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セイブ・ザ・ラストダンス/セイブ・ザ・ラストダンス2

セイブ・ザ・ラストダンス/セイブ・ザ・ラストダンス2
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セイブ・ザ・ラストダンス

人種・身分の違うもの同士の恋、ダンスを通じての異文化交流、と非常に典型的なストーリーなのですが、ジュリア・スタイルズはやはりうまい。彼女の演技でこの映画はとても素晴らしいものになっています。

バレエダンサーは全身筋肉で贅肉をそぎ落としたシャープなイメージなので、ジュリアの普通より、ちょっとポッチャリしたスタイルはバレエダンサーとしてはちょっと太りすぎじゃないか?と思うのですが、物語はダンスをメインに置きつつ実は繊細なドラマが中心なので、ジュリアじゃないとこのドラマは成立しなかったと思います。

物語当初、母を亡くしてバレエをあきらめ、シカゴでジャズ・トランペッターとして汚い部屋で生活する父と同居することになったサラ:ジュリア・スタイルズの投げやり感・無感情さが際立ちます。
それが黒人でも誠実でまじめに生きようとするデレクたちと出会い、ダンスに出会うことで徐々に解きほぐされていくさまは本当に感動的です。
真面目一辺倒でダサかった衣装のサラをクラブに連れて行く際、ちょっとしたアレンジでおしゃれに変身させる描写も素晴らしかったです。
キューティー映画におけるファッション描写は、高価なブランドに身を包んだり、日常では着れない派手なセンスの衣装を身にまとったりと、現実離れした夢を演出しますが、この映画のように現実と地続きのちょっとしたオシャレや衣装の変化も大事な演出になります。この映画はそういう描写が随所に光っています。

ヒロインの相手役、デレク:ショーン・パトリック・トーマスが非常に知的で落ち着いたキャラクターなので、ダンス映画にありがちな肉欲的な下品さ、セックスに直結する雰囲気がなく、誠実な内容となりとてもよかったです。
医者を目指すデレクと、悪いことをし続ける親友のサイドストーリーもありがちで典型的なのですが、出演者の達者な演技もあってこの映画では実にうまく機能しています。

とにかく、奇をてらわず丁寧に撮った手堅い演出と、演技の達者な役者で固められた映画はほんと安心して見れますね。素直に感動できます。

音楽もサントラが大ヒットし、第2弾が発売されました。ヒップホップメインで構成されていますがゴリゴリのヒップ・ホップ・チューンというより、ポップなので非常に聞きやすいです。

おススメ映画です。

セイブ・ザ・ラストダンス2

『セイブ・ザ・ラスト・ダンス』の続編で、前作から大学に進学してから、という設定で話は始まります。
ヒロインのサラ役はジュリア・スタイルから、ポーランド・ワルシャワで実際にバレリーナをやっていたイザベラ・マイコにバトンタッチ。
その他、前作から引き続き出演している人は誰もおらず、キャストは一新されています。

今回は最初からバレエをやっているという設定なので、元バレリーナであるイザベラをキャスティングするのはまだ理解できます。だけど前作のキャラクターの性格設定まで変えてしまうのはいかがなものかと…

前作に出てきた優しい彼氏とは「お互い遠距離だし、干渉しないの」と言い放ってさっさと別の男とくっつきますし、その相手の男性も色々過去を持っているものの実に軽薄。コロンバス・ショート:マイルスが誠実にも知的にも見えず、非常に下品に見えます。

お話の展開や脚本もとても浅くて、前作の感動を返せ!という感じですが、それもキューティー映画の楽しみ方の一つです(笑)

ヒップホップ、ダンス、創造的な音楽…と音楽映画ですから色々と繰り出してきますが、全てがグダグダで必然性も主人公サラのダンスの何が凄いのか、相手のマイルスの音楽の何が創造的でサラをひきつけたのか、なぜマイルスがサラにダンスを頼むのか、そのいずれもが一切具体的にわかりません。
音楽・ダンス映画で、観客にその踊り・音楽の特異性なり凄さなりを絵で提示できない映画に限って、そこを台詞で頼るんですよね…
見ているほうはドッチラケです。

ただ、前作に比べてやはりイザベラのバレエシーンは実にきれいで見ごたえがあります。これだけが救いでした。