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億万長者に恋する方法

億万長者に恋する方法
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ドイツのテレフィーチャー(TV映画)作品です。
B級、もしくはC級キューティー映画なんだろうなぁ、と期待せずに見たのですが、いやはや、テンポもよくキャラクターの書き分けもしっかり出来ていて面白い作品でした。

シナリオが定番ながら、きっちりとキャラクター造形や行動原理の基本を押さえているので、安心して見れます。
女友達のキャラクターにも気を配ってそれぞれにハッピーエンドを用意するなど、なかなかどうして、見事です。

主人公リリーを演じるミナ・タンデルは1978年生まれ。ドイツのドラマ・映画に数多く出演し、スタイルの良さからお色気シーン・ベッドシーンでヌードになったりしている女優さんです。
この映画の出演時はまだ20代ですが、顔の角度によっては脇役のおばさん役?と思うくらい凄く地味でババくさく見えたり、かと思うと凄くヒロイン然と美しく可憐に見えたり、シーンごとに全く印象が異なる顔。髪型も巻き髪になったりストレートになったりと多彩ですが、主人公っぽさはストレートのときが一番雰囲気が出ていたと思います。

DVDのジャケットのミナの顔、よく見ると思いっきり修正されてますね。でも修正しなくても、この人はじゅうぶん美人だと思います。

映画の中で主人公たちが高級ホテルのラウンジでくつろいでいるシーンがあります。高級ホテルであることを示すために、セレブの宿泊客としてジョージ・クルーニーが一瞬登場するのですが…色々ネットで調べたのですが、ジョージ・クルーニーがカメオ出演した、という記述はありませんでした。絶対違うよなぁ…そっくりさんかなぁ…あんまし似てなかったような…(笑)

演出もなかなかそつがなくて、例えば主人公たち3人組の衣装がベルリンに来るまで凄く派手で下品なんです。
そこには彼女たちが都会に憧れている田舎者で、そのセンスやギラギラした雰囲気から浮いてしまい爪弾きされるというエピソードに繋がり、そこからさらに大逆転に繋がる…という、キューティー映画ではお約束的ともいえる計算がちゃんとなされています。

お金持ちで紳士的な男性と、貧乏だけど優しくて実直な若者の間で「お金か気持ちか」で揺れ動く主人公、というのもこれまた定番ですが、ラストにちゃんとキューティー映画らしい夢のような仕掛けがあって、この三角関係の構図も見事に機能していました。

音楽の使い方も効果的です。
主人公たちが高級ホテルでセレブ生活を満喫するシーンでは、その描写をシーン丸ごと音楽と踊りでテンポよくうまく非現実的に見せるのですが、そのときにアメリカのオールディーズ、ローズマリー・クルーニーが歌ったので有名な曲「Come On-A My House」がかかります。この映画では誰が歌っているのかちょっと分かりませんが、この展開と選曲がうまいです。
https://youtu.be/x3EcwzCzfss

他にもお金持ちの編集者アレキサンダーがリリーをヘリデートに誘うときにかかる曲が、1957年フェデリコ・フェリーニ監督によるイタリア映画『カビリアの夜』をブロードウェイ・ミュージカル化したものをアメリカでシャーリー・マクレーン主演でミュージカル映画化した『スイート・チャリティ』に使われていた「Big Spender」

スイート・チャリティ [DVD] DVD

価格¥945

順位5,054位

出演シャーリー・マクレーン, ジョン・マクマーティン, サミー・デイビス・Jr.

監督ボブ・フォッシー

発行Nbcユニバーサル エンターテイメント

発売日12.04.13

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この曲は色々な人が歌っていますが、Queenのフレディー・マーキュリーも好んで歌っていました。
https://youtu.be/jY0iFqEfGqQ
この歌の歌詞は、お金持ちの男性に対して女性が気を引こうとする歌です。このシーンのリリーの心情に曲がリンクしています。

さらに、女友達で車の修理工&車好きのノラといい仲になる男性のフェルナンドは、出会いのきっかけがアストン・マーチンというイギリスの車に乗っていたから。
この車は007のボンドカーとしても有名で、劇中でもフェルナンドが自己紹介で「俺はジェームズ・ボンドだ。」と言うんですが、しっかり007のテーマ曲がかかります。
その後もフェルナンドの出るシーンではアレンジを変えた007のテーマ曲の1フレーズが流れるという徹底振り。

そして、アレキサンダーが好きな曲だと言ってリリーに聞かせるオペラが、トゥーランドットで一番有名なアリア「Nessun dorma(誰も寝てはならぬ)」。

この歌は、歌い手のカラフ王子が姫に結婚を迫り、姫がその求婚を拒むためにはカラフの名を当てなければなりません(この段階では姫はまだカラフの名前を知りません)。姫は自国民に対して「みんなで名無しの王子の名前を当てろ!当てるまでみんな寝てはいけませんのことよ!さらに当てられなかったら皆殺しざます!」という無茶なお触れをだします。で、カラフがそんな冷徹な姫に対して「わしの名前は当てられへんから、あきらめろや(超訳(笑))的なことを歌っています。
この歌の意味が、この歌がかかるシーンに関係しているかのうようです。

ラスト、ラスト前に以外にもどんでん返し的な展開があったので、さぁ、これをどううまく感動で夢あるエンディングに持っていく?と興味深く見ていたのですが、時間の関係か(TVですから90分に収める必要があったのでしょう)、とてもアッサリと予定調和に決着が付くのがちょっと残念でした。

しかし、全体に非常に気持ちよく楽しく見れる作品だと思います。