
「12歳から女装して男娼をしていた」という自伝でセレブに持ち上げられ、後にそれがウソであるだけでなく、作者も偽物だったことが発覚して大騒ぎになったJ.T.リロイの騒動を描く、クリステン・スチュワート主演『JT Leroy』で、J.T.リロイを創造した実の作家ローラ・アルバート役の候補にローラ・ダーンがあがっています。
12歳から女装して男娼をしていたことを自伝として発表したことで、マドンナなどセレブたちに持ち上げられたトランスジェンダーのJ.T.リロイ。しかし彼は女性作家ローラ・アルバートが自身の小説を売り込むために創作した人物であることが暴かれ大騒ぎになります。J.T.リロイは彼女の義妹が演じていました。
この一連の騒動を描く『JT Leroy』は、日本未公開のゲイの活動家が牧師となり女性と結婚した実話を描いた『I Am Michael』を監督したジャスティン・ケリーが監督・脚本を務めます。
当初、J.T.リロイを演じたサヴァンナ・クヌー役をクリステン・スチュワート、実際の作者ローラ・アルバートをヘレナ・ボナム=カーターというキャスティングが発表されていましたが、ローラ・アルバート役にローラ・ダーンの名前があがっていることから、まだ確定ではないようです。
J.T.リロイに関しては、4月8日(土)から、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開されるドキュメント映画『作家、本当のJ.T.リロイ』を観ることをオススメします。
このドキュメント映画は、ローラ・アルバートを中心に、彼女がなぜ捏造に走ったのか、また世間の対応が熱狂から避難へどう移っていったのか、それを当時の映像と彼女自身の言い訳インタビューを中心に描くのですが、さすがは世間を騙しただけあって、彼女自身の話がどこまで本当かわからないし、そのくせ妙に説得力があって実に面白いんです。
また当時J.T.リロイをもてはやした、ガス・ヴァン・サントとかコートニー・ラブとかR.E.Mのマイケル・スタイプとかスマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンとか、90年代サブカルの連中がいかにカッコつけで薄っぺらかったかがわかるのもいいです。