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フランス映画祭2014 観客賞は『バツイチは恋のはじまり』に

フランス映画祭2014 観客賞は『バツイチは恋のはじまり』に
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uni-france-films-2014-award_006月27日(金)~6月30日(月)まで開催されていた「フランス映画祭2014」。今年の観客賞には『バツイチは恋のはじまり』が選ばれました。


観客賞は全ての上映作品を対象として、鑑賞されたお客による4段階の評価を平均して、もっとも点数の高かった作品に贈られる賞です。
2012年『最強のふたり』、2013年の『タイピスト!』が選ばれています。
去年、今年といずれも数ある作品の中からキューティー映画が選ばれているところに注目したいです。

cue的には去年の『恋のときめき乱気流』、今年の『間奏曲はパリで』と、作品の&キューティー映画としての質では、共にオススメには絶対的な自信がありますが、いずれもフランス映画祭上映時は公開が決まってない作品なんですよね…(笑)『恋のときめき乱気流』はのちにDVDスルーになりましたが。

『バツイチは恋のはじまり』は30日月曜夕方に上映され、来日した主演のダニー・ブーンが上映後のQ&Aとサイン会で日本のファンと交流しています。そういうところも今回の受賞に大きなプラス要因として働いたのでしょう。
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『バツイチは恋のはじまり』は、「一度目の結婚は必ず失敗する」という家系のジンクスにの囚われたヒロインが、好きな人と結婚するために、その前にどうでもいい男と結婚・離婚をしてバツイチになろうとするお話です。

コンセプトはとても面白く、コミカルなシーンはヒロイン役のダイアン・クルーガー、相手役のダニー・ブーンの熱演でとても楽しいのですが、残念ながら脚本が相当粗く、ヒロインの行動動機にかなり無理があるのと、劇中に散りばめられている色々な”映画的においしい”布石がラストでうまく回収できていないんです…実にもったいない…。
でもそういう緩さも含めて、純然たるキューティー映画であることは確かです(笑)

監督のパスカル・ショメイユは、ロマン・デュリス扮する別れさせ屋とそのターゲットのヴァネッサ・パラディの恋を描いた『ハートブレイカー』でフランス映画でありがならアメリカナイズされたテイストの映画を作りました。今回はより国際的に展開していますし、映画に出てくる登場人物全てに行き届いた暖かい目線は、この監督ならではだと思います。要注目の監督です。

バツイチは恋のはじまり

監督:パスカル・ショメイユ(『ハートブレイカー』)
出演:ダイアン・クルーガー、ダニー・ブーン、アリス・ポル、ロベール・プラニョル 2012/フランス/104分/シネマスコープ/5.1ch 配給:ファントム・フィルム
公式サイト:https://www.batsu-koi.com/
©2012 SPLENDIDO QUAD CINEMA / TF1 FILMS PRODUCTION / SCOPE PICTURES / LES PRODUCTIONS DU CH’TIMI / CHAOCRP DISTRIBUTION / YEARDAWN

9月20日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて公開

ちなみにこの観客賞について、ちょっと疑問です。

まず点数が公表されていないこと。
それに過去受賞作全てが17時台の上映回、すなわち、一般客が一番見やすい時間帯の作品に偏っていること。つまりは動員数によるところが多いということ。
そして受賞作がどの作品もロードショー公開が決まっている作品ばかりで、宣伝タイアップ的な意味合いがあると思わざるをえないこと。
この賞がスタートした2012年から同じく始まった、フランス映画祭の地方上映と連動されていないこと。

もちろん観客賞が「ユーザーの支持」という意味で大きな宣伝的意味を持ち、これから公開される作品のヒットに貢献することは重要です。そういう意味でも、フランス映画祭が担う「フランス映画をヒットさせるための紹介の場」という存在意義としては、観客賞というのは重要でしょう。

青臭いことをあえて書きますが、一方で、このフランス映画祭は、普段なかなか見る機会のない、素晴らしいフランス映画を数多く紹介してくれる貴重な場でもあります。

そういう意味では、まだ日本での公開が決まっていない作品にスポットライトをあてて、フランス映画祭で上映されたことがきっかけで公開が決まるような賞の方が、長い目で見た時にこの映画祭の意義を高めるのではないでしょうか?

理想論に過ぎませんが、出来れば、数の勝利で決まる観客賞以外にも、そういう賞も創設してもらえたらと思います。