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プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角

プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角
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懐かしさと優しさを感じる、80年代キューティー映画の代表作です。

プロデューサー&脚本は、80年代キューティー映画の良質な作品を多く手がけた監督ジョン・ヒューズ。『ホームアローン』のプロデュース・脚本も彼です。
監督はMTV出身のハワード・ドゥイッチ。リー・トンプソンの旦那さんです。

提供楽曲は80年代初期のニューウェーブが勢ぞろいといった感があります。O.M.D(オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク)、Echo and The Bunnymen、New Order、The Smiths、INXS、そしてテーマ曲「Pretty In Pink」を歌うPsychedelic Furs…。
ちなみにプラムシーンのド頭、オーケストラの写真をバックに舞台で演奏している2人はO.M.Dです。
劇中ではOtis Reddingの「Try A Little Tendernes」という名曲を使ってダッキー役のジョン・クライヤーが口パク・踊りを熱演するシーンもあります。1曲丸ごと歌うのはちょっと長いですが(笑)
エンディングで「Pretty In Pink」が流れてくると、とても幸福感が増します。映画と音楽の幸せな組み合わせのいい例だと思います。

映画の内容は「生まれた環境の違う2人の恋」「憧れの男と幼馴染との三角関係」「決着はプロム」という、とてもとてもベタな展開なんですが、それでもこの映画が永遠の良作になっているのは、シナリオのうまさ、音楽演出のうまさ、そしてお父さん役ハリー・ディーン・スタントンの演技があってこそだと思います。

ちょっととぼけながらも、いつも娘の味方になりたいと思う父親を演じるハリー・ディーン・スタントンの優しくて深みのある演技が青春映画をグッと締めます。素晴らしいです。特にプロム直前のシーンで父親として娘にかける言葉の優しさは感動します。

モリー・リングウォルド演じるヒロインのアンディは、学校では人付き合いの不器用さから、みんなに心を開かず、いじめにあってしまうけど、実は父親思いで仲良くなると人懐っこい女の子、というキャラクター設定がいいですね。観客が応援したくなる親近感のあるキャラクターです。
モリー・リングウォルドは美人ではないけど、スラっと背が高くてオリジナルの手作りファッションが実に似合っててよかったです。

とにかくキャラクターみんなに個性と見せ場があって、どこか優しいのがいいです。

出てくるたびに奇抜なファッションのアニー・ポッツ演じるレコード屋の女性オーナー、イオナのキャラは特に見事でした。彼女はある時はヒロインの友達、姉、そして母親、という立場になれるような設定で配置されています。これにより元々あまり他人に心を開かない主人公が、唯一心を開いて相談できる相手に、色々と悩みが語れるようになります。だから観客もヒロインの本当の本音を知ることが出来て、感情移入しやすくなっていく仕組みです。

さらに、イオナに友達、姉、母親の3つの役割を課すことで、登場人物の数と配置がすっきりするというのもあります。その分、少人数の方が一人一人を丁寧に描写することが出来ますし、そういう意味でもイオナの設定は秀悦だと思います。

幼馴染のダッキー役ジョン・クライヤーの、ピエロぶりから、影ながら主人公を助けるナイトっぷり、そしてプロムでのピリッと締まったかっこよさに「なぜこちらを選ばない?」と思う人も多いのでは?
でもちゃんと最後に、この映画一番のゴージャス美人(個人的に断定)が、ダッキーを選ぶのでよしとしましょう(笑)

音楽演出に関しては、物語前半はイギリス系ニューウェーブをガンガンかけたりしてファッショナブルさ、華やかさで物語を印象つけます。
一方で、中盤の父娘が互いの感情をむき出しにして、家を出て行った母について語る大事なシーンでは、音楽を一切使わず緊張感のある画面で台詞の全てを観客にぶつけてきます。

監督がMTV出身ということが関係しているのか、要所要所での音楽の使い方、音楽の消し方がツボを付いてると思いました。イギリス・ニューウェーブ勢をアメリカ映画で起用したことで、当時のオサレ感やセンスが伝わってきます。