
[cptr]
シンデレラ・ストーリー
この作品で2004年度ラジー賞 ((正式名「ゴールデンラズベリー賞」通称「ラジー賞」。その年最低の映画を投票で選ぶ賞。ラジー賞はキューティー映画の登竜門です(笑)))主演女優賞にヒラリーがノミネートされています。
話自体は、もうタイトルが示す通り凄く正当派のキューティー映画です。本家のシンデレラのお話に引っ掛けて、ヒラリーがいじめられても負けないけなげな主人公を演じます。ちょっとポッチャリなヒラリーだからこそ、ダサさが出てていいです。 お薦めです。
しかしチャットで知り合ったり、ガラスの靴代わりに携帯忘れていったり ((その割には携帯を使ってヒラリーが判明するシーンはないんで、小物の使い方としてはちょっと失敗してます。))、12時に会場をベンツのオープンカーで走り去ったり、ラストのラスト、ヒラリーのセリフの現代っ子らしい一言 ((醒めてます。「この彼氏とずっといるとも限らない」とは!))といい、いちいち現代的でした(笑)。
キューティー映画に必要な要素は全て揃っています。定番の音楽と共に贈る着せ替えシーンもあります。そのあたりはとてもよく計算されています。
周囲のキャラ作りが定番だけどいいです。義姉2人は間抜けなキャラにしておいて、学校でセレブな女王様を恋敵で意地悪な設定にしヒラリーをいじめます。こういう映画の定番中の定番ですね。
で、ヒラリーを味方する7人の小人たちが亡き父親が経営していたダイナーの店員のおじさん、おばさんだったりするんだけど、「7人の小人」的な明確なキャラ付けがなく、さほどヒラリーを助けるわけでもなく、かなり中途半端な存在です。もったいない…
その分、主人公の幼馴染みの男の子がいい具合にヒラリー同様の冴えない男で、互いに告白を勇気付けあったりしててキャラ設定がいいです。ギャグはつまらないけど。
王子様の役回りであるチャド・マイケル・マーレイと仮面を付けたヒラリーが踊るシーンがあるのですが、ここは素晴らしい演出でした。
偶然演奏の準備をしてたギターやバイオリンなどの音楽家たちが、2人が静かに踊っているのを見て演奏し始めるんです。ちょっとしたことですが、画面内の演奏するキャラクターと、シーンを盛り上げる音楽のシンクロはとても重要なんです。このちょっとした小粋な仕掛けがこのシーンをさらにロマンティックに盛り上げてくれます。
ただ、王子様はなぜ目にマスクをしただけのヒラリーを、いつも学校で会ってるヒラリーと気付かないのか?というか、単にマスクをしただけで「君は誰なんだい?」って、おまえは高橋留美子((「うる星やつら」「めぞん一刻」で有名な漫画家。)) 漫画の定番ギャグ ((高橋留美子の漫画のギャグでよく、明らかに誰が見ても変装だと分かるのに、それに全く気付かないキャラがいて「お、おまえだったのか…」などと言って周りが「誰が見てもわかるよな」とつぶやく…というのがあります。))か。
とてもいいシーンなのに、マスクしたヒラリーがぶさいくな顔になってるのもいただけないです(笑)
と、ツッコミどころは多々あれど、盛り上げるEdward McCainの曲「I’ll Be」も素晴らしいですし、美術もきれいだしカメラも優雅。とても素晴らしいシーンです。必見です。
https://youtu.be/C1e1oyKd-iQ
ラストにはヒラリー&ヘイリー姉妹で歌う「Our Lips Are Seald」 ((ゴーゴーズのカヴァー))がかかっててうれしかったです。この曲絶対キューティー映画に合う曲だと思っていたので。
シンデレラ・ストーリー2:ドリームダンサー
ヒラリー・ダフ主演で作られた『シンデレラ・ストーリー』の続編です。
といっても、お話的には全く別でして、「シンデレラ物語を現代に置き換えたお話」が共通コンセプトです。
で、今回はダンスを巡るお話。
主演は『ハンナ・モンタナ』でライバル役を演じていたセレナ・ゴメス。
当時は『ハンナ・モンタナ』で大スターになったマイリー・サイラスに次ぐ、ディズニーのトゥイーンズ ((キッズとティーンズの中間、8歳から12歳を差すマーケティング用語です。現在、特にこの層の女の子が一番元気があると言われています。))・アイドルと言われていました。
この映画、ヒラリー・ダフ、セレナ・ゴメスとディズニーチャンネルで人気になったアイドルを採用し、内容はシンデレラの現代版ですからディズニー作品と思われがちですが、タイムワーナー製作の作品です。
この映画出演当時のセレナ・ゴメスは顔が幼すぎてこの手の映画のヒロイン向きではありませんでした。本人は15歳ですが、どう見ても12歳程度にしか見えず、ティーンである同世代の周りの役者がすでに大人顔なので、どうしても違和感があります。
ダンスシーンになると全身が写るのでそれなりの年齢には見えますが…。
相手役ジョーイを演じるドリュー・シーリー ((「アンドリュー・シーリー」とも名乗っています。日本語表記だと「ドリュー・シーリー」「ドリュー・シーレイ」と書き方が分かれていますが、一般的に「ドリュー・シーリー」で通っているので、それを採用します。))は『ハイスクール・ミュージカル』でザック・エフロンの歌の吹き替え ((『ハイスクール・ミュージカル2』ではザック・エフロン自身が歌っています。))とライブ版である『ハイスクール・ミュージカル・コンサート』でザックが演じたトロイの役を演じています。
で、彼はダンスも歌もうまいし顔も甘いマスクで、笑顔が嫌味でないのがいいです。ザック・エフロンの影武者だけにしとくにはもったいないなぁと思いました。
彼にはもっとキューティー映画の王子様役を演じてほしいです。
『シンデレラ・ストーリー』ではいじわるな継母役をジェニファー・クーリッジが演じていましたが、本作ではジェーン・リンチが快演。
「グリー」の悪役教師スー先生役で有名ですが、ここではアドリブ連発で悪役の落ちぶれた歌手を楽しく演じています。映画のオープニングあとの彼女のPVシーンはとても面白いです。
このシリーズ、継母役に芸達者な人を配置するというのもコンセプトとして今後も活かして欲しいです。
映画は邦題のサブタイトルのようにダンス映画になっているので、ダンスシーンが見所となります。
セレナ・ゴメス演じるマリーが、人知れずマジック・ミラー越しにダンススタジオ内で踊るジョーイとダンスを共演するシーンがあるのですが、ここのシチュエーションがいいです。
マリーからはジョーイがマジック・ミラー越しで見えるのですが、ジョーイからマリーは見えません。しかしジョーイには鏡の向こうに何かを感じ…2人がシンクロする踊りもかっこいいです。
シンデレラで重要なアイテムである「ガラスの靴」が、本作ではipod nanoなんですが、現代的な置き換えのアイテムとしては今ひとつ設定が苦しいですし、小道具として物語に全然機能していないのが残念でした。