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『her/世界でひとつの彼女』スパイク・ジョーンズ監督来日!トークイベント

『her/世界でひとつの彼女』スパイク・ジョーンズ監督来日!トークイベント
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さて、再びトークセッションに戻ります。

野村:人工知能型OSと恋に落ちるというストーリーを着想したきっかけは?

スパイク:人工知能と男が恋に落ちるというのは10年位前に思いついてはいたんですが、5年くらい前に脚本を書き始めた時は、それはあくまでも入り口に過ぎなかったんです。人とテクノロジーの関係を描きたかったわけではないんです。

人がどうしたら繋がるのか?ということだったんですね。リアルに、誠実に、人と心を通わせるのはとても難しいことです。
今、テクノロジーのせいで人々は互いに関係が築けないと言われていますが、昔だって別の事を言い訳にお互い心を通わすことを避けていたんです。
現代社会を生きる我々は忙しいし、コミュニケーションの形は日々変わるし、毎日受け取る情報量もとても多いです。

だから人工知能と恋するということは、そんな中で本当に愛する人に自分を晒して通じ合うことの難しさ、それがどれだけの挑戦なのか、ということを描くためのきっかけだったんです。

野村:スカーレット・ヨハンソンをキャスティングした理由は何ですか?彼女は有名美人女優ですから、声だけ使うというのはもったいないという気もしたのですが。

スパイク:サマンサの役は30人以上オーディションして、これまでで最もキャスティングが難しいものでした。
自分が考えたり感じたりすること、そして成長していくことを声だけで表現しなくてはいけないですからね。

スカーレットは外見がなくても自分というものを持っていました。彼女は自信を持ち、自分自身をよく知っていました。それが彼女の魅力でした。

ここで今日、突然トークショーに参加することになったケイシーにも質問です。

野村:ケイシーさんに質問です。映画の世界は近未来という設定なのに、一見現代と変わらないように見えて、でもよく見るとキャラが履くパンツがハイウェストなど、とても印象的な衣装です。こういったファッションを着想したのですか?

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ケイシー:ハイウェストにした理由は自分でも説明が難しいです。たしかスパイクのアイデアじゃなかった?
スパイクたちと最初にミーティングを重ねていた時は、この映画には具体的にどんなエモーションを求めているのかを話し合いました。それをいかに衣装に反映させるかという意味でも。

この映画は未来を描いている映画ですが、未来を過去にさかのぼることで表現しています。セオドアという古風な名前や、ファッションのハイウェストのスタイル、セオドアのひげなどは1920年代を意識してるんです。
トレンドというものはある程度の周期で回っているんですが、なぜか1920年代だけは戻ってきていないように感じていたので、この映画ではそれを意識しています。

her-spike-jonze-event-ginza_05この時スパイクは席を立ち、何やらゴニョゴニョスタッフらに耳打ち…(伏線)

野村:サマンサは、ユーモラスで、セクシーで、とても魅力的です。参考にした人はいるんですか?

スパイク:今まで答えが長かったのでここは簡潔に、「NO」です(笑)。

自分が脚本を書くときは物語のそれぞれのキャラクターに、自分自身をどこか投影させます。例えば、姿を持たず声だけのサマンサはどんな不安を抱えているんだろう?と彼女自身の考えて寄り添って脚本を書きます。それが正しいやり方だと思っています。

さて、そろそろQ&Aに行きましょうか。みなさんから質問があれば答えますよ!
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