
全編に流れるミシェル・サルドゥの曲
劇中で歌われるのは、いずれもフランスの代表的なシャンソン歌手、ミシェル・サルドゥが歌った70年代のヒット曲の数々です。
同時期、沢田研二が彼の曲をいくつもカヴァーしていたので、彼の曲は日本でもなじみ深いものとなっています。
大ヒット曲の1973年発表「La Maladie d’amour(恋のやまい)」、1977年発表「La Java de Broadway (chanson)」は、共に合唱部の発表曲として歌われます。
1978年発表の「En chantant」はパリの音楽学校を目指して練習するポーラと日常を点描していくところで使われます。
1976年発表の「Je vais t’aimer(愛の叫び)」は、ポーラとガブリエルが発表会でデュエットする曲です。
オリジナルはこちら
発表会でこの曲を歌うポーラの歌声を聞こえなかったことが、クライマックスに向けてお父さんにある決意をさせるきっかけを作ります。そういう意味でこの映画を引っ張っていく重要な曲です。
必見!ド直球で感動させる脅威のクライマックス
いきなり話は映画のクライマックスに飛びます。
色々あって音楽学校の試験を受けることになったポーラが歌うのは、1978年にミシェル・サルドゥーが自身で作詞・作曲した「Je Vole(青春の翼)」。
この歌は、両親と住む実家を、夜中そっと出て行く息子の心情を歌ったもの。旅立ちの歌です。
それを歌うポーラ役のルアンヌ・エメラの力強い歌声がとにかく素晴らしいのです。
彼女の歌声はちょっとハスキーで、聞き様によっては少年が歌っているようにも聞こえます。それが「僕」と男性視点で書かれているこの歌詞にとてもマッチしていました。
この選曲については、劇中で歌を聞いた審査員が「いい選曲だ」と評しますが、観客である我々も審査員に同意すること間違いなしです。
正直言って、この歌のシーンで仕掛けられる”ある”演出は、この映画の設定から容易に想像が付くと思います。
斜めに構えて映画を観る自分のような心の汚れた者(笑)は「ラストは●●(ネタバレなので一応参照に書きます) ((【ネタバレ】ポーラは客席で見ている家族のために手話をしながら歌います。))で歌うのね。」とクライマックスの演出を予想し、感動シーンに身構えます。
自分にとって感動する映画は、こうした「なんちゃって評論家ぶった素人」の予想を超えた演出を見せてくれるものです。「そう来たか!」という意外性で感動し涙します。そのうれしい驚きこそが感動です。
さらに観客の感動を呼び起こすには、カメラワークや編集、音響など演出・技術的な面でのクォリティもとても重要です。
なので、感動シーンというのは初見が効果的であって、2回目以降の鑑賞だと驚きと感動が薄れていきます。
この映画でも、いつものようにラストを予想しつつ観ていました。クライマックスとしてヒロイン、ポーラが「Je Vole」を歌うシーンが来ます。そして映画はこちらの予想した通りの仕掛けで、観客を感動させにきます。
が、しかし!
が、 し か し !!
予想通りだったのにも関わらず、歌が進むにつれ感動が大きな波のように押し寄せてきます。
理屈なんぞ軽々と突破し、ポーラの、それを演じるルアワヌ・エメラの、力強い歌声が直球で心に響き渡ります。
意外性も演出も技術ももはや関係ありません。
彼女の歌だけで感動シーンが成立しています。予想を超えた「歌の力」がこの映画にあったのです。
これには参りました。
自分は試写で2回観ました。にも関わらず同じシーンで涙しました。むしろ2回めの方が自然に歌に集中できて感動が大きかったかもしれません。たぶん3回目を観ても涙すると思います。それほどこのクライマックスの歌のシーンは力強いものでした。
フランスで大ヒットしたキューティー映画
映画全体はブラックジョークもふんだんにあってはコミカル。キャラクターはみんな個性的ながら優しい愛すべき家族の物語の骨格を持ち、その中核は「ヒロインが一歩踏み出す勇気を持つ」というキューティー映画的なテーマ。
しかもクライマックスには、近年まれにみる、ひねりなしのど直球な感動シーンを繰り出します。
フランス本国で大ヒットして、のべ700万人を動員し、評論でも高評価だったのも納得です。
想像たやすいクライマックスで、わかっているのに簡単に泣かされてしまう、色々言いたいシーンも劇中あったかもしれないけど、それも全部忘れてしまうルアワヌ・エメラのクライマックスの歌は「必見」です。
