Home Review 旅するジーンズと16歳の夏 トラベリング・パンツ

旅するジーンズと16歳の夏 トラベリング・パンツ

旅するジーンズと16歳の夏 トラベリング・パンツ
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原作「トラベリング・パンツ」はジュニア小説ではベストセラーです。
これはその1巻にあたるお話の映画化です。

主役を演じた4人はそれぞれその後映画にドラマにと大活躍。アメリカ・フェレーラは「アグリー・ベティ」の主役で大ブレイク、ブレイク・ライヴリーは「ゴシップガール」の主役でファッション・アイコン&時の人に。アレクシス・ブレデルは『恋する履歴書』主演、アンバー・タンブリンは『スプリング・ブレイクダウン』と、映画にドラマで大活躍をしています。メジャー映画でもなかったのに主演4人が全員立派に出世したという珍しい映画です。

4つのそれぞれのエピソードをバランスよく、しかしどれも際立たせて、しかも最後に映画として収束するのは至難の技なのですが、構成が巧みできれいにまとまっていました。

スティーヴン・ソダーバーグ監督の『トラフィック』という映画でもそうでしたが、異なる場所での話を同時に進めていくときに、観客が今どこの話をしているのか混乱しないよう、カメラ設定、色彩設計の違いで見せていく方法があります。

トラフィック [DVD] DVD

価格¥570

順位58,546位

出演マイケル・ダグラス, ドン・チードル, ベニチオ・デル・トロ, ほか

監督スティーブン・ソダーバーグ

発行東宝

発売日01.12.21

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この映画もその方法論で、4人それぞれの話でカメラが微妙に違います。

ギリシャロケはとにかく美しいです。坂と家が密集している風景で広がる風景ではないのに、白い壁青い空・海がとにかく美しいです。
ここはワイドレンズのカメラで、ギリシャ(異国)という土地自体にキャラクターをもたせています。だから繊細なリーナが最初は風景の中に入っていて、開放されていくにしたがって次第に表情を捉えるアップ多用のカメラアングルに変わっていきます。

メキシコロケは、カメラに赤系のフィルターをかけて情熱の国を表現しています。あと、シーンの設定がサッカーの練習キャンプということもあり、結構全身を写すロングショットが多用されていました。ブリジット役のブレイク・ライヴリーは長身でスタイルがいいし、「活発」という設定なので、画面が非常にアクティブになってます。

離婚した父の家に行くカーメンのときは、再婚相手の家族(金髪)、家、部屋、全てを白っぽいイメージで色を消すことで、赤系の服・地肌の黒いカーメンが浮いた存在であるように見せています。なんとなく居心地の悪い緊張感が画面にあります。

ビデオカメラ片手にドキュメントを撮っているティビーの場合は、ビデオカメラを通した映像、細かいカット割り、手持ちカメラのぶれなど、とにかくカメラワーク・編集が今っぽい。それがドラマの進行にしたがって次第にじっくり落ち着いたカメラワークになっていきます。ティビーの不安定で閉じた気持ちがほぐされ、他人を思う気持ちを表現しています。

実に計算された演出で、見ていて気持ちよかったです。
お話もじわ?っと感動できる話で、キャピキャピ度はありませんが、実に丁寧に女の子の友情、ひと夏の小さな経験で成長していく姿をリアルに描いた佳作だと思います。