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SATC Season4 2話に感動

SATC Season4 2話に感動
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いや~、今さっき観終わったんですが、セックス・アンド・ザ・シティ…いや、SATC(通ぶって略語でがんばって表示してみる)シーズン4の2話「素顔のままで the real me」が傑作すぎ!


「は?何を今さら言ってんだおまえは?」とこれを読むSATC好きの女性たちに言われそうですが、非オタの一般女性が今さらガンダム観て、ガンオタとは全く違う視点で感想を言ってるのを聞くのが面白いのと同じように(言ってる例えが自分でもよくわからん…)、今さらSATCを観ている者の独り言に「あぁ、そういう見方もあるんか」と思ってもらえれば、と。
あと、この駄文を読んでSATCを未見の人がSATCに興味もってもらえたら、と。

この4話、2002年エミー賞コメディー監督賞受賞作品です。
監督・脚本はSATCのエクゼクティブ・プロデューサーでもあり、メインライターでもあるマイケル・パトリック・キング。
2008年公開の劇場版の監督でもあります。

ゲストもいいじゃないですか。
アラン・カミングは『プッシー・キャッツ』といい、ほんとナルシストのゲイ役が似合います。
アマンダが額縁を注文する店の店員役は『ラブソングができるまで』の売れっ子作詞家役の人ですね。

さらっとしか映りませんが、キャリーの巨大な髪型を作っているのは有名ヘア・アーティストのオーランド・ピタ。
さらに続いてキャリーのメイクを担当するのは有名メイクアップ・アーティストのケヴィン・オークイン1という物凄いコンビ。

モデルのハイジ・クラムが本人役で出てきます。で、主人公との絡み方がいいです。
単なるスペシャル・ゲストとしてだけでなく、ちゃーんと劇中でキャリーを応援するプロ・モデルを演じています。

お話は主役でセックス・コラムニストのキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)が、素人モデルとしてファッションショーに出演を依頼されるところから始まります。
一方他の友人たちはそれぞれ、「自分らしさ」と対峙していました。
弁護士のミランダはジムで男性に「セクシーだ」と声をかけられるものの、自分が考えるセクシーさをアピールして失敗。
開放的で豪快なサマンサはダイエットして自分のヌード写真を記念に撮ることに。
そしてお嬢様キャラのシャーロットは婦人科で、まだ自分で見たことのない自分の性器がうつ状態と診断されてしまいます。

そんな中、Spiderbaitの「Shazam」がガーンとかかって始まる、キャリー出演のファッションショーが物語のクライマックスとして展開されます。

曲がシェリル・リンの「Got To Be Real」に変わり、キャリーがさっそうと登場。
しかしキャット・ウォークの真ん中でこけちゃうんですな。
キャリーにモデルをお願いしたプロデューサー女史も「(あっちゃー)ハイジ出して」と諦め気味に指示。
次のモデルであるハイジ・クラムは、這いつくばったままのキャリー(ゲイ友達のスタンフォードいわく「路上に転がった死体みたい」)をヒョイと超えてキャットウォーク前方に進みます。
キャリーはその場から逃げるか、勇気を振り絞って歩き通すかを迫られます。

そして、意を決して片方のヒールが脱げたまま堂々と歩き出すキャリー。

このときのキャリーの独白「一般人はこけても歩き続けなければならない(超適当な再現です)」も素晴らしい。仲間たちは応援のスタンディングオベーション。会場中の観客たちもそんなキャリーに拍手。

そしてキャットウォークの最先端に向かうキャリーは、こっそりプロデューサー女史に「ごめん」と謝り、プロデューサー女史もジェスチャーで「いいのよ」と返します。
ここのカットが実にいいです。こういうやり取りってとてもさりげないけど、演出上凄く活きてくる重要ポイントなんですよ。

