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ナタリー・バイ『わたしはロランス』上映でトーク

ナタリー・バイ『わたしはロランス』上映でトーク
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フランソワ・トリュフォー監督『アメリカの夜』、ジャン=リュック・ゴダール監督『勝手に逃げろ/人生』などヌーヴェルヴァーグの時代を代表する女優の一人であるナタリー・バイ。
彼女は今回のフランス映画祭2013の団長を務めています。

そしてナタリーは上映作品『わたしはロランス』で主人公のメルヴィル・プポー演じる、女性になりたいと悩む男性教師ロランスの母親、ジュリエンヌ役を演じています。
6月22日(土)に行われた『わたしはロランス』上映会でナタリー・バイが登場し、弱冠23歳で監督・脚本・編集・衣装・音楽など、作品のイメージを全てコントロールしたグザヴィエ・ドラン監督について語りました。

彼が私に与えてくれた役は、とても強い決断力を持った女性です。彼はシナリオの中身を細かく書いていました。撮影前の打ち合わせの時に、色々な質問を投げかけましたが、シンプルかつ知的な回答が返ってきましたよ。

本作撮影中に監督は23歳の誕生日を迎えました。とても若い映画監督ですが、年齢や経験に関係なく彼は天才です。

ドラン監督は第1作『マイ・マザー/青春の傷口』(2009年)第2作『HEARTBEATS』(2010年)では俳優としても出演しています。監督のなかには技術者としての経験を活かす方もいますが、私は、ゴダール、トリュフォー、シャブロルのような、飛んで行くような感覚を持った方と仕事がしたい。彼もその一人。次回作に呼ばれたらすぐにオッケーを出しますよ。

また、本作のテーマとなっているセクシャルマイノリティや性同一性障害の問題の、現在のフランスでの関心について質問を向けられると、

昔に比べると、今の考え方はわりとオープンにはなっているけれど、私の表現で言えばまだ“シャイ”な状態かしら。タブー視されていないものの、多くの人々には不都合な状態が続いています。私にはセクシャルマイノリティの友人が多くいます。彼らの中には家族の中で病気扱いされることを恐れて、そのことを隠したまま生きている人たちもいました。だんだんと明らかになって、ロランスのように本当のことを語れる状況になったら良いと思います。

数々の巨匠たちを魅了する女優ナタリー・バイ。
その彼女が全幅の信頼を寄せ、その才能を認める若きグザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』は9月、新宿シネマカリテほか全国順次公開されます。

わたしはロランス:Laurence Anyways

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彼は、女になりたかった。彼は、彼女を愛したかった。

モントリオール在住の国語教師ロランスは、恋人のフレッドに「女になりたい」と打ち明ける。それを聞いたフレッドは、ロランスを激しく非難するも、彼の最大の理解者であろうと決意する。あらゆる反対を押し切り、自分たちの迷いさえもふり切って、周囲の偏見や社会の拒否反応に果敢に挑む長い年月。その先に待ち受けるのは…?10年にわたる強く美しく切ない愛を描いたラブ・ストーリー。

ロランス役をメルヴィル・プポー、ロランスの母をナタリー・バイが演じ、フレッド役のスザンヌ・クレマンは、2012年カンヌ国際映画祭ある視点部門で最優秀女優賞を受賞した。

スタッフ・キャスト

監督:グザヴィエ・ドラン
出演:メルヴィル・プポー、スザンヌ・クレマン、ナタリー・バイ
(2012年/168分/カナダ=フランス/1.33:1/カラー/原題:Laurence Anyways)

公式HP:https://www.uplink.co.jp/laurence/
Facebook:https://www.facebook.com/laurenceanywaysJP
Twitter:https://twitter.com/Laurence_JP
2013年9月、新宿シネマカリテほか全国順次公開

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弱冠23歳の監督の作品は、酸いも甘いも通り越してキューティー映画にたどり着いた者として(笑)若さゆえか、映像手法や構成含めて、色々と詰め込みすぎのような気がしました。その結果3時間近い作品になっていますが、他人に編集を任せたら、もっとタイトでシャープな作品になったと思います。
そういう意味では作品作りはまだまだ粗いと思うのですが、その粗さは未来への伸びシロとも思えます。

この監督、今は技巧に走っていますが、ちゃんとドラマと脚本が作れる人だと思いました。それはラストの締め方を見ると分かります。ラストのアイディアは素晴らしいです。

それと主人公の母親役のナタリー・バイの演技が素晴らしいです。若い監督の荒削りな作品をベテランらしい演技で見事にサポートしています。彼女が出ると画面が締まります。
息子に対して醒めている母親、しかし息子は母を友達のように慕ってくる。それに戸惑いつつ、息子の変化(女性化)と共に、母子の関係の変化を徐々に受け入れ
つつ自らも変化していく…という、何気に複雑で難しい役を実にサラッと自然に演じています。お見事!さすが!としかいいようがないです。
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