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シーズ・オール・ザット

シーズ・オール・ザット
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恋愛による男の子と女の子の精神的成長、体育会系と学園クィーンのライバル、友情、親子関係、ギャグ、印象的な楽曲の数々、みんなでビーチ、そしてラストはプロム…

キューティー映画のお手本のような映画です。それだけでなく演出・シナリオも実に見事。いつの時代に見ても感動する名作といっても過言じゃないと思います。

男性の観客はレイチェル・リー・クックの、メガネっ娘&スクール水着というマストアイテムと、その地味な容姿に隠れる豊満なオッパイを見せられてドキドキですし(笑)、女性の観客はフレディ・プリンゼ・Jrの優しくて強いジェントルぶり、でも親の言いなりになっている自分への葛藤という、母性本能くすぐるキャラでキュンキュンでしょうし、とにかく主役2人のキャラクターが魅力的。

さらにヒップホップ界の有名人、アッシャー、リル・キムが同級生の役で出ていたり、マコーレ・カルキンの弟がレイチェルの弟役で出ていたり、サラ・ミシェル・ゲラーもチョイ役で出ていたりと、今考えると、出演者が何気に面白いメンツだったりします。

この映画、主人公はフレディ・プリンゼ・Jrの男の子視点で始まるんですが、途中から視点が主人公の恋のお相手であるレイチェル・リー・クックにスーッと移っています。そして2人のそれぞれの悩みや変化を交互に捉えて(フレディーとレーチェルを同等に描写して)、最後はそれぞれに悩みに対する答えの断片を示しつつ(決して答えを全部見せないのがミソ)、2人の明るい未来を暗示させるという実に巧みな構成でびっくりしました。
監督のロバート・イスコヴはTVドラマのベテランです。実に丁寧に作ってる感じが全編見て取れました。

ラスト近くフレディとレイチェルがプールサイドでキスをするシーンで、「周りの木についている照明が一斉に付く」というシチュエーションはロマンティックだと思いましたが、そのシチュエーションを「お父さんが娘のためにスイッチを入れてやった」というのが分かってさらに感動します。父さんの、口数が少ないながらも娘を愛しているという感じがとても出ている名シーンです。

音楽は、何といってもSixpence None The Richer1の「Kiss Me」2につきます。楽曲がいいのは当然なんですが、その使い方が実に印象的でうまいです。
2度に分けて使われるのですが、1回目はレーチェルがドレスを初めて着て出てくるシーン、ここでまず曲を頭からちゃんと聞かせます。主人公の女の子が美しく変身するのを印象付ける王道的な使い方です。

さらにもう1回、今度はラストの卒業式で使われるのですが、こちらの使い方が展開と相まって実に素晴らしいです。

ラスト、卒業式のBGMで薄っすらと「Kiss Me」の伴奏がループでかかっています。物語のきっかけでもある賭けに負けて素っ裸のまま出席しているフレディが呼ばれて立ちます。そのときBGMのループ音が大きくなり、フレディが股間を隠すために持っていたサッカーボールがレーチェルに投げられ、レイチェルの満面の笑顔のアップになり会場が沸いた瞬間、「Kiss Me」サビの部分がバーンとかかってスタッフロール…

非常に爽やかで、青春映画としては最上と言ってもいいくらい、観客も画面の中の人たちと一緒に拍手喝さいしたくなる本当に素晴らしい演出だと思います。

  1. 残念ながら2004年に解散しています。 []
  2. 他にも『10日間で男を上手にフル方法』などでも使われています。Ntt DoCoMOのCMでも使われていました。 []