
12歳から女装して男娼をしていたことを自伝として発表し話題となったトランスジェンダーのJ.T.リロイ。しかし彼は実は作られた人物で、実際は女性作家が自伝小説と偽って書いていました。その騒動が、クリステン・スチュワート、ヘレナ・ボナム=カーター、ジェームズ・フランコ出演で『JT Leroy』というタイトルで映画化されます。
J.T.リロイという少年はドラックや男にだらしない母親に強制され、12歳から女装をし男娼をしていました。そんな彼が18歳の時に出した自伝「サラ、神に背いた少年」は世間に衝撃を与えベストセラーに。2作目小説「サラ、いつわりの祈り」は映画化されます。
価格¥874
順位266,804位
著J.T. リロイ
原著LeRoy,J.T.
翻訳瑞人, 金原
発行アーティストハウス
発売日00.09.01
価格¥1,777
順位956,458位
著J.T.リロイ
翻訳金原 瑞人
発行アーティストハウス
発売日02.03.01
価格¥550
順位149,057位
出演アーシア・アルジェント, ジミー・ベネット, ピーター・フォンダ, ほか
監督アーシア・アルジェント
発行アーティストフィルム
発売日06.01.27
しかしこのJ.T.リロイは、売れないヤオイ小説作家(今なら日本風に言えば「BL作家」と呼ぶべきでしょうか)ローラ・アルバートが自身の小説を売り込むために創作した人物でした。
インタビューなどではリロイが唯一心を開いている人物として彼女は脇にいて、リロイの精神状態が不安定なのを理由に受け答えを代弁していました。そしてそのリロイを夫ジェフリー・クヌーの妹であるサヴァンナ・クヌーに男装させていました。
しかしインタビューなどを通してリロイが女性ではないか?と疑われたので「性転換して女性になった」という設定に変更します。こうしてJ.T.リロイはトランスジェンダーとして紹介されるようになりました。
そして2006年、マスコミによってJ.T.リロイの正体が暴かれます。のちにサヴァンナは告白本「Girl Boy Girl: How I Became JT LeRoy」を出版しています。
この一連のお話を『I Am Michael』を監督したジャスティン・ケリーが監督・脚本で映画化します。
『I Am Michael』はキリスト教にのめり込んだ結果ノンケになった実在する元ゲイ活動家のマイケル・グラッツェを描いた作品で、マイケル・グラッツェ役をジェームズ・フランコが演じました。
『I Am Michael』の詳細は、去年夏にLAで行われたレズビアン・ゲイ映画祭OUTFESTで観た時に記しています。
J.T.リロイを演じたサヴァンナ・クヌー役をクリステン・スチュワート、実際の作者ローラ・アルバートをヘレナ・ボナム=カーター、ローラ・アルバートの夫で、この仕掛けを発案したサヴァンナの兄ジェフリー・クヌーをジェームズ・フランコが演じます。
クリステン・スチュワートの男装姿は話題になるでしょうね。映画ではJ.T.リロイと、女性とは知らず男性としてJ.T.リロイを見ていた『サラ、いつわりの祈り』の監督・脚本をした女優アーシア・アルジェントとの関係を描くとのことですが、恋愛関係として描くのでしょうか?興味深いです。
実際のJ.T.リロイとローラ・アルバート
嘘がばれた後の”J.T.リロイ”を演じていたサヴァンナ・クヌーとローラ・アルバート