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ハッピーを探して

ハッピーを探して
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ドイツ製のキューティー・テレフィーチャー(TVスペシャル)です。
英語タイトルは「29…and Still A Virgin」で、原語タイトルの直訳となります。

しっかし、発売元のタキ・コーポレーションさん!いくらなんでもオープニング・タイトルとエンド・ロールのブチきりはひどいですよ。UHF局の昼間やってる映画かっつうの(笑)全編切らずに収録しましょうよ!
って、もしかしてオリジナルからして、その辺ないんでしょうか??

ちなみにDVDのジャケットで、主役のように観えるウェディングドレスを着た人は脇役です。主役はウェディングドレスを掴んで見切れてる人です。写真の選び方がいい加減すぎる(笑)

全編、どっかで見たことのあるシーンの連続です。アメリカのキューティー映画のお約束をひたすら羅列してて、ある意味パロディー映画1を観ているようでした。

例えば、主人公の女友達。主人公含めて4人いるのですが、登場シーンからしてもうあからさまに『Sex and the City』。
会話の流れからカフェでの席の座り方、役割まで一緒。ただし、SATCでのサマンサにあたるカトリンという役だけキャラが立っていますが、他はよく分かりません。

女性同士でアダルトショップでグッズを物色するシーンがあるのですが、このシーン、まんまSATCにありました。

主人公が出版社の面接に行くシチュエーションは『プラダを着た悪魔』から拝借。『メリーに首ったけ』のようなエロギャグもあったし、ラストはあからさまな『ノッティング・ヒルの恋人』。

という具合に、シチュエーションは一々キューティー映画チックなんですが、演出と音楽の選び方がチグハグ過ぎて…なんとも間抜けくさい。

ヒロインがロスト・ヴァージンのためにダッチ・ボーイ2を買うというシーンがあります。
しかしこのダッチ・ボーイの股間がひょんなことから発火してボヤに。駆けつけた消防隊員には笑われるわ、近所の人たちに笑われるわ、駆けつけたルームメイトは苦笑いだわで恥ずかしくなったヒロインは思わず部屋を飛び出します。

で、夜の街を悲しげに徘徊。ゆったりとしたピアノのBGMが流れ、道行くカップルをうらやましそうに見るヒロインを望遠レンズが優しく捉えます。
そのまま静かな夜の街を1人寂しく歩く主人公の点描が続きます…

って、ちょっと待て。

この演出は普通、彼氏とけんかして1人になったとか、仕事で失敗して自信をなくしてしまい…という、いいシーンで使う演出だぞ??
だけど主人公が街を徘徊してる理由は「ダッチ・ボーイを使ってたのがばれて笑われて恥ずかしくなったから」だぞ。
いつの間にシリアス展開になったんだよ(笑)。

とにかく全てが垢抜けないし後半は全てがグダグダで、お話の視点もヒロインから急に相手役の男性に移ってるし、構成はメチャクチャ適当なんですけど、流れてくる音楽はこれが凄く豪華!当たり前のようにバンバン英語の有名曲を使ってきます。

The BanglesのNo.1ヒット曲「Eternal Flame」に、『ノッティング・ヒルの恋人』でも使われていたRonan Keating の「When You Say Nothing At All」

『ブリジット・ジョーンズの日記』でも使われていたGabrielleの「Out Of Reach」なんて、本編で何度繰り返し出てくることか…

さらにU2もかかってたし、あまりに音楽が豪華なので、観てる途中からちゃんと使っている音楽の権利処理をしたんだろうかと心配になってきました(笑)

かなり色々書きましたが、僕はこの映画嫌いじゃないです。むしろ面白かった(笑)

90分という尺なのに決してテンポがいいとは言えませんが、とにかくアメリカ産キューティー映画のような話を作ろうという意識が凄く感じられて、女優さんの演技も編集もお話の展開も実にそれっぽい。

でもやっぱり映る背景はドイツの風景だったり、色合いやライティングがヨーロッパ的だったりと、やはりそこは非アメリカ。そのミスマッチがとても面白かったです。

最後にお気に入りのシーンをご紹介。
ヒロインがバーでナンパしてきた男にいきなり「ファックしましょう」と言ってきたときに男が「ブーー!」っと飲み物を吹くのですが、なぜかわざわざカット割ってるんです。
普通なら1カットで俳優の正面か横から「ブーーッ!」と吹くのを撮ればいいのに、「ブー」と「-!」でカットが変わる(アングルが変わる)んですよ。なぜだ?なぜそんな面倒くさいことをするんだ??
そこが妙におかしくて気に入りました。

  1. 映画自体はパロディーとして作ってません。アメリカ映画のおいしいところを真似しまくってるだけです。 []
  2. 男性を模した大人の空気人形です。 []