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【LA滞在記5】『Turbo』『パシフィック・リム』『The Heat』の感想。『The Heat』のヒットを実感

【LA滞在記5】『Turbo』『パシフィック・リム』『The Heat』の感想。『The Heat』のヒットを実感
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ここでいったんOUTFEST 2013から離れます。
閑話休題です。

OUTFESTとは別に前途した『Lovelace』の他にも試写や映画館にも行きました。

ドリームワークスの新作『Turbo』(ターボ)

試写で観たのはドリーム・ワークスの新作アニメ『Turbo(ターボ)』カーレースに憧れるかたつむりの主人公が、ある日ハイオクガソリンを浴びて突然変異して早く走れるようになり、レース出場を目指すというお話です。
ライアン・レイノルズが主人公のカタツムリの声を、ポール・ジアマッティ、サミュエル・L・ジャクソン、マーヤ・ルドルフらが声を担当しています。
この映画で配給がFOXになりました(以前はパラマウント)

自分はキューティー映画とは別に、実はアニメーションに関してはそれなりに知識はあると自負してまして、それなりに企画や制作の裏方をやったりしてたりするのですが(某アワード審査員とか某番組企画・アドヴァイザーとか某作品の企画とか)、『Turbo』はアニメ技術、物語ともに素晴らしい出来だと思います。
自分はこの作品をフライシャー兄弟以降のアニメ史的な視点と、日本のアニメの表現の影響という視点で語る事ができます。それくらい、ファミリー向けだけで語るのは惜しい作品でした。

観る前は正直いってピクサーの『カーズ』のパクリ程度の思っていたのですが、脚本が秀悦。
技術的にはまさか『AKIRA』の影響をこんなところで観ることになるとは……実はメカフェチにはたまらない映画ですよ。

ただ宣伝展開を間違えてました。いつもの親子向けのみの宣伝に終始したんです。作品のテイストを考えると、親子向けとは別にティーン向け、マニア向けに別の宣伝展開をすべきでした。

結果的にその後公開された時、あまりいい成績ではありませんでした。もし日本で公開するのであればぜひ宣伝展開でご協力したい作品です。

ギレルモ・デル・トロ監督作、カイジューと戦う巨大ロボ映画『パシフィック・リム』

日本でも公開が始まった『パシフィック・リム』は公開初日の深夜にIMAX 3Dで観ました。

映画館でチケットを買う英語力と勇気がなかったので、事前にネットでチケットを予約しておきました。これなら日本同様、自動発券機で受け取るだけですから。
で、映画館に行き、自動発券機に事前に予約したID番号を入力しチケットを発券。地元の人間がふらっと映画館に来たかのような自然な振る舞いで(内心汗びっしょり)チケットをピロピロさせながら余裕な感じでもいでもらおうと、パシフィック・リムを上映するスクリーンの入場口に行くと…
店員が「このチケットは別の階だ」みたいなことを言って、チケットをもいでくれません。入れてくれません!

心の汗、滝のようにドバー

何だかわからないけど言われるがまま上の階に行きましたが、やはりパシフィック・リムの上映はもぎりを拒否された先程の階です。
何でだ?と、ふとチケットを見ると

World War Z 3D

という文字が印刷されています。

ありえないよ…アメリカのルーズさってどこまでなんだよ…てか、一体どういう予約システムなんだよ…

クレームや個別対応の窓口に行きました。長蛇の列でした。それをやたらとクシャミばかりしてる若い女性が1人で対応していました。その作業のほとんどがチケット発券でした。自分の場合もチケットを見せ、保存していた処理完了のメールを見せただけで、何も言わず(その代わりクシャミ2回あり)チケットを発券し直してくれました。

『パシフィック・リム』は初日の深夜ということもあり、やはりというか満員。そしてほぼ全席ギークっぽい。
ちなみに、ギークは「明るいオタク」です。彼女もいるしグループで行動して社会性もあります。よりディープなのは「ナード」です。

で、ギークたち、上映前はノリノリでした。カップルも多かったです。映画が始まっても予告編で拍手があったり大声でコメントしたり。
そして本編。当初は拍手などもあったものの、徐々にそれもなくなり…

映画が終わって退場するとき、自分の前を歩いていた黒人カップルの女性のほうが「私、もうこの映画について何も話したくないわ…」とヤレヤレという感じで話していたのが印象的でした。スクリーン外ではギークたちがあちこちで円陣を作り、さっき観た映画のことをヒソヒソ話していました。なぜかみんなヒソヒソ話してるんですよ。映画が始まる前の盛り上がりを考えると、これが鑑賞後の客の反応なんだな、と。

個人的には大爆笑映画でした。日本のシーンが映るたびに、今どきの映画でこれはないだろう、というほど奇天烈な日本語の看板などがおかしくて1人クスクス笑っていて、芦田愛菜ちゃんが迫真の演技をする手に汗握るシーンの所で写っている看板や文字の日本語の意味不明さに思わず声を出して笑ってしまったのですが、隣で真剣に観ていた男性客に「だまれ!」と怒られました…(笑)

