
アメリカで、アップルとアマゾン、コムキャストが、新作映画を公開後1ヶ月で配信する新サービスを準備中です。早ければ2018年早々に開始されますが、その第1弾が『ピッチ・パーフェクト3』『グレイテスト・ショーマン』になりそうです。またしても映画の新サービスはキューティー映画から始まります。
アップルとアマゾン、大手ケーブルテレビのコムキャストの3社は、新作映画を公開後1ヶ月で配信するプレミア・ビデオ・オン・デマンド(PVOD)の新サービスを準備中です。価格は30ドル(約3200円)になる予定です。
現在大手映画会社と折衝中ですが、コムキャストはユニバーサル・ピクチャーズの親会社ですからユニバーサルの参加は決定しています。アマゾンはウディ・アレンの新作の配給などを手がけています。
アップルはピクサーとの関係がありますが、ディズニーは2018年から独自の配信サービスを開始することを発表していることもあり、このサービスには参加しないものと思われます。他大手映画会社ではFOXも参加を表明。ワーナー、ソニーが未定です。
一般的にアメリカの大手映画配給会社と映画館の間には、90日間は劇場公開を優先するルールがあります。
そのことから映画館側は1ヶ月で新作が配信される今回のPVODを歓迎していません。ただ、ここ最近アメリカの映画館への動員数が減少傾向にあります。仮に大手映画館チェーンが抗議の意味でPVODに参加する作品の上映をやめたとすると、映画館側の客足をさらに遠のける原因にもなりかねません。
3D作品への求心力が落ちる中、映画館はIMAXやドルビーアトモスなど、劇場でしか体験できないサービスを追求していくことになると思われます。
一方で配信サービスの利用が増え一般化していることから、配給会社側は今回のPVODに前向きのようで、早ければ2018年1月にもサービスが開始されるのでは?との予想が出ています。
そうなると2017年のクリスマスシーズンに公開された話題の映画が最初に配信されることになるわけですが、現在第1弾として予定されているのが全米公開日が12月22日の『ピッチ・パーフェクト3』と、12月25日公開、ヒュー・ジャックマン、ザック・エフロンらが共演する実在した興行師を描くミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』(2018年2月、日本公開)です。
共にキューティー映画です。数多くの話題作が公開されるクリスマスシーズンの中でも、配信の新サービスの目玉としてこの2作が選ばれたのは、非常に興味深いです。
(『グレイテスト・ショーマン』の監督、マイケル・グレイシーは要注目です。)

ここ数年、映画で新しい何かが実現されるとき、その全てはキューティー映画が最初です。
その一例をあげると、インディペンデント系映画では今では当たり前となった、配信先行または同時の劇場公開形式は、2012年にiTunesムービー先行発売で大ヒットした『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』がきっかけです。また、日本も含む世界同時で先行有料配信を初めて行ったのが『アベンジャーズ』監督のジョン・ウェドンが脚本を担当した『イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち』です(日本では後に劇場公開)。
その他にも新しい仕組みは全てキューティー映画からスタートしているのですが、そのあたりのお話はまた別の機会に。