全編に流れるミシェル・サルドゥの曲
劇中で歌われるのは、いずれもフランスの代表的なシャンソン歌手、ミシェル・サルドゥが歌った70年代のヒット曲の数々です。
同時期、沢田研二が彼の曲をいくつもカヴァーしていたので、彼の曲は日本でもなじみ深いものとなっています。
大ヒット曲の1973年発表「La Maladie d’amour(恋のやまい)」、1977年発表「La Java de Broadway (chanson)」は、共に合唱部の発表曲として歌われます。
1978年発表の「En chantant」はパリの音楽学校を目指して練習するポーラと日常を点描していくところで使われます。
1976年発表の「Je vais t’aimer(愛の叫び)」は、ポーラとガブリエルが発表会でデュエットする曲です。
オリジナルはこちら
発表会でこの曲を歌うポーラの歌声を聞こえなかったことが、クライマックスに向けてお父さんにある決意をさせるきっかけを作ります。そういう意味でこの映画を引っ張っていく重要な曲です。
必見!ド直球で感動させる脅威のクライマックス
いきなり話は映画のクライマックスに飛びます。
色々あって音楽学校の試験を受けることになったポーラが歌うのは、1978年にミシェル・サルドゥーが自身で作詞・作曲した「Je Vole(青春の翼)」。
この歌は、両親と住む実家を、夜中そっと出て行く息子の心情を歌ったもの。旅立ちの歌です。
それを歌うポーラ役のルアンヌ・エメラの力強い歌声がとにかく素晴らしいのです。
彼女の歌声はちょっとハスキーで、聞き様によっては少年が歌っているようにも聞こえます。それが「僕」と男性視点で書かれているこの歌詞にとてもマッチしていました。
この選曲については、劇中で歌を聞いた審査員が「いい選曲だ」と評しますが、観客である我々も審査員に同意すること間違いなしです。
正直言って、この歌のシーンで仕掛けられる”ある”演出は、この映画の設定から容易に想像が付くと思います。
斜めに構えて映画を観る自分のような心の汚れた者(笑)は「ラストは●●(ネタバレなので一応参照に書きます) ((【ネタバレ】ポーラは客席で見ている家族のために手話をしながら歌います。))で歌うのね。」とクライマックスの演出を予想し、感動シーンに身構えます。
自分にとって感動する映画は、こうした「なんちゃって評論家ぶった素人」の予想を超えた演出を見せてくれるものです。「そう来たか!」という意外性で感動し涙します。そのうれしい驚きこそが感動です。
さらに観客の感動を呼び起こすには、カメラワークや編集、音響など演出・技術的な面でのクォリティもとても重要です。
なので、感動シーンというのは初見が効果的であって、2回目以降の鑑賞だと驚きと感動が薄れていきます。
この映画でも、いつものようにラストを予想しつつ観ていました。クライマックスとしてヒロイン、ポーラが「Je Vole」を歌うシーンが来ます。そして映画はこちらの予想した通りの仕掛けで、観客を感動させにきます。
が、しかし!
が、 し か し !!
予想通りだったのにも関わらず、歌が進むにつれ感動が大きな波のように押し寄せてきます。
理屈なんぞ軽々と突破し、ポーラの、それを演じるルアワヌ・エメラの、力強い歌声が直球で心に響き渡ります。
意外性も演出も技術ももはや関係ありません。
彼女の歌だけで感動シーンが成立しています。予想を超えた「歌の力」がこの映画にあったのです。
これには参りました。
自分は試写で2回観ました。にも関わらず同じシーンで涙しました。むしろ2回めの方が自然に歌に集中できて感動が大きかったかもしれません。たぶん3回目を観ても涙すると思います。それほどこのクライマックスの歌のシーンは力強いものでした。
フランスで大ヒットしたキューティー映画
映画全体はブラックジョークもふんだんにあってはコミカル。キャラクターはみんな個性的ながら優しい愛すべき家族の物語の骨格を持ち、その中核は「ヒロインが一歩踏み出す勇気を持つ」というキューティー映画的なテーマ。
しかもクライマックスには、近年まれにみる、ひねりなしのど直球な感動シーンを繰り出します。
フランス本国で大ヒットして、のべ700万人を動員し、評論でも高評価だったのも納得です。
想像たやすいクライマックスで、わかっているのに簡単に泣かされてしまう、色々言いたいシーンも劇中あったかもしれないけど、それも全部忘れてしまうルアワヌ・エメラのクライマックスの歌は「必見」です。