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2019年キューティー映画総括

2019年キューティー映画総括
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2019年、cuemovie10選キューティー映画

今年公開・配信されたキューティー映画から順不同で10作品を選びました。例年通り順位は付けられません。

『メリー・ポピンズ リターンズ』でミュージカル映画の才能はないと思っていたロブ・マーシャル監督を大いに見直したり(といってもメリー・ポピンズの重要な基本設定である「主人公たちを助けるために魔法を使わない」を忘れているのはいかんですが)、傑作キューティー映画だから見たほうがいいと薦められたけど、個人的にとにかく和洋問わず人形が怖いので見れなかった『アナベル 死霊博物館』、去年の総括ではまだ日本公開がなかった、傑作キューティー映画『ダンプリン』などがありますが、まずは番外編的にディズニー・チャンネル・ムービー『ディセンダント3』についてちょっと書きます。

3作目となりますが楽曲、ミュージカル・ダンスシーンは3作中で1番だと思います。4人のダンスや歌もここ数年それぞれキャリアでの積み重ねもあって、実に堂々としたものになっていました。それだけにカルロスを演じていたキャメロン・ボイスの急逝は本当に残念でしかありません。

ラスト・クリスマス

今年最大の衝撃作でした。大傑作です。ぶっちゃけ『ジョーカー』が子供に見えます。キューティー映画の奥深さを思い知りました。
ジョージ・マイケルの楽曲を使いヒット曲「ラスト・クリスマス」を題材にするというクリスマス・シーズンの企画モノ映画かと思いきや、その条件を逆手にとって「ジョージ・マイケルの生き様自身を映画のコンセプトに」「名曲「ラスト・クリスマス」の歌詞の内容を吟味して物語に組み込む」「ロンドンでの外国人(移民)たちの生活」というコンセプトで映画を仕立て上げました。
映画の時代設定は2017年ですが、ジョージ・マイケルが亡くなった次の年であり、イギリスがEU離脱を決めた年でもあります。映画の中で重要な要素となるボランティアはジョージ・マイケル自身がこっそり行っていたことです。こういう「ジョージ・マイケルのこと」「名曲「ラスト・クリスマス」の歌詞に込められた意味」「当時のイギリスの世相」が映画のあちこちに忍ばしてあります。そしてそういう情報を知らなくても、誰もが見て感じ取れるキューティー映画の形で提示しているのです。プロ中のプロの仕事ぶり。これから永遠に残る名作です。

ロマンティックじゃない?(Netflix)

キューティー映画が嫌いなヒロインがキューティー映画の世界に入ってしまうという、キューティー映画ファンのための映画です。数々の映画のパロディも楽しいのですが、キャラクターの設定や80’s音楽の使い方、そしてクライマックスの展開がとても良質なキューティー映画を経てきている感じでよかったです。
レベル・ウィルソンとアダム・ディヴァインのコンビは『ピッチ・パーフェクト』の既視感があったので、ここは別の俳優をキャスティングしたほうがよかったとは思いますが、ホイットニー・ヒューストン「すてきなSomebody」のカラオケ・ダンスシーンでのアダム・ディヴァインが発する低い一声がとても良かったので(笑)

恋の予感?! ~ホテルリノベ奮闘記~(Netflix)

ニュージーランドの田舎町にやってきたヒロインが悪戦苦闘しながら古い家を再生させて…というお話で、イケメンだけじゃない、ただ頼れるだけじゃない相手役の設定、周辺の個性的な人々、シンプルながら起伏のある展開、ヒロインのドタバタぶりからキュートながんばり、そして小道具の使い方…有名俳優で作るだけではなし得ない、久々にとても良質なプロット、スキのない演出で安定感あるキューティー映画を見ました。

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん

フランスのアニメーション映画です。北極点を目指した探検家の祖父を探す旅に出た15歳のヒロインを描く物語。シンプルな絵柄ながら、実に気持ちよく動く作画で、何も出来なかったお嬢様が、叶えたい目的のために自分に厳しくたくましく育っていくさまが生き生きと描写されていきます。記号的な絵柄なのに、映画の最後、ヒロインの髪が風に揺らぐ横顔のアップが実に凛とした美しさを醸し出します。それはヒロインの行動に寄り添い続けた構成のおかげで、いつしか観客はヒロインの行動や意志に共感しているからです。
吹替版、字幕版両方見ましたが、個人的にはやはり字幕版の方が強い意志を感じる声で良かったです。

