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スプラッシュ

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ディズニーが大人向けに作った実写映画会社「タッチストーン・ピクチャーズ」(『プリティーウーマン』『アルマゲドン』など)の第1回作品です。当時、この映画は大ヒットを記録。トム・ハンクスが出世するきっかけになった作品です。

アカデミー脚本賞・ゴールデン・グルーブ作品賞ノミネート、全米批評家協会賞脚本賞受賞と、テンポがよくて、ハートウォーミングなシナリオは高く評価されました。
監督のロン・ハワードは、今でこそ『アポロ13』や『ビューティフル・マインド』『ダヴィンチ・コード』など大作を任されるベテラン監督ですが、自身が役者出身ということもあり、本来は役者の魅力を活かす、小品で優しい話が得意な監督さんだと思います。

高く評価されているシナリオですが、結構飛ばし気味な構成で(笑)
「なんでトム・ハンクスは突然20年前溺れた420km先の岬にタクシー飛ばして行こうと思い立ったんだ?」
とか
「人魚を探している学者(演じるユージン・レヴィが若い!)がなぜいきなりダリル・ハンナを見つけられるんだ?」
とか、よく考えるとおかしいところが色々見受けられます。

しかし、走ったり悩んだりはしゃいだり拗ねたりする元気一杯なトム・ハンクスや、一途にトム・ハンクスを愛そうと努力する健気なダリル・ハンナの優しさと美しさ、いい加減だけど憎めない弟思いの兄ジョン・キャンディ(故人)のちゃんと締める時は締める多面的な人間味など、登場人物すべての描写が実に活き活きとしていてシナリオの矛盾はどうでもよくなります。

ダリルがはじめてトムと出会うシーン。裸で現れいきなりキスをして海の中に消えたダリルに、その行方を見届けたトムが海に背を向けた時に、後ろで人魚の尾ひれが一瞬跳ね上がるカットは実に素晴らしいです。この映画の雰囲気・テンポをこのカットが全て物語っています。

中盤、トムがダリルにオルゴールのプレゼントを渡すシーンでの、音楽演出が素晴らしいです。
トムがダリルに室内でプレゼントのオルゴールを渡します。オルゴールの音楽が鳴り、オルゴールのアップになって、そのままシーンは野外でストリート・ミュージシャンの演奏を見る2人に重なっていくのですが、音楽はオルゴールの曲をストリート・ミュージシャンが引き継いで演奏しているんです。ここの音楽を使った連続性と映画的な映像の飛躍が実に気持ちよくてロマンティック。短いシーンですが素晴らしいです。

後半、正体がばれて学者に捕まっている人魚のダリルをトムが助け出す際、何度もキスをするシーン。
そのシーンでは、ダリルに付けられた心拍計測器の「ピッピッピ」という音が小さくなっているんですが、ダリルがトムとキスをすると、この音が早まるんです。で、唇を離すと音が再びゆっくりになり、またキスをすると音が早くなる。ダリルのドキドキ感をこういった形で演出するのは実に小粋な演出だと思います。

ダリルがトムに内緒で、お風呂で足を尾ひれに戻すシーンのSFXは一瞬CGにも見えますが、空気を一気に圧縮してスーツをうろこに変形させていますね。今だと人魚の尾ひれはCG処理なんでしょうが、当時はまだそこまでの技術はないので、水中シーンも尾ひれスーツを着て泳いでいるわけで、スタントの人は大変だけど、おかげで優雅で美しい水中シーンに仕上がっています。

主題歌と共にエンディング・ロールが出るラストの水中画も美しいです。

この映画、音楽がいいのですが、サントラ盤は現在廃盤となっているようです。
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