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キューティー映画の邦題

キューティー映画の邦題
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japanese_title.jpg最近のキューティー映画の邦題には「???」となるものが多くなっている気がします。キューティー映画に限らず総じて邦題は「???」。日本語として変だし、パロディーのようなタイトルが非常に多いです。『噂のアゲメンに恋をした!』(Good Luck Chuck)は日本語として間違ってるし『ベガスの恋に勝つルール』(What Happen In Vegas)とかは何のことやら…


これはキューティー映画に限らず、日本で上映される映画の邦題、全てにおける最近の傾向です。タイトルをつける日本の担当者の知性レベルが落ちているとしかいいようがありません。昔はきれいな日本語を使った素晴らしい邦題が多かったんですよ…
キューティー映画に関しては「恋する」「ための」「ルール」などがよく使われます。ヒットしたキューティー映画の邦題に似せることで、その映画がどういうジャンルの映画かわかるからです。そこは非常に理解できます。理解できるのですが、何も考えず、映画の本筋と全く関係なく、単にヒットしたキューティー映画のタイトルをパクルのは安直過ぎないかなぁと。

さらに内容をちゃんと観てから付けたのか?と思えるくらい、作品への理解と愛情が感じられない邦題もあります。

恋人はゴースト
原題:Just Like Heaven
妻を亡くした男性がアパートに引っ越すとそこには女性の幽霊が。しかし女性は自分が死んだことに気付いていません。どうやら肉体はまだあるらしい。ということで2人で女性の体を探して元に戻そうという話です。
原作はフランスの小説。臨死体験や安楽死を扱った内容をリース・ウィザースプーン主演、相手役がマーク・ラファロでキューティー映画化してアメリカでは大ヒットしました。

で、この邦題の「恋人」という部分がいかんのです。 物語の当初、リースとマークは恋人ではありません。結果的に恋人になるのですが、それはネタバレです。タイトルでネタバレしてはいかんだろうと。
ちなみに原作の邦題は「夢でなければ」でした。

2番目のキス
原題:Feaver Pitch
付き合った彼氏が異常なまでのレッドソックスファン。理解を示そうとがんばるけど、やっぱり付いていけず…というお話です。
ドリュー・バリモア主演。「メリーに首ったけ」のファーレリー兄弟作品。
元々イギリスでの原作小説があって、すでに映画化されているものをアメリカ版でリメイクした作品です。
オリジナルはイギリスですからサッカーファンの彼氏の話ですが、アメリカ版では野球に変更、狂信的なファンが多いレッドソックス・ファンという設定に変更されました。

で、邦題ですがドリュー・バリモア主演のキューティー映画には「数字」と「キス」という言葉が付く邦題が2つあります。「25年目のキス」「50回目のファースト・キス
だからこの映画もそれにならって無理矢理数字を付けて「2番目のキス」。
意味わからん…。全くわからん…なんだよ2番目のキスって。

だいたいこの映画のオリジナルタイトルは邦題で「僕のプレミアムライフ」というタイトルがあります。じゃあリメイクはドリュー視点で「彼氏のプレミアムライフ」でもええじゃないですか。

四角い恋愛関係
原題:Imagine Me & You
結婚したての新婚カップル。結婚式に花を飾ってくれた花屋の女性がなぜか気になってしまう新婦。花屋の女性はレズビアン。いつしか新婦の花屋の女性への想いは愛へと変わり…
というレズビアンなキューティー映画です。
主演は「コヨーテ・アグリー」のペイパー・ペラーポ。お話は深刻にせず、ユーモアがちりばめられていてとても見やすく後味もいい作品です。それとゲイの恋愛を通じて熟年愛についてもさらっと描いているのもいいです。オススメです。

邦題にある「四角い」というのは「1.新婦」「2.新郎」「3.花屋の女性」「4.花屋の女性をレズと知らずアタックする新郎の親友(説明文長いよ)」という4人のことを指しています。たしかにDVDジャケット、オリジナルポスターから、ぱっと見は4人の話に見えるんですが、4の新郎の友人はさほど物語に関係してきません。

