Home Review 原作を改変して賛否両論となった『キミに逢えたら!』

原作を改変して賛否両論となった『キミに逢えたら!』

原作を改変して賛否両論となった『キミに逢えたら!』
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原作では主人公のバンドでベースをやっているニックが、振られた元彼女の前でいい格好をしようと、偶然近くにいた女の子のノーラに「5分だけ彼女になって」とお願いして、元彼女にキスを見せつけたことから物語がはじまります。

それが映画ではなぜか女の子のノーラーからニックにキスをお願いする、という男女の立場が逆になっています。2人が出会うきっかけのとなる重大なシチュエーションの改変に、海外の原作ファンは戸惑いを露わにしていました。
原作ファンの失望感が公開前からあったせいか、とても良作なのに興行成績は今ひとつ伸び悩んだ印象です。

物語の展開は、架空の人気バンド「フラッフィー」のシークレット・ギグの会場を探してニューヨークを1晩走り回るという、キューティー映画の青春モノの定番シチュエーションの『一晩もの(勝手に命名)』です。主人公2人のそれぞれの友人たちのドタバタぶりも楽しい、爽やかな青春映画になっています。

音楽ネタがいくつかあります。
まず劇中、ノラがニックの車のCDを見ながら「音楽の趣味が完璧に一致するけどThe Cureだけは違うわ。だいたい何を治療(cure)するのよ」という台詞があります。
実はニックの携帯の音がThe Cureの「Boy’s Don’t Cry」。ニックはThe Cureのファンなんですね。

The Cureはいわずと知れたイギリス出身の80’sのニューウェーブバンドです。多くのキューティー映画に使われています。
特にリース・ウィザースプーン主演の『恋人はゴースト』は原題が「Just Like Heaven」で、これはThe Cureの曲のタイトルです。そのためテーマ曲に使われています1

この映画、なんと、映画の後半に本物のエレクトリック・レディ・スタジオが出てきます。伝説のギターリスト、ジミー・ヘンドリックス2が1970年に建設したレコーディングスタジオとしては伝説的なスタジオです。ここで作られたジミヘンの伝説的アルバムが『エレクトリック・レディ・ランド』です。

エレクトリック・レディランド

エレクトリック・レディランドミュージック

アーティストザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス

発行USMジャパン

発売日09.03.03

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この映画で面白いのが、ニックがエレクトリック・レディ・スタジオに入って「ここでストーンズやツェッペリンがレコーディングしたんだよ!」と興奮気味に語るものの、ミキサー室の片隅に立てかけられていた「左利き用のストラトギター」にはさして特別な反応を示さないところです。おまえ、それ知らんのかい!と(笑)
いわずもがな、なネタですね。「左利き用のストラトギター」、それはジミヘンのギターです。

サントラ参加のアーティストはなかなかその手の人にはたまらないグループばかりです。この映画当時のニューヨークのバンドシーンがわかります。ニックが前座、という設定でサントラにも参加しているBishop Allenがカメオ出演しています。

GRRR...

GRRR...ミュージック

アーティストBishop Allen

発行Dead Oceans

発売日09.02.14

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ブロークン・ストリング

ブロークン・ストリングミュージック

価格¥ 4,455

アーティストビショップ・アレン

発行Pヴァイン・レコード

発売日07.11.01

カテゴリーCD

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しかし、最近のティーン向け映画というのは、なんで汚いシーンを延々やるんですかねぇ…。
最近アメリカのティーン向け映画のこの手の下品シーンがエスカレートし過ぎていると思います。

ノラの友人キャロラインがトイレで吐いて、その便器に携帯と噛んでたガムを落として…というシーンがあります。見ると分かりますが、最低のシーンです。
こういうシーン、アメリカの映画館では低脳ティーンども(笑)が映画館でキャーキャー言って喜ぶんでしょうけど、そんなの喜んでいるのはバカなアメリカ人どもだけです。
せっかく爽やかな内容の映画が、こういうシーンを残すことで台無しになってしまいます。

  1. 特にオープニングにかかるKatie Meluaによるアコースティック・カヴァーは素晴らしいです。 []
  2. 説明不要、伝説のギターリストです。 []