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【感想】『アナと雪の女王2』を音楽とアニメーションでかたる

【感想】『アナと雪の女王2』を音楽とアニメーションでかたる
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サントラ未収録曲

先述した「All Is Found(魔法の川の子守唄)」をアナとエルサがベッドで一緒に口ずさむバージョンの曲と、森の住民ノーサルドラの人たちが歌うシーンがサントラに歌曲として収録されていません。
(ノーサルドラの人たちの歌は「アナと雪の女王 2 オリジナル・サウンドトラック スーパーデラックス版」に「Idura’s Scaff(イドゥナのスカーフ)」として収録されています。)
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ミュージカルシーンの全体的なイメージ

今回のミュージカルシーンの全体的なイメージは、映画のミュージカルシーンというより、舞台のミュージカルシーンを見ているようでした。アニメーションならではの跳躍した移動方法やイメージはあるものの、セットがある程度限定されているので舞台ミュージカルに転化しやすい仕掛けでした。
今回、ソロ曲が前作の3曲に対して5曲と増加しています。そのせいかミュージカルシーンが出演者のソロパートという印象です。

これは、アニメーションの表現が前作以上にリアリティを増した結果、前作以上に実際のミュージカルの再現が、CGキャラクターによって可能になったためと考えます。

誰も指摘していないのが不思議なのですが、実は前作『アナと雪の女王』は、ディズニーアニメ映画史上初の「ミュージカルシーンでキャラクターが歌い続ける」映画でした。これまでのディズニー・アニメのミュージカルシーンは、歌の途中に必ず歌い手とは関係のないイメージショットがいくつか入りました。手描き時代を含めて技術的にキャラクターが「歌う」という表現のみではミュージカルシーンを成立させられなかったのです。そのためアニメーションならではの飛躍表現を加えて、ミュージカルシーンを構成していました。

しかし『アナと雪の女王』では、アナがエルサを戻るように説得するシーンで、キャラクターが舞台俳優のように演じながら歌い続けました。
今回はそれがさらに進化して、各キャラクターのソロパートとして見せられるようになった結果、より舞台のミュージカルのような演出になったと思います。

あと、書いておきたいのがクリストフ・ベックが担当した劇伴です。彼は前作の他、数多くのキューティー映画の音楽も手掛けていますが、このシリーズの劇伴は、寄り添うように流れながらもはっきりとしたメロディーを持っていて、映像を盛り上げる効果を発揮しています。サントラを見る限り本作の劇伴は、前作に比べて1曲の尺がどれも長くなっています。それもあって、個々の曲がより繊細に、よりダイナミックに展開するようになりました。前作以上に劇伴の効果が大きいと思います。

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When I Am Older(おとなになったら)


この曲についての感想は特にありません。なぜこのシーンでこの歌なのか?という疑問はかなりありますが…

Reindeer(s) Are Better Than People” (cont.)(トナカイのほうがずっといい〜恋愛編〜)


-1曲扱いは、この曲です。この曲は次の曲のイントロ扱いでいいでしょう。

Lost in the Woods(恋の迷い子)


この曲調、そしてシーンは明らかに80年代のアメリカの男性ロック系歌手による甘いバラードのパロディです。スタッフもインタビューで狙ったことを語っています。
クリストフと後ろの背景が絶妙に「合成しているような」感じになっているのは当時のMVっぽくて芸が細かいなと思いました。

途中クィーンの「ボヘミアン・ラプソディ」のパロディが出たりしましたが、ちょっと長かったのと、途中に歌を中断してギャグを挟まないとこれがギャグシーンであることがわかりづらく、観客が困惑した中途半端なシーンになってしまいました。

Show Yourself(みせて、あなたを)


今回「Let It Go(ありのままで)」に続くテーマ曲として、「Into The Unknown(イントゥ・ジ・アンノウン)」がプッシュされあちこちで曲が流れています。しかしこの映画の真のテーマ曲は、劇中後半に登場するこの曲でした。「隠し玉」とも言える名曲です。

4:21というコンパクトな時間の中で、最初はピアノのみの静かな曲調から、やがて弦楽器とリズム隊が加わったアップテンポの曲調に変わり、フルオーケストラの重厚な音がバックに加わり、さらにコーラスも加わって「All Is Found(魔法の川の子守唄)」のフレーズを歌い上げ、大きく盛り上げてから感動的な母親とのデュエットで「Into the Unknown(イントゥ・ジ・アンノウン)」のスキャットのフレーズでシメるという、「Let It Go(ありのままで)」に似て非なる、複雑な組曲のような構成…見事です。

映像も光のエフェクトを効果的に使った演出が素晴らしかったのと、母親のイメージ映像とエルサが向かい合うときのレイアウトがかっこいいので、曲調と相まって感動的なミュージカルシーンとなります。

実は映画を見る前からサントラをさんざん聞いていたのですが、そのときはこの曲の凄さに全く気付きませんでした。映画館で観たときに、このミュージカルシーンの演出で、やっと曲の構成や狙いを明確に捉えることができました。
自分のようなナンチャッテ素人に、映像が曲の良さを気付かせてくれたわけで、ミュージカル映画の曲として最良の効果を発揮していることになりますね。

The Next Right Thing(わたしにできること)


このミュージカルシーンのすごいのは、岩に腰かけた後ろ向きのアナの姿のまま、歌っているところがあることです。つまり歌っている顔がちょっとだけにしろ、見えないままミュージカルが進行するのです。
CGアニメーションによるミュージカルシーンですから、普通ならキャラクターの歌っているところを見せます。それをあえて見せない。それでもシーンが成立するという判断は、表現力の自信と、より舞台や実写映画に近い演出志向からくるものでしょう。
このシーンのアナの芝居は、静かな曲に心の葛藤から動きの範囲が少ない芝居で、実際の、舞台で岩場のセットだけでも成立させられると思います。しかしその後の、アナが岩場を飛び移ったあともこの曲調のまま歌うというのが、実写では無理なアニメならではの「リアルなうそ」です。そういった意味では派手さは全くありませんが、高度な表現力を持ったアニメーションだからこそ出来たミュージカルシーンと言えます。