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インディアン・フィルム・フェスティバル(IFFJ)2015 オープニングイベント&『ピクー』感想

インディアン・フィルム・フェスティバル(IFFJ)2015 オープニングイベント&『ピクー』感想
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今年で4回目となるインド映画の祭典「インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)」。
10月9日(金)から23日(金)まで東京(ヒューマントラストシネマ渋谷)、10月10日(土)から22日(木)まで、大阪(シネ・ヌーヴォ)で計13本が上映されています。それを記念して9日(金)に東京会場でオープニングイベントが開催され、来日している『ヨイショ!君と走る日』シャラト・カタリヤー監督が舞台挨拶を行い、オープニング作品の『ピクー』が上映されました。


オープニングイベントは、まずIFFJ主宰であるスレシュ・ターティが登壇。「まずは映画祭で観客の皆さんに観てもらって楽しんでもらい、お客さんが気に入ったものを日本の配給会社が買い付けてくれるとうれしいです。」と、この映画祭が映画ファンのためであると同時に、インド映画の日本での配給にも関わることを強調していました。

続いて、『ヨイショ!君と走る日』の監督で、今回のために来日したシャラト・カタリヤー監督。「この映画は撮影に50日間かかりました。今年2月にインドで公開されて、その後各国で上映されてきましたが、言葉に関係なく映画で表現した”気持ち”を受け取ってもらえるとうれしいですし、何より映画を楽しんでもらえるとうれしいです。」と語りました。

その後、映画祭1本目となる『ピクー』が上映されました。

『ピクー』cue感想

cueのインド産キューティー映画はディーピカー・パドゥコーンと共にあります(笑)
それくらい、偶然にも彼女の作品を観る機会が多く、そのどれもが良質なキューティー映画です。彼女の目が大きい派手な顔立ちとモデル出身の見事な容姿はとてもキューティー映画のヒロインに似合うのですが、最近では実在感のある等身大なキャラクターを演じています。本作もそんな彼女の演技や、ただ美しいだけじゃない存在感が実に光る光る作品でした。本作では父親役の名優アミターブ・バッチャン、ルファーン・カーンらと共演しています。

胃腸が弱く便秘に悩まされている頑固者の父の面倒を見るヒロインは、設計事務所を共同経営するバリバリのキャリア・ウーマン。30歳で彼氏なし。父の世話にちょっと疲れ気味で、そのストレスからいつも通勤に使うタクシーの運転手たちに無理難題を言って運転手たちから嫌がられている。
ある日、故郷の家を見に行くと言い出した父に、娘は渋々同行することに。長距離にも関わらず電車も嫌、飛行機も嫌とダダをこねる父のために娘はタクシーを呼ぶことにするが運転手たちはみんな逃げ出してしまい、しょうがなくタクシー会社の社長が自ら運転して、彼らのタクシーでの長旅が始まる…というお話です。

字幕なしですが、予告編です。

とにかく全編、キャラクターたちは老いた頑固な父親の”便秘”について真面目に、そしてやかましく会話しています。もう何かというと便秘、便秘、便秘…
しかし、そんなシモネタが上手く小道具にも活かされ映画を特徴づけます。

映画の中盤はタクシーによるロードムービーですが、タクシーの天井には父親が座るための椅子が括りつけられて、単なる車が見事にキャラクター化しています。この椅子、真ん中がぽっかり開いていて、父親がどこでも座って用をたすためのものなんです。

さらに便秘は映画のテーマと重なり、父娘を描くドラマを語るうえで大事な要素となります。一見全く関係のないものが実は映画を支配しているという、とても知的で巧みな脚本です。映画は最終的にとっても爽やかに気持ちいい、実に小粋な終わり方をします。思わず拍手しそうになりました。全編便秘を語っているのに最後は爽やかなキューティー映画です。

この映画はインド映画ファンだけではなく、広くキューティー映画ファンに観てもらいたい作品です。アメリカの上質なインディペンデントのキューティー映画を観ているようでした。

IFFJの上映作品に関する情報、上映スケジュールは下記サイトをご参照下さい。

東京会場:ヒューマントラストシネマ渋谷
大阪会場:シネ・ヌーヴォ