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ディズニー・チャンネル・ムービー『ZOMBIES』ミュージカルシーン紹介

ディズニー・チャンネル・ムービー『ZOMBIES』ミュージカルシーン紹介
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現地時間2月16日にプレミア放送された、ディズニー・チャンネル・ムービー『ZOMBIES』のミュージカルシーンをご紹介。日本では5月放送予定です。


ハイテクな腕時計をすることで衝動を制御できるようになったゾンビと人間が共存する郊外の閑静な町シーブルックが舞台。ゾンビのフットボール選手ゼド(ミロ・マンハイム)が人間が通う高校に転校することになり、そこで知り合った人間のチアリーダー、アディソン(メグ・ドネリー)と恋に落ち…というお話。

共演はトレバー・トージマン、カイリー・ラッセル、トレバー・トージマン、カーラ・ジェフリー、キングストン・フォスター。

監督は ダヴ・キャメロン主演『クラウド9』、ローワン・ブランチャード主演『インビジブル・シスター』など、多くのディズニー・チャンネル・ムービーを撮っているベテラン、ポール・ホーエン。振付けに『ティーン・ビーチ』シリーズの監督を務めたジェフリー・ホーナデイ。

脚本はデヴィッド・ライト&ジョセフ・ラソ。2012年にこの2人が企画したTVシリーズ「Zombies and Cheerleaders」が元になっています。

同じ学校に通いながらも、ゾンビということで隔てられていた同級生を、自身も秘密を持つヒロインが受け入れ差別をなくし、自身も開放されるという展開で、お話のテーマはゾンビを使った『ヘアスプレー』と同じものと思いました。
ゾンビは衝動を抑えられないと凶暴化し怪力になるのですが、それはゾンビではなくハルクでは??という感じなのはご愛嬌(笑)

ミュージカルシーンに関しては、ヒロイン、アディソン役のメグ・ドネリーがこなしたダンスシーンのバリエーションの多さに驚きます。
今どきのヒップホップ系ダンスから、チアリーディング、さらにクラシカルなスタイルに、バック転を組み込んだスピーディでアクロバチックなダンスまで実に多彩。しかもお話の流れで決してメインではないダンスシーンもあり、そのときは他のダンサーに混じってフォーメーション・ダンスをこなしています。
彼女はまだ17歳の歌手で女優でダンサーではありません。素晴らしいです。

それと、今回の映画ではダンスシーン全てに「足音」が入っています。ここ数年のディズニー・チャンネル・ムービーのミュージカル系を調べてみましたが、足音を効果音として採用しているのは本作のみです。この意図は何でしょう?ちょっと気になります。

My Year

本作最初のミュージカルシーンです。人間のアディソンと、ゾンビのゼド、それぞれの登校風景を対比しながら見せていきます。この曲のアディソン側の冒頭のメロディー、どこかで聞いたことあるなぁ…あ!マイリー・サイラスの「Party In The U.S.A」だ!(笑)

最初のミュージカルシーンということもあり、人間側、ゾンビ側それぞれダンスシーンにかなりのアイディアを繰り出してきます。そしてダンスシーン最後、アディソンの歌でサラッと締めるところがとてもいいです。これによりMVのダンスシーンとは違う、学園青春ミュージカル映画としてのドラマの導入部を強く印象づけに成功しています。

Fired Up

チアリーダーのオーディション・シーンです。歌いながらチアリーディングをするとか、えげつないですね。2:17あたりの女の子を上に飛ばすところを下から捉えながら移動していくカメラアングルはとてもかっこいいです。

そして見ていて驚いたのが、3:25あたり。カメラがダンスしているメンバーの後ろ姿を観覧席から捉えます。3:42にもこのアングルは出てきますが、ダンスシーン中にこんな無防備なアングルをよく採用したな、と。ダンスシーンはメインキャラクターの動きや全体のテンポなどで「躍動感」を見せているわけですから、一瞬でも主体性のない客観的なカットが入ることで、下手するとそれまでの映像の勢いが止まってしまう危険性があります。それをミュージカルシーンのラストパート、しかもヒロインの見せ場あたりでよく2カットも挿入したものだと本当に驚きました。

Someday

人間のアディソンとゾンビのゼドが、ストーリーの序盤に2人が初めて出会った学校の倉庫で再びおちあい、歌い踊るというとてもロマンティックなシーン。間違いなくこの映画のハイライトです。小道具の使い方、ダンスのスタイル、そしてシーンの展開が完璧です。

まず照明スタンドの使い方が素晴らしいです。時にはアップ時の照明として、時には被せ物をしてロマンティックな照明効果に、そして時にはマイクスタンド代わりに…と、1つの小道具を巧みにシチュエーションに応じて使い分けるのはお見事。

0:52からのダンスシーンでは、部屋に設置してある設定の2段ベッドを、撮影時にはダンスの演者を乗せて動かしているように思えます。というのが、置いてあるだけでは0:58の手前からカメラフレームに入ってくるベッド、というカメラワークは作れないと思うのですが…。

その後2人は、往年のフレッド・アステア&ジーン・ケリーを思わせる、ちょっとコミカルなやり取りをしながら流れるような素晴らしいクラシカルなダンスシーンを披露します。照明スタンドをマイクに見立ててのパフォーマンスなど、このシーンでの一つ一つのアイディアがどれもほんと素晴らしく、ミュージカル映画らしい楽しみに満ちています。

BAMM

ゼドに誘われ、ゾンビたちのクラブにやってきたアディソンが体験するのは、主題歌「BAMM」によるゾンビたちのダンスシーン。ご紹介する映像はMV仕様で、本編のダンスシーンも組み込まれていますが、本編とは異なります。
一見普通に見える、弾力性のある床を使ったダンスは面白いですね。1:25あたり、手前からバック転しながら飛び込んでくるメグ・ドネリーがかっこいいです。本編を最初見たときはボディダブル(替え玉)かな?と思ったのですが、本人ですね。

Stand

アメフトの試合中にゼドがある事件を起こしてしまい、せっかく人間とゾンビが仲良くなっていたのが、また元の状況に戻ってしまいます。その時アディソンが、ゼドとの関係を思い出しながら、やがては自分自身の殻を打ち破るというシーンです。最初の涙をこらえながらアカペラで歌うところをずっと顔のアップで捉えているのは、『レ・ミゼラブル』でアン・ハサウェイが「夢やぶれて(I Dreamed a Dream)」を歌うシーンを連想させます。

BAMM

ラストの大団円で、再び「BAMM」によるダンスシーンがあります。まず序盤。メインキャストたち1人1人の出番をダンスで見せます。
ゾンビの女の子イライザがしゃがむと、そこに低空宙返りで入ってくるチアのリーダー、バッキー。手前のダンサーにしっかり隠れてから1人ずつ登場するバッキーの取り巻き3人。いずれもシンプルなアイディアながら映像的にとても効果的になっています。
その後、曲のサビの部分で、左右に別れてのダンスシーン。曲のテンポに合わせてリズムよくカットが左右に切り替わるのがとても気持ちいいです。それにより、ダンス全体が映像的に躍動感いっぱいになっています。