中止になっています。2

この映画は2004年に全米で公開されていますが、もしかしたらここで使われている実際の映像は、今のところ元祖ラブ・パレード最後を記録したものではないでしょうか?
そう考えるとこの映画、テクノ好きな人にはある意味貴重な映画かな、と思います。
主人公たちが動き回る際のシーンは全て映画用にエキストラを使って3撮影されていますが。

ただ、このロードムービーのクライマックスとして用意された大イベント会場にしては、な??んの映画的仕掛けがないのが残念です。

  1. 男女がすぐに結ばれない禁じ手として機能してる []
  2. 2006年から規模を大幅に縮小して再開しました。 []
  3. DVDの音声解説より。 []