プロデューサー女史を通して、キャリーが結果的に成功したことを視聴者に示しているんです。だからキャットウォークを戻るキャリーの途中に、わざわざ隣にいる人と「ほら、よかったでしょ?」とも「やれやれ、よかった」とも取れるプロデューサー女史のしぐさをインサートしています。

そのカットを入れることで、キャリーに感情移入して観ている視聴者も、プロデューサー女史のリアクションを見てキャリーに代わってホッとし、うれしくなれるという仕組みです。

そして戻るハイジとハイタッチを交わすキャリー。
一連の編集と演出が素晴らしいです。

あそこでプロのモデルであるハイジが素人モデルのキャリーを勇気付けてるようにも見えます。ちょっとしたカットですがBGMのリズムと合ってこれが小イキでいい。タッチしたあとのハイジの後姿がフレームに入ったままなのもかっこいい。

それにともなって歓声、カメラのシャッター音などが大きくなって前面に出てくる音響演出も素晴らしい。何気ないですが、こういう小さな演出の積み重ねがこのシーンを特別なものにしています。

そして「Got To Be Real」が流れるまま、キャリーから勇気をもらった他の3人の友人たちもそれぞれ本当の自分と向き合う描写へと一気に進みます。音楽、しかも70年代ディスコミュージックが流れっぱなしなので、ファッションショーの高揚感が継続されます。

ミランダは浮かれていたときの自分の欠点を確認します。
サマンサはヌード写真を宅配のお兄ちゃんに褒められます。
シャーロットは自分のアソコと鏡でご対面。

そしてキャリーは自宅で、本番では出来なかったモデルの決めポーズを1人で颯爽と演じて、そのままトイレへ。

いつものSATCなら、そこでフェードアウトして黒背景のままエンディングテーマと共にスタッフロールとなるのですが、全話通じてこの回だけ「Got To Be Real」と共にトイレの扉がずっと映ったままスタッフロールが流れ続けます。
このトイレの扉を中心にした画面レイアウト、配置された小道具の美術が絵画のような美しさで見事。
そして最後の最後…

ちょっとしたアクションが入っての終わり方がこれまたシャレてます。

や~~~、シーズン4の2話、これ大傑作です!!

2001年の作品ですから今さら感もありますし、資料も何も調べないまま書くので間違ってるかもしれませんが(じゃあ書くな(笑))、もしかしてこの話がシーズン4の1話に当たる予定(パイロット版)だったのかな?
後から1話になる「独りぼっちのお姫様 the agony and the ’ex’tasy」を追加して放映したのかな?
もしくは初放映時1、2話連続放映だったとか?

とにかくこの話はシリーズ中でも異色の出来、完全に独立した短編に仕上がっています。

ここまでSATCをずっと観続けてきて、シーズン1は各キャラクターとスタイル確立の試行錯誤が見えまだ面白かったです。シーズン2はキャリーとMr.ビッグの恋愛がキモく、他のキャラも男と出会っちゃ寝る話ばっかりで男性にとって観るのは苦行に近く、ミランダのエピソードがなければ視聴中止をしていたかもしれません。

シーズン3に至ってはキャリーとMr.ビッグの不倫話にもう付いていけず、思わずここで「SATCはおもろない。ダメだ、ダメだ。何がいいんだこんなの!」と書いて世のSATCファンにけんかを売ろうかと思ったくらいですが、シーズン3後半、キャリーがMr.ビッグとの不倫をやめ彼氏に振られ、その直後にL.A.に旅行する話2あたりから、グンッと面白くなってきました。やはりSATC侮りがたし、という感じです。

正直言ってキャリーとMr.ビッグの恋愛エピソードがないほうがドラマとしては面白いですし、お話もよく出来てると思うのですが。

最後に4話のランウェイシーンです。

  1. 彼はこの次の年に脳腫瘍のため40歳の若さで亡くなっています。 []
  2. これ、ゲストも豪華で面白かったので改めて雑文化するかもしれません。 []