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ジェシカ・シンプソンのミリタリー・ブロンド

ジェシカ・シンプソンのミリタリー・ブロンド
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邦題は『ジェシカ・シンプソンのワーキング・ブロンド』と同じテイストですが、これは日本でDVDを扱った会社が同じのためで、別にシリーズでも関連映画でもありません。
ただ、両作品ともプロデューサーは共通しているので、「ジェシカ・シンプソン使って一発当てたれ!」企画だったんでしょうね(笑)。

本作はプロデューサーの数が凄まじいです。作品の資金調達のため、色々な会社に出資を求めた結果でしょう。ジェシカの名前を使った中間搾取のみのプロデューサーも多数いそうです。この手のプロデューサーのクレジット数が多い作品は得てしてヒットしにくいです。
船頭多くなんちゃら…ですね。

残念ながら当作品はアメリカで劇場公開はされておらずDVDスルーとなっています。
けど、この作品、低予算ながら、シナリオもそつなく出来ていてとても面白く、ちゃんとキューティー映画になっています。お勧めです。

ジェシカ・シンプソンの魅力大爆発です。男性が見たいジェシカの姿はほぼ網羅されているかと。あ、水着なかったか…(笑)
でも、訓練学校で食べるのを禁止されている甘いものを、隠れて食べるシーンで、わざわざスニッカーズをくわえさせて「あふぅ~、むふぅ~」と言わせながら恍惚な表情をさせてるのは、やらせた方もやった方もどちらもエライ(笑)

でも、そういう男性向けシーンばかりが売りの映画ではありません。スニッカーズのシーンも含めて、女の子が見ても笑えるようになってますし、キューティー映画お約束、みんなでダンスしたりとか、ガーリーでかわいいシーンもちゃんとあります。

ジェシカが最初に仲良しになるのは『ハイスクール・ミュージカル』でメガネっ娘のピアノ担当、ケルシーを演じていたオリーシア・ルーリン。この映画でもキャラは内気なメガネっ娘です。

この作品、脚本が結構よく出来てて、あなどれません。
軍隊訓練物だから、ジェシカの周りに、さまざまな理由で軍隊に入ったキャラたちがいるわけですが、彼女らの生活の背景の書き分けも出来てるし、ジェシカが訓練で得意とするのが、高いところから棒でスルスルと回転しながら降りてくる技なのですが、なぜそれが得意かというと「最初の役がストリッパーだったからです!」と(笑)
こういうところに、ジェシカのちょっと間抜けなスターとしてのキャラがちゃんと活かされていて、さらに単なるギャグと思われたものが全て物語の中で、話を進める道具として機能しているのも見事です。1

この作品、自分の知らない世界を体験し、色々な人と出会った結果成長する主人公の話をコメディータッチでみせているわけですが、ラストシーンだけが異色です。

訓練中、教官の男性とジェシカは恋に落ちます。訓練学校の卒業式後、学校を後にするときばったり出会った彼氏(実はジェシカを待ち伏せしてるわけですが)が「もう、この学校とはおさらばだ。来週からイラクに行く。」とジェシカにさらりと言うんです。
「じゃあ、もう上官と部下じゃないわね」と、ジェシカと上官はキス。いや、厳密には階級差があるから…まぁ、いいとしましょう(笑)

そして別れ際、ジェシカは自分のお守りとして持っていたバッチを彼に投げて「いつか返してね~」と言いながらヘリに乗り込みます。ジェシカを乗せたヘリは離陸し上昇するヘリから見たアングルで、下で手を振る彼氏をカメラは捉え続けます。彼の顔のアップはこのとき、もはやありません。ロングショットです。切り返しで、静かな笑顔で小さく「バイ」とつぶやき、手を振る落ち着いたジェシカのアップ。
長めの暗転の後、エンドクレジットが流れます。

それまでのテイストから監督が意図してこういう演出をしたとは思えないんですけど(単なる偶然だと思います)、ジェシカ主演の軍隊体験コメディーのキューティー映画で、なぜ姿が小さくなってもヘリに向かって手を振る「来週イラクに行く兵士」を映し続けたのか…
これ、考えようによっては凄い含みのあるエンディングですよ。(笑)

  1. 高いところから棒でスルスル…もラストでちゃんと活かされます。 []