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ボリウッドとキューティー映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』

ボリウッドとキューティー映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』
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ボリウッドとキューティー映画は似たもの同士

ボリウッドは、「ハリウッド」をもじったインド映画のことですね。
日本でボリウッドというと、『恋するマハラジャ』、最近じゃ『ロボット』という風に、ハリウッド映画にはない荒唐無稽さとパワー!インド風ダンスシーン満載!を思い浮かべると思うのですが、ここ数年、ボリウッドでキューティー映画がかなりの数作られていたりします。

元々ボリウッド映画はロマンスとダンスシーンがお約束です。
それが現代風の男女で今風なダンスになったら…ボリウッド映画がキューティー映画になるのは自明の理とも言えます。

下のポスター群を見てください。パッと見た感じキューティー映画ですよね?てか、あれ?このポスターって『プリティー・ウーマン』?あれ?これって『キャンプ・ロック』のパク…っていう感じのものもありますが(笑)
bollywood_posters

最近のボリウッド事情

さらに最近のインド女優・男優の美男美女ぶりも見逃せません。今時のボリウッド・スターはパッと見はハリウッドスターと変わらない、いやむしろ今のハリウッドスターにない非日常的な『ゴージャス感』『リッチ感』満載です。
歌もヒップホップやロック調。踊りもアメリカのスターのそれと遜色ありません。

上のポスターだって、タイトルが非英語だったり役者名が非英語圏の名前じゃなければ、普通に日本じゃDVDスルーされるようなアメリカ製作のキューティー映画かな?と思ってしまいます。それくらい役者さんの野暮ったさも消えてるし、女優の衣装やメイクも民族衣装や伝統的なものではなく露出が多い今風なものばかりです。

ボリウッドはキューティー映画の新しい潮流?

2007年あたりから、インド資本が入ったシネコンが欧米に展開され、そこで在米インド人向けにインド映画(ボリウッド含)が公開されたことから、今のボリウッドが欧米の映画情報サイトでもチョクチョク情報が載ったり、youtubeで予告編を見かけるようになったりしました。
さらにインドはDI(Digital intermediate)と言われるデジタルでの画面調整処理をハリウッドから下請けしていた関係からか、画面が一気にリッチになりました。車や小物も西洋化が進みました。画面と共にセリフも英語の割合が増え、上映時間の短縮もあり、西洋化が進んだせいでキューティー映画と紹介しても全く違和感ない作品が出て来ました。

そこでcueでもボリウッド製キューティー映画がアメリカに進出しているのを見て昔紹介したことがあります。しかし、それでもやはり独特の情報網なので、こりゃ追っかけ切れない…と断念しました。
ボリウッドに関しては専門サイトで有名な「ナマステ・ボリウッド」さんなどを見てても、やはり情報量が半端ではなく、真面目に追っかけてたらキューティー映画がボリウッドの1ジャンルになってしまう…(笑)と。
ボリウッドの中のキューティー映画、インド人女優が主人公のキューティー映画を紹介していけると面白そうなのですが…

『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』はボリウッド総決算映画

OSO_poster公式サイト:https://www.uplink.co.jp/oso/
しかしやっぱり気になるボリウッド!そんな時、70年代から00年代のボリウッドを総決算するような映画があると聞きました。
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』という作品です。
試写に呼んでもらい見たのですが、この作品がインドで大ヒットしたというのはボリウッドを詳しくなくても分かります。

映画の制作現場を舞台に、ボリウッドをセルフパロディ-化しながら、錚々たるメンツが出演、ボリウッドの歴史を描きつつ、ロマンス、サスペンス、アクション、コメディ、ファンタジー、ホラーとあらゆるジャンルを網羅する濃厚さ。
169分という長尺ですが、お世辞抜きで飽きさせません。演出がうまいとかそういう範疇を越えて、飽きさせず面白がらせるためのあらゆるアイディアが大量に投入されています。

当然キューティー映画も内包されています!憧れのヒロイン像、身分の違う恋、ヒロインのコメディなコケ、変身ファッションショーなど、キューティー映画お約束シーンもちゃんとあります。

恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム

キャスト/スタッフ

シャー・ルク・カーン:オーム・プラカージュ・マッキージャ/オーム・カプール(2役)
ディーピカー・パードゥコーン:シャンティプリヤ/サンディ(2役)
アルジュン・ラームパール:ムケーシュ
シュレーヤス・タラプデー:パップー
キラン・ケール:オームの母
ジャーベード・シェイク:オーム・カプールの父
監督:ファラー・カーン、脚本:ムスタク・シェイク、撮影:V.マニカンタン、原題:Om Shanti Om、製作年:2007年

ストーリー

1970年代、ボンベイ(現ムンバイ)。脇役俳優の青年オーム(シャー・ルク・カーン)は、若き大人気女優シャンティ(ディーピカー・パードゥコーン)に恋をする。ところが、シャンティは人知れず結婚し、妊娠までしていた。売れっ子プロデューサーのムケーシュ(アルジュン・ラームパール)が、その相手だった。
映画界でのさらなる成功を求める彼はシャンティを疎ましく思い始め、遂に殺意を抱く。
ある日、ムケーシュから呼び出されたシャンティを心配して、オームはその後を追った。ムケーシュの罠にはまり、炎にまかれるシャンティ。彼女を助けようとしたオームもまた、命を落としてしまうのだった。
それから30年、インド映画界の頂点にひとりの大スターが君臨していた。その名はオーム…奇しくも、あの炎の惨劇の夜に生まれた男の子の成長した姿だった。
生まれ変わりの神秘とスリリングな復讐劇!時を超えた恋と友情!ボリウッド・エンタテインメントの粋を集めた決定版ドリーム・ムービー!!

ディーピカー・パードゥコーンの魅力

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ヒロインを演じるディーピカー・パードゥコーン、前に日本ではヒロインと殺し屋の双子2役を演じた『チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ』が公開されていますが、本作がデビュー作です。(ちなみに筆者は『チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ』も偶然ですが試写で観ています。試写で観たボリウッドが共にディーピカー主演…この映画のような時を超えた運命を感じます…(笑))
モデル時代、メイベリン・ニューヨークのイメージキャラをしていました。
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そのモデルだった彼女がこの超大作にいきなり抜擢、しかもここでも全く違うタイプ、70年編が優しく気丈な人気女優、00年編が今風ギャルの2役を演じています。
本作の宣伝ではボリウッド映画らしさを出すために、民族衣装のスチールが多いですが、本編ではほとんど普通のファッションです。ゴージャスな美しさ、コケティッシュな魅力と、色々な面が見える実に魅力的な女優さんです。特に現代編の今時ギャルを演じる姿には注目です。素晴らしくキューティー映画のヒロインになってます。

チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ [DVD] DVD

価格¥4,093

順位16,310位

出演アクシャイ・クマール, ディーピカー・パードゥコーン, ミトゥン・チャクラヴァルティー, ほか

監督ニキル・アドヴァーニー

発行ワーナーホームビデオ

発売日09.10.20

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女性監督によるボリウッド

そして何よりびっくりしたのが、この作品の監督が女性であったということ。見ながらずっと男性監督(しかも、もしかしてゲイ?)と思いながら見てました。そう考えると、女性の復讐劇の一面も持つこの映画が女性監督に撮られているという意味はとても深いです。

監督のファラー・カーンは映画一家に生まれていますが、それに頼ることなくキャリアは振付師からスタートしているので、今回の人脈は主演のシャー・ルク・カーンによるところが大きそうです。その辺りの人間関係などの分析はボリウッドに詳しい人にお任せしたいと思います。
彼女自身、冒頭とラストに出演してますが茶目っ気たっぷりです。こうした彼女の姿勢は一見シリアスになりがちな復讐劇がエンタテイメントしているところにも現れていると思います。

自分は全くといっていいほどボリウッド映画に詳しくないですが、それでも何となく70年代ボリウッドやスターたちが分かる仕組みになっていて、後から色々調べたくなる映画でもあります。その辺の情報は公式サイトにも豊富に乗っているので、映画を観た後読むと面白いかもしれません。

深くて広いボリウッドをざっと俯瞰で観るにはとてもうってつけの映画だと思います。

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『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』
公式サイト:https://www.uplink.co.jp/oso/

2013年3月16日(土)より渋谷シネマライズ、シネ・リーブル梅田他、全国順次公開


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