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ドゥーニャとデイジー

ドゥーニャとデイジー
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オランダで放映していたTVシリーズ『Dunya & Desie』の映画化です。
TVシリーズは2002年jから2004年まで、3シーズン全19話からなります。
https://youtu.be/RnaX_nuK4ns
TVシリーズ1話です。youtubeに全話あがっています。オランダ語?がわかる方はどうぞ。

そしてこちらはLous Laneによる主題歌「Here You Come Again」。オリジナルはカントリーの女王ドリー・パートン。1

主演の2人が、TV版でのトゥイーンから映画ではティーンに成長しているのがわかりますね。

テレビドラマの映画化、しかも主人公2人はTVシリーズのときのままということで、ティーンに成長した2人のお気楽ロードムービーかと思ったのですが、いやいやどうしてどうして。
話の展開もテーマも実に重い。テンポも演出も硬質です。片や自分の出自について。片や宿した子供について。そして立場の違う2人が共通して考えているのは自分の存在価値について。

デイジーの天真爛漫な行動には悲しさも伴っています。ドゥーニャの物言わぬ真剣なまなざしには怒りが伴っています。
でもだからといって、よくあるヨーロッパのインディーズ系映画にありがちな、重苦しいシリアスな映画かというと、そうではありません。
ちょっとユーモラスで爽やか、そして優しい…実に不思議な映画です。登場人物全員の創作に、とても愛情が注がれています。全てのキャラクターがこの映画の中で何かを得て変わるのです。そこが素晴らしかったです。

ドゥーニャに悪影響が及ぶと考え、わざわざ遠路はるばるドゥーニャを頼ってやってきたデイジーを追い払おうとするドゥーニャの母親や、妊娠して悩む娘に「実は産みたくなかった」と言ってしまうデイジーの母親も、映画の中でお互い娘のことで悩み、そして成長します。

オランダ人がモロッコという異国を旅する映画ということで、我々が普段ハリウッド映画などで馴染みのある、欧米人が異国を旅する映画ともちょっと雰囲気が違います。オランダもモロッコも欧米ともアジアとも行動様式や考え方が微妙に違いますし、そこに映画ではイスラム教が加わるので、映画のどれもこれもみな新鮮でした。

だけど主人公2人の行動や気持ちは、ドゥーニャの悩みに宗教が関わっても、デイジーの悩みがデイジーの軽率な行動によるものでも、その根本は世界共通です。先にも書いた「自分の存在価値」を旅を通じて主人公達が見つめ直す映画です。
こんなにシンプルな構造を持っているからこそ、この映画の内容が誰の心にも訴えてくるんだと思います。

  1. ドリー・パートンは「ハンナ・モンタナ」の叔母さん役というと言ったほうがいいのかな?『9時から5時まで』にも出演してます。ホイットニー・ヒューストンの大ヒット曲『ボディ・ガード』主題歌「I Will Always Love You」のオリジナルはドリー・パートンのカントリーソングです。 []