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インド映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』ファラ・カーン監督インタビュー

インド映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』ファラ・カーン監督インタビュー
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cue初のインタビュー記事がボリウッド映画というのも、面白いものです。

20130316_01cueが今回インタビューしたいと思ったのは、70年代と現代のボリウッド映画界を描きつつ、大量のスターを出演させ、ラブコメ、ロマンスはもとより、アクションありサスペンスありホラーあり…と何でもありの大作映画をそれほどベテランでもない女性監督が撮っていたというところでした。

映画のラストで監督自身が登場するまで、ベテラン男性監督が撮ったものだとばかり思っていました。

映画を見ると分かりますが、あれだけの内容と物量を指揮してコントロールするのはたやすいことではありません。

元々お父さんが映画監督で、自身は振付け師からキャリアを重ねて映画監督になったという経歴のファラ・カーン監督がどういう人なのか、すごく興味がわきました。

まずは監督に自己紹介です。海外の人向けの説明をしました。

cueはロマンス、コメディ、チック・フリックなどを扱ったサイトで…
「チックフリックは嫌いです。どこかにいい人いないかな?みたいなお話は自分には面白いとは思えません。」

ファラ・カーン監督、いきなりcue全否定です(笑)
けど、こういうハッキリした言い方が出来るからこそ、あれだけの複雑で大きな規模の作品を仕切れたんだろうなと思います。

チック・フリックというのは元々男性が女性向け映画を小バカにするために生まれた言葉でもあるので、海外ではいい意味で捉えられません。
特に海外の女性映画関係者はチック・フリックという言葉に拒絶反応を示すことが多いです。

以前、サンドラ・ブロックが自身最高の興行収益をあげた『あなたは私のムコになる』のことを「あれはコメディと思ってない。ドラマだ。」と言っているのを聞いて
「はぁ?全裸でオッパイと股間隠しながら、男を前にしてアタフタする芝居のどこかドラマなのよ、サンドラ姐さん」
とか思ってたのですが、原文のインタビューをよく読むと、今の「ロマンティック・コメディ」の定義に異議を唱えていたようですね。単に愛だの恋だの言ってるだけじゃなく、もっと人間味のあるドラマがあるんだから、「ロマンティック・コメディ」じゃない、と。

故ヒース・レンジャーはハリウッド進出初主演作『恋のからさわぎ』出演後、この手の作品の出演を避けるようになりました。

この辺は送り手側と受け手側の意識の違いなので、良し悪しは語れません。送り手側としては、自身が関わった作品に自信がある=それはいい作品に関わったということだ=だからその辺のラブコメと思われたくない、というプライドも分かります。
受け手はまた全く違う意識で作品を見るわけですが。

話が逸れました。

チック・フリックは否定されましたが、『恋する輪廻』にはロマンスやコメディなど女性が好きなテーマがたくさん入っていると思います。
「おっしゃるとおりです。私もコメディは大好きです。けど、この映画にはラブロマンスだけじゃなく、悲恋もあり、ただのラブストーリーではなくて、生まれ変わってまたドラマがあるということで、もっと複雑で豊かなドラマ性があると思っています。」

『恋する輪廻』は男性に捨てられた女性の復讐がメインです。それがエンタテイメントたっぷりに描かれています。

女性監督が女性の復讐劇をやったというのが面白いと思いました。
「インドで女性監督はそれまでもいました。けど女性監督作品の多くが女性自身の問題を扱うシリアスな内容が多く、なかなかヒット作が産まれませんでした。
しかし自分が前作『メ・フーナ 俺がここにいるから』という、アクションもあってエンタテイメント性あふれる、『女性監督はこういうものを撮る』という固定観念を打ち破るような作品を発表したんです。」

『メ・フーナ 俺がここにいるから(原題:Main Hoon Na)』調べてみました。2004年作。『恋する輪廻』同様、シャー・ルク・カーン主演で去年日本でもイベント上映されています。その内容はというと

テロリストから将軍の娘を守るよう命令された軍人(シャー・ルク・カーン)が、その娘が通う大学におじさんの聴講生として潜入し、密かに彼女を護衛することになるが…

絵に書いたようなキューティー映画じゃないですか!(笑)
すごく観たいんですけど!

そしてこの作品、当時大ヒットを記録したようです。『恋する輪廻』もですが、ファラ・カーン監督、チック・フリックは嫌いと言いながら、作品にはチック・フリックのスタイルもコメディとして組み込まれています。そういう意味ではお客さんを楽しませるためスタイルには貪欲な監督さんだと思います。

また、インタビューに対して自信たっぷりに答えられるのも、監督をした作品をいずれも大ヒットさせているという実績からくるのでしょう。

20130316_02ファラ・カーン監督自身は振付師としても有名です。ボリウッドの特徴であるダンスについて、そしてCGも当たり前になったボリウッドでの、新しいスタイルのダンスについて何かアイディアがあるか聞いてみました。

「MTVがインドに入ってきたとき、振付師の多くがMTVの振り付けだけでなく、映像的にカット割りなども真似しました。私自身はMTV的なカット割りは編集の面白味がないので、あまり好きじゃないんですが。

ボリウッドののダンスシーンは何でも実現できます。ヒップホップと古典舞踊とか、バレエ、サルサなど、そういう色々なダンスを融合させても成り立つような世界観があります。

VFXなど新しい技術を使ったダンスシーン?CGで人を増やすとか?けどね、インドではCGを使うより100人のダンサーを実際に雇った方が安上がりなんですよ(笑)」

恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』は、渋谷シネマライズ、シネ・リーブル梅田を皮切りに全国公開予定です。
また、毎週金曜日には劇場で歌って踊って騒ぎながら鑑賞する「マサラシステム上映」も実施予定です。
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cueでは今後も、映画関係に関わらず、キューティー映画にゆかりある人、キューティー映画が好きな人に、積極的にインタビューをしていきたいと思っています。