
ディズニーの長編映画第1作目となる『白雪姫』の実写映画企画で、監督候補としてマーク・ウェブの名前があがりました。
1937年にディズニーが、世界初のカラー長編アニメーション映画として発表した『白雪姫』は同時にディズニーにとって初の長編映画でもありました。
7人の小人やその歌声「ハイ・ホー、ハイホー」は映画を観たことがない人でも知っていると思います。
いわばディズニーの礎となる最重要な作品です。その実写化企画が進められていますが、監督候補としてマーク・ウェブの名前があがりました。
マーク・ウェブは日本では宣伝会社や配給のキューティー映画の理解力のなさから、『(500)日のサマー』がキューティー映画の代表のように宣伝でもよくその名が使われますが、『(500)日のサマー』はキューティー映画ではありません。そしてマーク・ウェブはキューティー映画撮る資質は全く持ち合わせていない人です。
マーク・ウェブはその後『アメイジング・スパイダーマン』『gifted/ギフテッド』『さよなら、僕のマンハッタン』などを撮りますが、興行的にはあまり成功しておらず、ディズニーの実写化企画として最重要な『白雪姫』を預けるには不安が残ります。
以前から脚本に『ガール・オン・ザ・トレイン』『ステイ・コネクテッド~つながりたい僕らの世界』『セクレタリー』などを手がけている女流脚本家エリン・クレシダ・ウィルソン、楽曲制作には『アラジン』『グレイテスト・ショーマン』『ラ・ラ・ランド』の人気コンビ、ベンジ・パセクとジャスティン・ポールが参加することが発表されています。
脚本のエリン・クレシダ・ウィルソンは近作の『ガール・オン・ザ・トレイン』で作風を捉えられがちですが、彼女はマギー・ギレンホールが精神的SMの主従関係を守ろうとするヒロインを演じた『セクレタリー』の脚本家です。ここに注目したいと思っています。
ただ、彼女が描く女性の負の肯定部分はディズニー映画としては強すぎます。
そう考えると、「キューティー映画撮る資質は全く持ち合わせていない」「不安が残る」と書いたものの、マーク・ウェブが得意とする男性目線のハートウォーミング・スタイル(あくまでも表面上だけのスタイルです。中身はありませんから。)をそのまま女性視点として再現できれば、エリン・クレシダ・ウィルソンの脚本で描かれる女性の本質的な負の部分が中和され、程よいキューティー映画のスタイルとして提示されることになるかもしれません。
今後のスタッフの決定と企画の進捗状況に注目です。