だってさ、銀行の看板があちこちにあるんだけどみんな変な名前なんだぜ。
「日本が大好き。リスペクトしてます。」とか言いながら、googleで検索すればいくらでも資料が探せるこの時代に、今どきありえないくらいのトンデモ日本描写だらけなんだぜ。
「萌&健太 ビデオ」っていう看板が一番目立つんだぜ。

昔『ゴジラ』を観に行った時、紐で吊るされた感満載(劇中では飛んで襲い掛かってくる設定)の巨大フナムシを田中健が「うわ~襲われた!」とか言いながらフナムシを抱きかかえてゴロゴロ転がってるシーンを観て爆笑したら、前のめりで観てたおっさんに「笑うな!」って怒鳴られたり、怪獣映画=笑う=怒られる、というトラウマが蘇りましたよ…怪獣映画コワイ。

全体には惜しい映画でした。ロボが怪獣にズタボロにされる絶望感は凄く良かっただけに、そこからの逆転劇のカタルシスが弱かったなぁと。

サンドラ・ブロック&メリッサ・マッカーシー共演の刑事バディ・キューティー映画『The Heat』

アメリカに行ったら観たい!と思っていた最有力映画は『The Heat』でした。
https://youtu.be/t_YOzpisYMc
[cptr]
キューティー映画ならこの人!のサンドラ・ブロックと『ブライズメイズ』でアカデミー助演女優賞候補となって、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのメリッサ・マッカーシー共演のコメディ刑事物です。

サンドラ・ブロックがFBIという設定はキューティー映画者なら『デンジャラス・ビューティ』シリーズ以来。もうこれだけで期待値が高くなります。

ちなみに『The Heat』は6月末に公開されました。自分がアメリカにいた7月中旬の現地点でも未だ週末興行成績でベスト10以内をキープしている大ヒット映画です。(8月の現時点でも9位を維持)

しかし、なかなか観に行く機会がありませんでした。
日本で公開するという噂は聞かないものの、この作品なら最悪DVDスルーにはなるだろうし、まぁ観なくてもいいかな…と諦めかけていた時のこと。

ちょうど1人で食品店が立ち並ぶ有名なファーマーズ・マーケットに行っていたのですが(なぜ1人で行ったのかは聞かないで!)、夜になり、隣のショッピングモール「ザ・グローブ」内にある映画館で『The Heat』を上映していることを知り、しかもその時が20:50で(何でそんな時間までいたのかは聞かないで!)平日最終回の20:55スタートにギリギリ間に合うんじゃないか?行く?行っちゃう?今度はチケットを事前購入してないけど何とかなる?ってな感じで飛び込みで映画館に入り観ることに。

チケット購入は日本のシネコン同様、人間が相手ではなく発券機相手だったので、何とかなりましたが、カードを機械横にある溝にサッと通す動作って日本じゃあまりしないからなかなか上手くいかなくて、上映時間は過ぎるし、カードは通らないし…で心の汗がドバドバ噴出してしまいました。

で、平日20:55スタートの回なのに600人ほどの大きなスクリーンの席がほぼ満席でした。しかも、本当に「老若男女」という言葉がピッタリなくらい、見事に観客はあらゆる人達がいました。
1人で観に来ている女性、美男美女カップル、ちょっと中年のカップル、普通のアンちゃんっぽい男性2人組、男女混合若者グループ、おじいさん、おばあさん…

大ヒットしている映画ならではの光景でした。
そしてみんな笑う笑う。特に女性の笑い声が多く響きわたっていました。キューティー映画としては完璧な反応をアメリカで観れる幸せ…無理してでも観ておいてほんと良かったです。幸せな時間でした。

映画はほんと面白かったです。この映画が日本未公開というのはありえないと思ってます。メリッサ・マッカーシーは本当に芸達者。
行きの飛行機で彼女の大ヒットキューティー映画『Identity Thief』を観ていたのですが(この映画もキューティー映画の傑作でした)、その映画とは全く別の演技プランを立てていて、それがきっちり決まってるという…
相変わらず旦那のベン・ファルコーンとは唐突なギャグ・ラブシーン?をやってましたが。

我らがサンドラ・ブロック姐さんは安定の演技で、カタブツFBI捜査官を面白おかしく演じていました。
途中、極秘捜査でクラブにいる悪者のボスに近づくためセクシーな女のふりをしろと、サンドラが着ていた地味な服をメリッサにビリビリに破かれ、無理やりセクシーな衣装に改造されるというシーンがあるのですが、サンドラの受け芝居、ボケっぷりが面白くて劇場は大爆笑でした。

一方で暴れん坊で問題刑事のメリッサの悩みや、その悩みをサンドラが助けることで解消されるちょっといい話があったり、ロマンス的にもモテないサンドラにさりげなくアプローチし続けてる同僚が配置してあったり…
けどその男性がサンドラを助けて事態が好転するなどは一切ありません。あくまでも女性同士の友情で物事が解決していくのがいいです。

お話の緩急も観客へのサービスもしっかりしていて、サスペンスの部分や爆発などのCG合成が弱かったり、暴力表現でギャグなんだけどどぎつい表現があったりしましたが、そこを見せる映画ではなく実によく出来たキューティー映画でした。