マレフィセント2

ぶっちゃけ前作もディズニー映画らしく破綻なくダークヒーローをきれいにまとめた感じで、続編もさほど興味がありませんでした。消化試合と言っては失礼ですが、一応見ておくか程度の気持ちで見ました。
が、これが間違い!!前作より断然良いです。まず硬質な画・レイアウト。特に傷ついたマレフィセントが起き上がるカットなどはまるで美しいコミックの1コマを実写で表現したような感じでした。全編レイアウトが恐ろしく決まっていて美しい絵でした。IMAX画角で上映していたのを見逃したのは痛恨の極みです。アンジェリーナ・ジョリーも前作よく可愛らしく美しく、そしてセクシーです。「ゲーム・オブ・スローンズ」後の、悲壮感と残虐性を兼ね備えた戦闘シーンを、ディズニー映画としてアレンジして表現したのはうなりました。ゴア表現もないのに、実に残虐なことに見える演出は見事。そこからのマレフィセントが活躍する大逆転劇の爽快感。そして90年代のディズニー・キューティー映画によくあった、とても唐突に怒涛のように展開する幸せな結末シーン…
今の流行りを取り込みながら、ディズニー・キューティー映画の伝統を見せてくれた本作。ディズニーの宣伝方針の失敗が悔やまれます…

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ

よくあるオフビートな青春映画の作風を予想していたのですが、いい意味で裏切られました。この手の映画によくある親友キャラがいないので、ヒロインの転機や自己反省をそういったキャラに依存させることができません。そこを自然にヒロインを成長させた展開が実に巧みで、結果的にこの映画を凡作から引き上げることになりました。
13歳というティーン映画では出せない儚さと無情観、トゥイーン世代の子供じみた、でも興味は大人に向かっている危なさ、そして小さな日常的な希望と未来を描くのに成功しています。

サイゴン・クチュール

ベトナムのキューティー映画です。60年代終わりの最先端ファッション好きのヒロインが現代にタイムスリップし、今の落ちぶれた自分と出会う…というお話。これまでのタイムスリップを題材にした小説や漫画、そして映画が「過去の自分と会わないようにする」「過去の歴史に干渉しないようにする」という約束事の中でプロットのアイディアをひねり出していたのに、この映画はそれを軽々と打ち破ります。その辺の清さ、そのお約束ごとを破る目的がキューティー映画っぽくてよいです。伝統服であり今も進化し続けているアオザイをテーマの小道具にもってきたのは実に上手い。映画全てがオリジナリティに溢れていて、それでいてちゃんとキューティー映画のメソッドに従っていて楽しく気持ちよく見れます。劇中でギャグとしてやる『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープ演じる鬼上司の出社シーンとヒロインがおしゃれになっていくのを服の変化で見せていくシーンをパロディとしてやっているのですが、これがパロディになってなくて単なるカット割と音楽のパクリでしかないのが残念。

ロック・マイ・ハート(Netflix)

ドイツのキューティー映画です。先天性心疾患で未来を悲観している17歳のヒロインが暴れ馬に出会います。その暴れ馬の持ち主の老調教師は次のレースで勝たないと厩舎が銀行に取られてしまうのですが、足の早い暴れ馬を乗りこなせる人がいなくて焦っています。しかしこの暴れ馬はなぜかヒロインにだけなつきました。そこで2人はレースを目指す…というお話です。ヒロインと同じ病気の男の子が彼氏役として出てきますが、この男の子が、ヒロインの精神的な支えであり、ピンチのときに助ける王子様であり、ヒロインを押し出すきっかけを与える人物として描かれるのですが、これがとても良いです。いくつもの危機が設定され、それを乗り越えていくハラハラ感、レースに至るドラマ、親子…と見どころも多く、そして何より映画カメラの名門ARRI社の協力もあって画面が実に美しいです。

