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パーフェクト・マン ウソからはじまる運命の恋

パーフェクト・マン ウソからはじまる運命の恋
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お母さんが引越しを繰り返し、それのとばっちりを受ける子供の姉妹…
一瞬シェール、ウィノナ・ライダー、クリスティーナ・リッチ出演の『恋する人魚たち』を連想して、そのリメイク作品かと思いましたが、違いました。

恋する人魚たち [DVD] DVD

価格¥28,980

順位88,191位

出演ウィノナ・ライダー, シェール, ボブ・ホスキンス, ほか

監督リチャード・ベンジャミン

発行20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

発売日12.05.25

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ヒラリー・ダフ主演の映画は、これまでヒラリーの歌うシーンが必ずありましたがこの映画では初めて歌うシーンが一切ありません。純然たる女優としてのヒラリー・ダフを見ることが出来ます。
『パーフェクト・マン』を演じるのは『Sex and The City』のミスター・ビッグこと、クリス・ノースです。ここでは女たらしではない、落ち着いた大人な男性を演じます。

ヒラリー、新作を見るたびに健康的でポチャポチャしていたのですが、この頃が最高かな?ちょっとガタイがよくなりすぎのような気が…(笑)
そう見えるのも衣装の選び方のせいかなぁ、と。最初に出る真っ赤なドレス姿はかわいいんですけど、劇中ではなぜかガタイが大きく見える胸元のV字ラインが浅い服を着てることが多いんです。

母親役のヘザー・ロックリアは本来のゴージャスなイメージを消すためにわざと地味メイクを施してパンツスタイルの地味衣装でシングルマザーを演じています。ただ、元々クール・ビューティー系の顔立ちの人ですから、それが淡々とした感じの役をやると無表情に見えてしまうのは損ですね。ドレス姿とか、勝負服&メイクの時は本領発揮!で美しいです。

娘が母親のキューピット役になるのではなく、母親の理想の男を演じるというシチュエーションを説得力を持って展開し続けるのは難しいと思うのですが、そこをチャットやメールなど、webツールの匿名性を利用して行うのは現代的でなかなか説得力があると思いました。

母親が引っ越し早々、娘に「出会い系サイトに私を登録してくれ」とお願いするのはお国柄ですね。アメリカって、そういうの当たり前なんですね。日本じゃ考えられないですけど。

ヒラリーを好きな漫画オタクの男の子(ベン・フェルドマン )が描いているイラストが、アメコミというより日本のアニメ・漫画的なデザインでした。こんなところにも日本のアニメ・コミックの影響が見られます。

スタッフ・ロールに日本のアニメ雑誌のアメリカ版「ニュータイプUSA」の名がありました。
ネタバレになるので詳細には書きませんが、DVDの特典映像にある未収録シーン・没エンディングがオタク的美術だらけの場所ですから、その辺のポスターなどの協力かな、と。

ちなみに本編のエンディングも見事な演出なんですが、没エンディングもとてもいいので、何とかうまく活かしてほしかったと思います。没エンディングの方が、それまで男の子の台詞の端々で張ってた伏線が活かされるので、演出的にはこちらの方がしっくりくるかもしれません。

ヘザーが勤めるパン屋の同僚で、80年代好きの勘違い男からデートに誘われ、Styxのライブに行くシーンがあります。
いきなり「ドモ アリガット ミスター・ロボット」とStyxの代表曲「Mr.ROBOTO」で始まるライブは「本物ではなくトリビュート・バンドだった!」というギャグシーンです。まさかヒラリー・ダフ主演のキューティー映画でStyxの名を聞くとは!こういう意外性があるから、キューティー映画はやめられません(笑)
しかも、その劇中のトリビュートバンドのボーカルを、Styxの創設メンバーでボーカルのデニス・デ・ヤング、その本人が演じているというのには吹っ飛びました。
オリジナルがトリビュート、という遊びは小粋ですね(笑)

この映画を楽しむにはStyxを知っておいたほうがいいと思うので、ちょっと説明を。

Styxはアメリカン・プログレの元祖とでもいうべきバンドで、70年代に結成。79年に「Babe」が大ヒット。人気バンドとなりチャートの常連となります。その後82年には日本語を使った「Mr.ROBOTO」で日本でも大ブレイク。
しかし、その後よくあるメンバー同士の「音楽の方向性の違い」というやつで、気が付けば自然解散状態に。
96年にはオリジナルメンバーで再結成されましたが、デニス・デ・ヤングと他のメンバーとの間でバンド名と活動などに関しての訴訟問題が起きてしまい(結果はどうなったんだろう??)、デニス・デ・ヤング抜きでStyxは現在も活動中です。ベースの人がゲイであることをカミングアウトしたり、なんてこともありました。

訴訟問題の影響もあったのでしょうか、この映画のStyxの曲はサントラでは全てデニス・デ・ヤング名義になっています。
80年代に活躍したバンドなら、もっと有名なのが、ましてや微妙なバンドなら他に腐るほどあるのに、何故そんなややこしい状態のStyxを映画で使ったんだろうか、と凄く謎です(笑)

ちなみに、ヘザーが映画の最後のほうで80年代好きの勘違い男に「実は80年代は嫌いなの」と告白するシーンがありますが、ヘザー自身はMotley Crueのドラマー、トミ・リー、Bon Joviのギターリスト、リッチー・サンボラと、思いっきり80年代ハードロッカーの妻を渡り歩いている人なのが面白いです。セルフ・パロディーの台詞なんでしょうか?(笑)