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チャーリーズ・エンジェル フルスロットル

チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
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「前作の方がよかった」「映画じゃない。これはPVだ。」「話が滅茶苦茶」と公開当時賛否両論…というか「否」だらけだった映画です。残念ながら1作目より興行収益も落ちてしまいました。1

でもこの映画、キューティー映画としてダンゼン支持します。

とにかく楽しい。全編スタッフの趣味全快なのと、1カット1カット意味のないシーンでも無駄に手間ひまかけてるのがいいです。 なにより、全部分かった上でわざとメチャクチャにしているのがいい。

キューティー映画お約束の着せ替えがそれこそ全編に渡って行われているし、その着せ替えもセクシー系からブルーカラー系、パロディ系から懐かしい系まで多種多様。
さらにこの作品で描かれているものは画面の華やかさと展開のハチャメチャさで見えにくいですが、女の子同士の友情、仕事を続けていく上での悩み、仕事をする上で親や恋人との接し方など、普遍的なテーマに触れていて、とても正当なキューティー映画になっています。

この映画のテーマは本編でも散々語られる「友情」かと思っていたのですが、最後、スタッフ・ロールでジャーニーの「Any Way You Want It」と共に流れる、メイキングでの主演3人のキャッキャとした笑い。これが全てだと。
「楽しもう(Fun)」なんだなぁ、と。
カラっと元気な女の子たちが楽んでいる様子をながめる映画なんですね。だから唐突にパロディーが入っても、お話の筋そっちのけで3人が楽しく遊んでても、全部OKなんです。だって「それが楽しい」のですから。

ちなみに3人がセクシーなコスチュームで踊る悩殺シーン(笑)、一緒に踊っているのは「プッシーキャット・ドールズ」、踊っている場所は当時ジョニー・デップがオーナーのLAのクラブ「ヴァイパー・ルーム」、音楽は「ピンクパンサー」という意味不明の豪華絢爛さ。いいですね。実に無意味で(笑)

中盤、ドリューが自分の将来に悩み、チャーリーズ・エンジェルを離れようと決意します。そのとき登場しドリューにアドバイスするのが元祖チャーリーズ・エンジェルを演じていたジャクリン・スミス!リスペクトの仕方が素晴らしいです。

この映画のエンディングは音楽の編集の仕方、映像の切り替え方がとても素晴らしく(音を止めるタイミングが素晴らしい)、名エンディングだと思います。
先にも書いたジャーニーの「Any Way You Want It」が今になって、こんなにかっこよく聞こえるとは思いませんでした。抜群の選曲です。
とにかくこの映画の全てがこのエンディングに凝縮されています。じゃあ本編を見なくてエンディングだけ見れば…いやいや、それはダメです。
本編で3人が戦ったり恋したり悩んだりした上でのこの笑顔ですから。そこが重要です。

CGの使い方、パロディー、カメオ出演2、車3、この映画の出演のため5000万かけたといわれるデミ・ムーアの全身整形4など、色々語り口はあるんですが、ここでは音楽についてちょこっとだけ書きます。

音楽の使い方・見せ方はさすがPV出身のマックG。うまいです。MCハマーからヘビメタ、テクノにヒップホップと、映画の展開同様、多様なジャンルの音楽が目まぐるしく流れてきます。

音楽を使ったギャグも冴えてます。

MCハマーの踊りを、唐突に始める3人も素晴らしい。MCハマーを持ってくるなんて、普通思い浮かびません。思い浮かびませんが、この踊りは80年代を知っている人なら誰でも知ってる踊りです。誰かが踊ってたら一緒に踊りたくなります。それをこういう形で映画に出すというのは凄いなぁ、と思います。

ドリューの回想シーンに入るや否や、恋人とボン・ジョヴィの「Livin’ On A Prayer」、しかもサビ部分の大熱唱には顔がほころびました。いや~楽しいし、これは見事な選曲です。
歌ってる曲1発で、80’sど真ん中の青春を過ごしていたのが分かるんですよ。どんなに不良でもボン・ジョヴィを歌ってしまう、ある意味、とても純粋なティーンだったということです。

さらにドリューは「今は違うけど、昔はヘビメタだった」と告白しておきながら、私服のシーンでことごとく「ジューダス・プリースト」「AC/DC」などのロゴの入った、ヘビメタTシャツを着ているという細かいネタもあり、面白かったです。

とにかく80年代の洋楽が好きな人には堪らない仕掛けが満載でした。

  1. 膨大な広告費が投入された割には観客動員が伸びず、ソニーもあわてたという… []
  2. オルセン姉妹、ブルース・ウィルス(ご丁寧に元嫁に殺されるというセルフパロディー付き)、挿入歌を歌っていたPinkはバイクレースでスタートの合図を出す人で出ていますし、『スターウォーズ』レイア姫のキャリー・フィッシャーは修道院に登場などなど []
  3. メイキング等を見ると、監督のマックGが車、バイク好きなので当時最新のフェラーリを借りたり、相当こだわってます。 []
  4. 本人は否定していますが…出演準備で、あらゆるジャンルのトレイナーを雇って体を鍛錬していたのは確かです。 []