あくまでも新婦と花屋、そしてなぜか新婦の気持ちが離れていくのを感じる新郎の3人の話です。でもこれはオリジナルポスターからそういう騙しをしてますから、しょうがないと言えばしょうがないのですが…原題は、ある歌の歌詞の一節からの引用です。それが結構大事だったりするのですが…

他にも「サーフ・アカデミー 恋のマヒマヒ・ダンシング」(Surf School)などという、人をなめた邦題の超Z級キューティー映画もあるのですがもういいですよね?(笑)
ちなみに「サーフ・アカデミー」、エリリンこと田村英里子が水着姿で出ています。

サーフ・アカデミー 恋のマヒマヒ・ダンシング [DVD] DVD

価格¥1,927

順位281,018位

出演コリー・セヴィエール, ハーランド・ウィリアムズ, リン・シェイ, ほか

監督ジョエル・シルバーマン

脚本ジョエル・シルバーマン

Unknownコリー・セヴィエール

発行Amgエンタテインメント

発売日06.10.26

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(何でこの作品だけアフェリエイト貼るんだ(笑))

中には素晴らしい邦題が付くときもあります。
キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』(Dick)、『デンジャラス・ビューティー』(Miss Congeniality)、『ウェディング宣言』(Monster-In-Law)はアメリカ人でないと分かりにくいタイトルです。「Dick」はニクソンの愛称だし、「Miss Congeniality」は同性からの人気が高かった人に送られる友情賞、「Monster-In-Law」は「Mother-In-Law=意地悪なママハハ」をもじった言葉です。共に原題では何のことか分かりにくい。

あなたにも書ける恋愛小説』(Alex And Emma)『ダンス・レボリューション』(Honey)は共に登場人物の名前のみで、これもどういう映画かパッと見、分かりにくい。

いずれも邦題が、映画の内容を踏まえた上で原題をうまくフォローした好例だと思います。

最近では『ラブソングができるまで』(Music And Lyrics)がずば抜けて素晴らしいと思いました。原題の主旨を押えつつ、ジャンルと内容が一発で伝わる見事な邦題になっています。

ちなみに『魔法にかけられて』(Enchanted)は文法的に間違っているかどうかという議論がありますが(議論の例)、日本語の文法のみに注目し理詰めに考えると答えは間違った方向に進みます。単に文法的解釈で正しいかどうかを判断してはいけません。この映画の内容を加味して考えないといけません。それが映画の邦題です。

それ以前に、この邦題を決めた人は文法に関する深い考察などせず英語を直訳しただけだと思いますが(笑)

『魔法にかけられて』の『魔法』をどういう意味で受け取るかがポイントです。
主人公が悪い魔法使いにかけられたものをタイトルの『魔法』とすると、そのまま悪い意味になります。しかし魔法をかけられた主人公は結果的に幸せになるわけですし、主人公と関わった人たちが『夢』を取り戻したり夢の力を信じ直したりするわけですから、そう考えるとこの場合の『魔法』は結果としていい意味になります。

『主人公は魔法をかけられたのですが、結果的には幸せになったんです』という文章を想定し、その前半部分だけを抜き取ったと考えると映画のタイトルは『魔法をかけられて…』とするべきです。
キューティー映画的には『恋の魔法をかけられて…』でもいいんじゃないか、と。

散々偉そうに語っといて、結局はこの程度かい!(笑)

このタイトルでは確実に「意味がわからん!」「なんで恋が付くんだよ!」とボロクソ言われますね。

邦題をつけるのはとても難しいですが、ぜひこれからも担当者のみなさまは寝ずに知恵を絞って、正しい日本語で(最近は特に重要だと思う)素晴らしい邦題を生み出してほしいと思います。
先ほども書きましたが、昔の映画の邦題は日本語を駆使した素晴らしいものが多かったんですですから。