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プラハ!

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この映画を見るにあたって、実際にチェコ・スロバキアで起こっていた「プラハの春」と呼ばれている政治的状況・事件を知っておく必要があります。
知らなくても楽しめるとは思いますが、知るとこの映画の根底に流れているテーマがより鮮明になりますし、何よりラストシーンあたりの衝撃度が、「プラハの春」を知っているのと知っていないのとでは全く変わります。

「プラハの春」を簡単に説明すると、「60年代に社会主義国家のチェコスロバキアで起こった民主主義運動と、それをソ連が軍事介入して鎮圧するまで」となるのでしょうか。詳細はwikiなどをどうぞ。

チェコスロバキアで起こったことは単なる「反社会主義運動とそれを抑えようとした軍事介入」では片付けられません。

社会主義の意識変化から、国内の政情変化、権力者の交代劇、共産圏諸国とソ連との関係、当時の国際社会など…かくいう私も色々本を読んだりネットで調べたりしていても正しく把握できているとは思いませんし、分かった風に語ろうとは思いません。非常に複雑です。

この映画では、そんな一般の人たちの関係ないように思われた「プラハの春」が、人々に忍び寄る様、人々の前に現れる瞬間を描いています。
政治とは関係のない若者たちの日常に脱走兵という非日常を組込むことで、物語を恋愛ドラマにすると同時に、時代の変化も描いています。

それをミュージカルで描くという試み。なぜミュージカルなのか?なぜ歌と踊りなのか?
それも「プラハの春」を知ることで制作者の意図を感じ取れます。「自由への憧れ」「喜びの気持ちの表現」、それをミュージカルという形で表現しています。
https://youtu.be/HmBEWkUWeo8
https://youtu.be/gALMKtcRTio
妙に深刻にテーマを提示せず、自分達の国の歴史を声高に提示せず、娯楽映画として、カラフルなファッションや踊りを楽しく見せていくことで、底に流れるテーマを「恋愛」「青春」という要素から何となく感じてもらうことを意図していると思います。

政治に興味がなく歴史に興味がない人でも、この映画を見て何かを感じてもらうことが重要です。
そういう意味で、この映画の企画と制作意図と表現はとても秀悦だと思います。