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『タイピスト!』レジス・ロワンサル監督インタビュー

『タイピスト!』レジス・ロワンサル監督インタビュー
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50年代のフランスを舞台に、タイプの早打ち大会で優勝を目指すヒロインを描く『タイピスト!』
フランス映画らしいセンスの良さに、今のアメリカ製キューティー映画のスタイルも兼ね備えた、色彩豊かでクラシカルで新しいキューティー映画です。
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cueではフランス公開中の去年12月あたりに、この映画の予告編をツイッターで紹介しました。
クラシカルで華やかな色彩と衣装、センスのいい音楽、コミカルで可愛らしい、がんばるヒロイン像…と、無敵のキューティー映画と想像していました。

しかし実際この映画を見てみると、ちょっと印象が違いました。
まず思った以上にスポ根な映画である事。そしてヒロインである、タイプの早打ち以外はドジっ娘のデボラ・フランソワ演じるヒロイン中心ではなく、ロマン・デュリス演じるヒロインの上司でありコーチの目線でお話が進む事。
コミカルで色彩豊かな映像でありながら、意外とお話は骨太です。

監督・脚本のレジス・ロワンサル氏は今回が初監督。
どのようなバックボーンを持っていて、どういう考えでこの映画を撮ったのかを聞いてみました。

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レジス・ロワンサル Régis Roinsard

映画制作を学んだ後、スタッフとして制作現場全体を経験するために、撮影アシスタントやセット、音響などを務める。1998年、短編「Madame Dron」で監督デビュー。続いて短編「Simon」(01)、ジェーン・バーキン、マリアンヌ・フェイスフルらが出演するドキュメンタリービデオ「Rendez-vous avec Jane」(05)、短編「Belle, enfin possible」(05)を監督する。劇映画は全作、脚本も担当している。その他、フランスのシンガー、ジャン・ルイ・ミュラのPVも手掛ける。長編映画監督デビュー作となる本作で、セザール賞 作品賞にノミネートされ、今国内外で最も注目されている監督の一人である。[/col_full]

たくさん映画を観ているという事ですが、その中で一番お好きな映画は?

う〜ん…1つに絞りきれないので、2つあげていいですか?(笑)
ダグラス・サーク監督『悲しみは空の彼方に1 』とマイケル・パウエル『赤い靴2』ですね。

あ、もう1つ加えさせてください(笑)
ジャック・ドゥミ監督『シェルプールの雨傘3』も。

どれもクラシカルな作品ですね。そんなレジス監督が、長編映画の初監督作品として選んだのが、キューティー映画であった理由は何だったのでしょう?

ロマンティック・コメディは一般のお客さんにはとても好まれているジャンルだと思います。『ローマの休日』のように、ロマンティック・コメディでありながらとても深いドラマ性を持っている作品たちに私自身はとても惹かれます。

しかし、いわゆるシネフィルと呼ばれる人たちからの評価はとても低いジャンルだと思います。
私自身は自分をシネフィルだと思っているのですが、あえてこのジャンルに挑戦して、ロマンティック・コメディ映画を新しい形で作ってみたいなと思いました。

アメリカのヒットしたキューティー映画『セックス・アンド・ザ・シティ』や『プラダを着た悪魔』のような作品のテイストを研究されたりしましたか?

私自身、あまりそういう他の作品の研究や対比には関心がありません。それよりは他の同ジャンルの映画よりオリジナリティを目指しました。

例えばこの映画のヒロインは、ロマンティック・コメディにしてはちょっと暗い部分を持っています。
さらに、こういう映画の典型的な構成は、ヒロインが1人いて、それに対する相手役が1人いて、その周辺に他の登場人物たちがいる…という図式です。
しかし、この映画はデボラ・フランソワ演じるヒロインと、ロマン・デュリス演じるヒーローと、2人それぞれが対等に存在して描かれ、その2人の周辺にそれぞれ関係する登場人物たちがいるという、2人が主人公のお話です。

フランク・キャプラ監督『或る夜の出来事4』みたいに、ヒーローもヒロインも対等に描かれ物語が進む作品なんです。

[col_full][col_third]Regis_Roinsard_interview_03[/col_third]キューティー映画に出演する女優さんで好きな人はいますか?

ドリュー・バリモアは好きな女優さんです。
『タイピスト!』のヒロイン、デボラ・フランソワと一緒なのは、子役時代の早い時期から演技のテクニックを身に付けているという事と、子供心を失わず、他の人が尻込みしてしまうようなことでもやってのける無邪気さと冒険心があると思います。

映画の中の音楽がサルサ、ジャズ、ポップスと、とてもバラエティに富んでいましたが、どのようなコンセプトで選曲されたのですか?

大半がオリジナルですが、何曲かは私が持っているコレクションから選びました。
雑貨屋や古道具屋とかに行って、あまり有名じゃない古いレコードを見つけたりするのが大好きなんです。

オリジナル楽曲に関してはメロディアスなものを心がけました。
音楽担当の1人、ロブはフェニックス5のキーボード担当なんですが、彼は本当にいとも簡単に曲を作ってくる天才で、しかもそれがどれも、ポップで50年代風だけど、どこか現代風な曲になっていて素晴らしかったです。

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この映画の脚本は監督の他にダニエル・プレスリー、ロマン・コンパンと3人の名前があります。それぞれの役割はどういうものだったのでしょう?

3人とも全然違うタイプなんです。

ダニエル・プレスリーは7年ほどフランスに住んでいるアメリカ人で、本職は音楽プロデューサーです。
彼は私の友人の中では一番愉快な人物です。彼には英語で台詞を書いてもらい、それを私がフランス語に訳しました。
彼にお願いしたのは、アメリカのコメディ映画が持つリズムをこの映画に組み込みたかったからです。

ロマン・コンパンは26歳。3人の中では一番若くて、マリリン・モンローとブリトニー・スピアーズの大ファン。人気女性タレントにとても精通しているんです。この映画の中の女性キャラクターの造形には、彼のアイディアや知識がかなり活かされています。

『タイピスト!』はフランスでヒットしました。映画会社から「またキューティー映画を撮ってくれ!」とお願いされたら、今度はどういうのを撮りたいですか?

それは大変だ!(笑)
今回はスポ根とロマンティック・コメディを合わせましたが、次はスリラーとロマンティック・コメディをかけ合わせたいと思います。
ジャンルをミックスするのは好きですし、新しいジャンルを開拓するのが大好きなんです。

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インタビューから、レジス監督が映画も音楽も含めて、古典的なもの、レトロなものが大好きだという事がよく分かります。
また、脚本ではアメリカ人を配して、アメリカ映画の台詞や展開のリズムを作ろうとするあたり、なかなか面白い発想だと思います。

そういったものが、フランス映画でありながらアメリカンなキューティー映画の雰囲気と、新しい映画でありながらクラシカルな雰囲気を併せ持つ『タイピスト!』という作品の特徴になったのだと思います。

そしてこの映画が持つ男性目線寄りの感じは、3人の脚本家が全員男性によるところからかな?とも感じました。女性脚本家が入ったら映画のヒロインの描き方は変わったでしょう。
そういう意味では、次のスリラー調キューティー映画は(もう勝手に次回作をこちらで決めてますが(笑))では、ぜひ女性脚本家と組んで、また新しいタイプのキューティー映画を撮ってみてもらいたいです。

レジス監督のインタビュー中に出てきた作品です。どれもクラシカルな名作です。

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