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アイドルとデートする方法

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『キューティ・ブロンド』を、当時若手新人とは思えない巧みさで撮ったロバート・ルケティック監督が『キューティ・ブロンド』の次に撮った作品です。

「田舎町に憧れのスターが現れて、幼馴染との間で揺れる素朴な女の子」という題材はとてもキューティー映画に適してますし、なんせあの名作『キューティ・ブロンド』の監督さんです。かなり期待して見たのですが…

う~ん、話の流れ、キャラクターの設定が今ひとつ整理されていません。
特にこういう映画ではとても必要なシーンがいくつかないんです。ここはかなり問題ありです。

ラスト、主人公の女の子がスターか幼馴染か、どちらかを選びハッピーエンドになります。
まぁ、どちらを選ぶかはだいたい想像が付くと思いますが(笑)そのと時のふられた方の男性の描写が全くないんです。これはおかしい。この映画は1人の女性を巡る「アイドル」と「幼馴染」の三角関係のお話だから、それがないといけないのに。

DVDの特典映像の没テイクに、それはありました。だから制作側はちゃんと撮ってはいるんですね。しかし公開版では使ってない。こういうのがいくつかありました。ということは、この作品の問題は監督よりもプロデューサーに問題1があると考えていいかもしれません。

じゃあ監督が素晴らしい演出をしてるかというと、それもちょっと…(笑)
簡単なことが出来てない気がします。ダメなシナリオをそのまま撮ってしまった感じがします2
若手監督でしたから、まだ脚本をいじって撮影するほどの発言権を与えられていなかったのかもしれません。

・ジョシュ・デュアメル演じるタッド・ハミルトンとのデート企画のシーンの演出が凡庸。ここ、前半の見せ場のはずなのに…
・タッド・ハミルトンがなぜケイト・ボスワース演じる田舎の娘のロザリーに入れ込んだのか今ひとつ理由が弱い。演出で補強しないといけない部分です。
・実際はハリウッドスターらしくとても横柄なアイドルだったタッドが、田舎に来た途端好青年にキャラが急変化。ロザリーと接することで都会での当たり前が違うと気付き、徐々に好青年になっていくように見せないと…
・スキャンダルにならないよう、コッソリと田舎に来たタッドとロザリーが早々に、しかも堂々と恋人になりすぎ。これじゃあロザリーが単なるグルーピーに見えてしまいます。

カメラは職人芸です(最近ではリメイク版『悪魔の棲む家』も撮ってるヴィクター・レヴィン)。色設計も素晴らしくポップで美しい。
空撮も多くありますし、CGも画面のはめ込みや飛行機のバックの雲など、それなりに画面をリッチにしようとがんばっている感じはします。
音楽の使い方もいいですし、話のテンポ自体はいいので気軽に楽しめます。

また脇役と思われて実は重要な人物たちに芸達者な役者を配しているので、華のあるケイト・ボスワースとジョシュ・デュアメルを含めて、実に安心してコメディな芝居を楽しめます。

そうそう、DVDに収録されている没テイクでパリス・ヒルトンが出てるシーンがありました。本編では丸々カットです。このシーン、結構お金かかってるし、パリスもそれなりにおいしい登場の仕方をするシーンなんですが…パリスかわいそう(笑)

  1. アメリカでは監督よりプロデューサーに最終編集権のあることが多いです。 []
  2. 後に監督自身が別の作品のコメンタリーで本作が、自身がまだ未熟で失敗してしまったと語っています。 []