ハッピー・デス・デイ

何度も同じ日を繰り返す羽目になる主人公を描いた『恋はデジャ・ブ』のサスペンス・ホラー版です。しかし怖いシーンは殆どないに等しくどちらかといえば犯人探しのサスペンスです。ヒロインのビッチぶりやコミカルさもあってキューティー映画として楽しめます。
そして実によく練られたプロットとなっています。監督は80年代の映画をかなり研究した感じで、今風の映画ながら語り口や人物のちょっとした描写が小粋で丁寧です。
残念ながら続編は「キューティー映画の続編に上手いものなし」のことわざ通り、理屈が先行しすぎてて本作ほどではないのですが…

若草物語(2018)(Amazonプライム・ビデオ)

「若草物語」の続編「続 若草物語」を現代に置き換えた内容です。ヒロイン。ジョーは29歳の設定で、NYでハイ・ファンタジー小説でのデビューを狙っていますが上手くいっていません。父親は劇中でははっきり語られていませんが中東への派兵で顔が見れるのはテレビ電話のみ。「若草物語」にあたる内容は回想シーンという形で表現されます。現代版となっているものの、原作の主なエピソードは上手く消化されているので、「若草物語」入門編としてはとても入りやすい映画になっていると思います。「ハイスクール・ミュージカル」のルーカス・グラビールが、4姉妹と兄弟のように仲のいい隣の男の子ローリーを演じていて歌声も披露しています。

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キューティー映画のニュースソースの変化

配信が中心となったことから、広告宣伝にも変化が起こっています。

当サイトはだいたい20くらいのアメリカを中心とした海外の映画ニュースサイトのニュースを毎日読み、それらの記事を分析して独自に毎日最新情報の記事を起こしてきました。しかし海外の映画情報サイトでキューティー映画系の情報が減少の一途をたどっています。作品数は増えているのに、です。

この要因としてMeTooブーム(あえてブームと書きます)以降というのがあります。当サイトが去年の総括で予想したとおり、MeTooブームの反動でキューティー映画は、シニカルなもの、内相的なものが減り、コミカルなもの、ゴージャスなものが戻っています。MeTooブームに乗っかり、女性の強さを変に強調したり、男女逆転の立場を主張をする映画は軒並み興行的に低評価、つまり支持されない結果に終わりました。

しかしMeTooブームの生み出した影として、内容を読み込まず表層的に批判をする人たちが増えました。当サイトも「キューティー映画」という名前だけで、日本の意識高い系の映画好きエセフェミたちから口汚い批判を受けています。
海外も同様で、キューティー映画を褒めることでいわれのない攻撃を受ける可能性もあります。それもあってイメージ的に軽くても内容が良いキューティー映画は積極的に紹介がされない傾向になっています。

また、キューティー映画で活躍していた有名女優たちがプロデューサーとして企画から関わるドラマに移行していることも減少の理由としてあります。

そんなことから、以前はソース元が複数あったり、記者による関係者への独自取材などもあったのですが、今はソース元がほぼ1つとなり、各サイトの記事もソースを引用するケースが多くなっています。またはプレスリリースそのまま、という感じです。映画宣伝や映画情報の伝達の形が変わってきたことを痛感します。
配信中心となり、映画情報を事前に流して宣伝する必要性が薄くなり、ますますキューティー映画系の事前情報は減っていくことが予想されます。

最新ニュースを掲載し続けることの方がアクセスは稼げます。アクセスを稼ぐことは当サイトの運営維持に繋がります。しかしそのために薄い内容のニュースを多発させても手間がかかるだけですし、それなら大手の映画サイトを見ればいいだけの話です。当サイトの存在理由にはなりません。

当サイトは今後、最新ニュース掲載が中心のサイトから、「キューティー映画の情報サイト」という原点に戻ることにします。当サイトで紹介する映画がみなさんが鑑賞する指針の一つになればいいという発想です。そのための情報としてニュースを扱うというものです。即効性を重視せず、資料性を重視します。

またキューティー映画のアーカイブ化は以前からやりたいと思っていてなかなか手が付きませんでしたが、今後はアーカイブ化に力を入れていこうと考えています。
本国版とは異なる、日本版ソフトのパッケージデザインやポスターなどは、日本でしか収集できません。可能な限り収集し掲載できればと思っています。

※こういうことって、本来なら大学など学術で行うべきことですが、女性向け映画研究のほとんどがジェンダーやフェミニズムなど社会学的なことが中心で、このあたりの関心はないようなので…すでにやっている、または関心のある学術関係者がいればご連絡ください。

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