Home Review どちらも楽しい『ベビーシッター・アドベンチャー』1987年版/2016年版レビュー

どちらも楽しい『ベビーシッター・アドベンチャー』1987年版/2016年版レビュー

どちらも楽しい『ベビーシッター・アドベンチャー』1987年版/2016年版レビュー
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現地時間6月24日、米ディズニー・チャンネルにて、100本目となる記念作品『ベビーシッター・アドベンチャー』のリメイク版が放送されました。
『ベビーシッター・アドベンチャー』のオリジナルは、1987年の劇場映画です。2作品を比較してみました。


オリジナル版『ベビーシッター・アドベンチャー』は、後に『ホーム・アローン』『ハリー・ポッターと賢者の石』を撮るクリス・コロンバスの初監督作品です。ヒロインを、後に『バック・トゥ・ザ・フューチャー2、3』で主人公の恋人役を演じることになるエリザベス・シューが演じています。

お話は至ってシンプルで、恋人からデートの約束を反故にされたヒロイン、クリス(エリザベス・シュー)は渋々ベビーシッターのバイトをすることになりますが、長距離バスで家出を試みる友人からパニックの電話が来て、友人を助けるために子どもたちと共に車で夜の街に。
途中車がパンクして、親切なレッカー車のおじさんに助けられるものの、おじさんが家で奥さんの浮気現場に遭遇して発砲騒ぎの大げんかに!慌てて逃げ込んだ奥さんの浮気相手の車には車泥棒が先に乗っていて、そこから盗難車の違法販売をしている工場のアジトに連れて行かれ、そこから逃げ出すものの、追われるハメになり…というお話です。

子どもたちは、クリスに憧れている年少組の男の子とその友人のエロガキ、そしてマーベル・コミック「マイティ・ソー」の大ファンの妹の3人。
クリスを中心とした子どもたち4人が夜の街を逃げまわりつつ、クリスの恋愛模様も描いていきます。

エロガキは、プレイボーイ誌の最新号に、クリスそっくりのモデルのヌードグラビアが載っていることを男の子に話して茶化します。この「ヒロインにそっくりのモデルがプレイボーイ誌にヌードグラビアが掲載されている」という小ネタが劇中の要所要所で使われ、ストーリーの展開の重要な要素となってきます。
さらに妹が大好きな「マイティ・ソー」のネタも、後半にちゃんと感動的なシーンが用意されています。

こんな風に、色々な小ネタが配置され、それらが上手く活かされ、きれいに回収される見事な構成の映画です。ラストのエンドロール後のオチも含めて、どの登場人物にも目が行き届いています。
基本的にファミリー向けの内容ですが、子どもたちが知らない夜の怖い街の様子を描いているので、暴力シーンなどもありファミリー向けにしてはちょっと過激です。しかしヌードグラビアネタも含めてそれらがコメディのいいスパイスになっていて、ファミリー向け映画というよりキューティー映画として見るべき映画だと思います。

音楽にも注目です。冒頭ザ・クリスタルズの「キッスでダウン(Then He Kissed Me)」がかかり、クリスがドレスを着て踊りまくるシーンはキューティー映画的に素晴らしいの一言。

さらにヒロインたちが逃げ込んだ先が、黒人たちが集まっているブルース・バーの舞台で、そこではブルース・ギターで有名なアルバート・コリンズが演奏中というシーンがあります。
せっかくのライブ中だったので、子どもたちの乱入にみんな怖い顔。そそくさと退場しようとするクリスたちに、アルバートは「ブルースを歌え」と凄みます。恐る恐るクリスは今の状況を語りだし、それに合わせてアルバート・コリンズらが演奏を始め、オリジナルのブルース曲「Babysitting Blues」になっていきます。

このようにオールディーズ、ブルース、ロック、R&Bなど、60・70年代の音楽が劇中歌として使われており、この選曲は、当時劇中歌がニューウェーブ中心で若者に人気だったジョン・ヒューズの青春映画に対するクリス・コロンバスの回答とも考えられます。

さて、この名作が約30年ぶりにディズニー・チャンネル100本記念作品としてリメイクされました。
次のページではリメイク版をご紹介します。