Home 海外NEWS 『The Nutcracker and the Four Realms(くるみ割り人形とねずみの王様)』異例の監督2名表記に

『The Nutcracker and the Four Realms(くるみ割り人形とねずみの王様)』異例の監督2名表記に

『The Nutcracker and the Four Realms(くるみ割り人形とねずみの王様)』異例の監督2名表記に
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ディズニー実写映画『The Nutcracker and the Four Realms(原作邦題:くるみ割り人形とねずみの王様)』の監督表記で、追加撮影を行った監督が併記されることになりました。これは全米映画監督協会のルールでは本来認められないものです。なぜ認められたのでしょうか?最近増えている追加撮影含めて解説します。


ヒロイン、クララ(マッケンジー・フォイ)が、母親から譲り受けた大事な宝箱を開く魔法の鍵を探して、シュガープラムの精(キーラ・ナイトレイ)やマザージンジャー(ヘレン・ミレン)たちと出会いながら、ファンタジーの世界を冒険するお話になります。
ダンス映画として人気バレエダンサーのミスティ・コープランド、ストリートダンサーのリル・バックらが参加しています。

若手女性脚本家のアシュリー・パウエルの脚本を元に、監督は『セイフ ヘイヴン』『親愛なるきみへ』のベテラン、ラッセ・ハルストレムが担当していました。
その後、大作映画ではよくある追加撮影が必要となったとき、ラッセ・ハルストレムのスケジュールが合わず代わりに『遠い空の向こうに』『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』監督のジョー・ジョンストンが担当しました。追加撮影の脚本は『スポットライト 世紀のスクープ』監督・脚本のトーマス・マッカーシーが担当しています。

マッケンジー・フォイ主演、キーラ・ナイトレイ、モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレン、そしてバレエダンサーのミスティ・コープランドらが出演する、2018年11月公開予定のディズニー実写映画『The Nutcracker ...

ジョー・ジョンストンは、VFXアーティスト出身。『スター・ウォーズ』など有名作品のVFXを手がけていたこともあり、CGシーンなどの演出も得意な監督です。『The Nutcracker and the Four Realms』は多くのCGショットがあるため、追加撮影をジョー・ジョンストンが担当したのは理にかなっています。

海外の大作映画は一旦完成した後、プロデューサーの判断やマーケティング試写の結果などを理由に追加・再撮影が行われます。たいていが同じ監督が担当しますが、時にはオリジナル監督を補佐するため、別の監督が担当することもあります。特に近年はデジタルで色々後処理が可能になったこともあり、ほぼ全ての作品で追加撮影が行われています。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』はギャレス・エドワーズ監督の撮影した素材が上手くまとまらず、最終的には脚本を担当したトニー・ギルロイが再撮影・再編集でまとめています。ファンの間で人気が高いラスト近いシチュエーションはトニー・ギルロイによって演出・撮影されたものです。しかし監督の表記はギャレス・エドワーズだけです。

また、11月公開予定のクイーンのフレディ・マーキュリーの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』では、監督のブライアン・シンガーが現場で問題を起こしてばかりで、撮影監督のニュートン・トーマス・サイジェルが監督代行で撮影を行い、さらに撮影後半にブライアン・シンガーが解雇されデクスター・フレッチャーが監督を代行したにも関わらず、デクスター・フレッチャーが監督の権利を主張しなかったこと、製作陣が公開日を動かしたくなかったことから、最終的な監督クレジットは実質上何もしていないブライアン・シンガーになってしまいました。

全米公開11月2日(日本公開11月)、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーをラミ・マレックが演じる『ボヘミアン・ラプソディ』の監督クレジットが、撮影途中で解雇されたブライアン・シンガーになります。...

これらは全米監督協会(DGA)の規定によるものです。DGAでは監督表記は1名が原則で、2名の場合は撮影期間中一緒に作業していることが条件となっています。これは後に監督たちが作品の権利主張などで紛争になることを防ぐためです。最近キューティー映画でも増えている2人の監督チームは、同じ現場にいて演出チームとして仕事をしています。

この規定から共同監督として表記されないことを不服として、何名かの有名監督がDGAを抜けたりしていますが、DGAに所属していないと労使規定の関係から大手スタジオの映画撮影に参加できなくなります。

今回『The Nutcracker and the Four Realms』の状況は、本来であればラッセ・ハルストレムのみの表記となるはずです。しかしジョー・ジョンストンが行った追撮の期間が32日間と長かったこと、ジョー・ジョンストンの追撮後、ラッセ・ハルストレムが編集などに参加していることなど、両者が作品作りを共有していたことで異例の2名表記が認められたようです。

ドラマ作りの上手いラッセ・ハルストレム、CGショットの得意なジョー・ジョンストン、2人の監督の合作、『The Nutcracker and the Four Realms』の全米公開は2018年11月2日です。

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