
第84回ニューヨーク映画批評家賞が現地時間11月29日に発表されました。最も歴史を持つ生真面目なシネフィル御用達の賞で、去年に続き今年もキューティー映画が強い結果となっています。
ニューヨーク映画批評家賞は、社会派やお芸術アート系で占められる格調高い賞ですが、去年はキューティー映画が独占。今年もキューティー映画が強い結果となっています。多彩さを増すキューティー映画は映画のジャンルとしては異例の、庶民性もあり芸術性もある、というジャンルになっています。
最優秀作品賞、監督賞、撮影賞は、白黒で撮影されたアルフォンソ・キュアロン監督の自伝的内容となる1970年代のメキシコの庶民生活を描いた『ROMA/ローマ』が受賞しています。『ROMA/ローマ』はベネチア国際映画祭でも金獅子賞を受賞しており、今後も賞レースに登場すると思われます。
Netflixで12月14日より配信開始です。

そしてキューティー映画が、意外なところで受賞しているのが、主演女優賞のレジーナ・ホール。
場末の「フーターズ」のようなスポーツ・バーで働く女の子たちの友情を楽しく描いた『Support the Girls』で、レジーナ・ホールはマネージャー役を好演。黒人女優としては初の主演女優賞受賞となりました。
助演男優賞は、メリッサ・マッカーシー主演、有名人の手紙を偽造をしていた実在した女性ライターを描いた『Can You Ever Forgive Me?』リチャード・E・グラント。
助演女優賞は、『ムーンライト』でアカデミー賞監督賞を受賞したバリー・ジェンキンス最新作、1970年代、黒人差別から無実の罪で捕まった恋人の無実を証明するために奔走するヒロインを描いた『If Beale Street Could Talk(原作邦題:ビール・ストリートに口あらば)』でヒロインの姉を演じたレジーナ・キング。日本では2019年2月22日に『ビール・ストリートの恋人たち』の邦題で公開です。
第1回作品賞には、中学生の女の子の卒業間近の心情を描いた『Eighth Grade』の監督・脚本を務めた、27歳のコメディアン、ボー・バーナムが選ばれました。
外国語映画賞は、『イーダ』パヴェウ・パヴリコフスキ監督の最新作、カンヌ映画祭で監督賞を受賞した『Zimna Wojna(英題:Cold War)』
特別賞には、古典作品を紹介するKino Classicsが、クラウドファンディングを使って発売した、アメリカ映画黎明期の女性監督作品を集めたDVD/ブルーレイのボックスセット「Pioneers: First Women Filmmakers」が受賞しています。
Kino社サイトの「Pioneers: First Women Filmmakers」ページ
第84回ニューヨーク映画批評家賞
作品賞
『ROMA/ローマ』
監督賞
アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』
主演男優賞
イーサン・ホーク『First Reformed』
主演女優賞
レジーナ・ホール『Support the Girls』
助演男優賞
リチャード・E・グラント『Can You Ever Forgive Me?』
助演女優賞
レジーナ・キング『ビール・ストリートの恋人たち』
脚本賞
ポール・シュレイダー『First Reformed』
撮影賞
アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』
アニメーション賞
『スパイダーマン: スパイダーバース』
ノンフィクション映画賞
『Minding the Gap』
外国語映画賞
『Zimna wojna』
第1回作品賞
ボー・バーナム『Eighth Grade』
特別賞
「Pioneers: First Women Filmmakers」
デヴィッド・シュワルツ(ミュージアム・オブ・ザ・ムービング・イメージの学芸員)