Home Review エステラ・ウォーレンの知られたくない私のヒ・ミ・ツ ヴァージン・ラプソディー

エステラ・ウォーレンの知られたくない私のヒ・ミ・ツ ヴァージン・ラプソディー

エステラ・ウォーレンの知られたくない私のヒ・ミ・ツ ヴァージン・ラプソディー
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日本未公開のキューティー映画の国内DVD化でAMGの名前はよく目にします。ぶっちゃけ、AMGさんの出すキューティー映画で当たったためしがありません…。AMGさんのせいではないのですが、僕の中で「キューティー映画AMGもの=地雷」のイメージが(笑)

でも、国内映画会社のキューティー映画への冷遇振りを考えると、国内未公開で、さらに無名&B級的なキューティー映画が陽の目をみるにはAMGさんにかかっているので、今後もがんばってほしいと思っているメーカーさんです。ドンドン隠れた名作を発掘してもらえればうれしいのですが…

さて、そんなAMGからキューティー映画です。
ティム・バートン版『猿の惑星』でお色気担当だった元水泳選手でモデルのエステラ・ウォーレン主演作品。
エステラのスタイルは男性にとって完璧に近い理想的な体型です。なのに国内版ジャケット写真がどっしりした野暮ったい体型に見えてしまって、もったいないです。

エステラが演じるからこそ活きてる「男好きする感じで、恋愛の百戦錬磨のように見えて、実はヴァージン」というキャラクター設定を使って、明るく楽しく「本当の恋愛とは?」というテーマを描こうとしたのが本作です。

監督は名優ウェルター・マッソー(『がんばれベアーズ』『星に想いを』)の息子、チャールズ・マッソー。自身もエステラに迫るいやらしいおっさんを演じています。

エステラ演じるジーナとクリスチャン・ケイン演じるポールが一緒に映画を見ているシーンがあります。みている映画は写りません。そこで「この映画に必要なのはウォルター・マッソー」という台詞があり、「唐突になんでウォルター・マッソー?」と思ったのですが、監督の名を見て納得。お遊びだったんですね。わかりにくい(笑)

ポールの結婚式の撮影についていったジーナが、ポールのカメラで自分の足を写して遊ぶシーンがあります。このシーンの穏やかな空気感、アイディアはよかったです。

ポールがジーナに会うため、会員制スポーツクラブに来るのですが会員じゃないから中に入れない、けど店員に「入学を前提に体験入学したい」と嘘をついて中に入る…というシーンがあります。
ポールは体験入学を口実に中に入っています。だからずっと店員が付きまとっています。しかしもその店員はずっと物を食ってるデブおじさん。
そのおじさんが、ポールとジーナの言い合いを理解せず、スポーツクラブの店員として間に割って入るところはユーモラスで面白かったです。

一方、ジーナがヴァージンだとわかってTV局がジーナの住むマンションまで追っかけてきて玄関から出ることが出来ず、1階に住むおばあさんの部屋の窓から抜け出す、というシチュエーションが何度か出てきます。

こういう繰り返しの場合、ジーナとおばあさんの関係の変化をユーモラスに見せていくことが演出上重要なのですが、その辺がない。
酒場でのけんかのシーンなど動きのあるシーンもテンポがゆったりしてて、しかも面白くない。
何よりジーナの友人で同居人のキャロラインを演じるレイチェル・ドラッチが、おばさん過ぎて友人に見えないのがイタイです。低予算映画とはいえ、もうちょっと何とかならなかったんだろうか、と。

途中まで時々出てくる、タイプライター音とともに出る文字による人物説明やシチュエーション説明も小粋なつもりでしょうが不要です。

キャラクター設定も定番だし、ヒロインの周りの人物配置(過激な友人、彼の元カノ)も定番だし、お話の流れも定番。
あとは演出のアイディア次第で、いくらでも個性的で面白くなるはずなんですが、構成が凡庸で編集が単調です。

テーマもいいし、面白いシチュエーションのシーンがいっぱいあったのに、メリハリがないため、それぞれのシーンが活きてきません。
オープニングのフラッシュアニメも、物語のきっかけを語っているのですが、実にノッペリとしたテンポでかったるい。

エステラは色っぽいし、キュートだし、出ているだけでとっても画面が華やかで、この映画のテーマを語るにはもってこいの主人公なのに、うまく活かしきれてなくてちょっと残念でした。