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『バベルの学校』ジュリー・ベルトゥチェリ監督、ブリジット・セルヴォーニ先生インタビュー

『バベルの学校』ジュリー・ベルトゥチェリ監督、ブリジット・セルヴォーニ先生インタビュー
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julie-bertucelli-2-interview_00ジュリー・ベルトゥチェリ監督はcueでは2度目の登場です。去年『パパの木』の日本公開の際、インタビューしました。


『パパの木』ジュリー・ベルトゥチェリ監督インタビュー

今回はフランス映画祭2014で上映された、パリにある学校の、色々な国から来た子どもたちが普通に学べるように準備をする「適合クラス」を捉えたドキュメント映画『バベルの学校』の監督として、映画に登場するクラスのブリジット・セルヴォーニ先生と一緒に来日しました。

この『バベルの学校』、教室という限定された舞台を捉えているのに、とても大きな広がりを感じさせてくれるとても素晴らしい映画でした。その辺りの感想は以下に書いています。今回のインタビューとちょっと連動してるので、もしよろしければ。

小さな教室で大きな世界を描く『バベルの学校』

インタビューでお会いした監督は、cueのことを覚えてくれていました。
相変わらず凛としててよくしゃべる、とても精力的でかっこいい人です。元々ジュリー・ベルトゥチェリ監督はドキュメント出身です。今回はドキュメント映画の作り方もちょっと聞いてみました。

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ジュリー・ベルトゥチェリ

オタール・イオセリアーニ、クシシュトフ・キェシロフスキ、エマニュエル・ファンキエル、ベルトラン・タヴェルニエ等の助監督を務めた後、1993年に監督としてのキャリアをスタート。独仏共同テレビ、アルテにて自身が監督した数々のドキュメンタリーが放送され、その独自の視点が注目された。
初の長編監督作品『やさしい嘘』(03)は2003年のカンヌ国際映画祭「国際批評家週間」グランプリを受賞し、2004年にはセザール賞新人
監督作品賞など数々の賞を受賞。オーストラリアで撮影し、シャルロット・ゲンズブール主演の長編二作目『パパの木』(10)は、2010年のカンヌ国際映画祭クロージング作品として招待された。
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今回、ドキュメントを撮るきっかけって何だったのでしょう?

映画にも出てくる、子どもたちによるドキュメント映画フェスティバルで、ブリジット先生と知り合ったことがきっかけでした。
私はフェスティバルの審査員長をしていたんです。
先生は今回の映画の中にあるように、自分のクラスの各国の子どもたちを連れてきたんです。
そして、適合クラスの話を聞いて非常に興味を持ったので、適合クラスでの1年間を撮ることにしました。

この作品は「映画フェスティバルのために映画作りをする子どもたち」のように、ドラマティックな展開にも出来たはずです。それをあえて、ほぼ教室と親子面談だけの構成にしたのはなぜでしょう?

そうですね、おっしゃるような展開も可能でした。だけど私は教室という小さな世界を使って、大きな世界を撮りたいというのがありました。
教室での1年間を通して、適合クラスの子どもたちの進歩や友情などエピソードを引き出してみたいと思ったからなんです。

そして適合クラスににいる移民の子どもたちには、様々な事情や問題があります。
移民と一口にいっても、政治的に亡命した家族の子や、経済的な理由で来た子、勉強のために来た子など、来た目的もバラバラです。
そういう教室の子どもたちを通して世界を捉えたいというのはありましたね。

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新しい言葉を得ることは、より母国語の魅力を知ること

ブリジット先生にもお伺いしたいのですが、彼らがフランスに来たわけは何だったのでしょう?
フランスは移民が多い国ではありますが、彼ら子どもたちにとっては言葉は生きる手段です。より選択肢の多い英語ではなくフランス語を学ぶわけはなんだと思われますか?

ブリジット・セルヴォーニ先生(以下ブリジット):基本的に家族の事情ですね。彼らが意図して選んだ来たわけではありません。
移民の政策に関してはイギリスが進んでいます。そのため、イギリスに行く人も多いです。あと、フランスは歴史的にも植民地時代からアフリカ諸国との関係も深いので、元々フランス語の素養を持っている人が多いというのもあります。

言葉というのは他人と意思疎通をする手段ですし、それはその人のアイデンティティを形成するものでもあると思うんです。
別の言葉を習って取得するためには、母国語で培った、他人に言葉で伝えられる自分のアイデンティティを一旦横に置いておく必要がありますよね。

ブリジット:新しい言語というのは、そのために自分の母国語を忘れることではなくて「自分の母国語は素晴らしいものだったんだ」と再認識することだと思います。
そして母国語の素晴らしさを再認識した自分のアイデンティティを保ちながら、新しい言葉を「みんなとの共通の言葉」として学んでいくということだと思うんです。

映画の冒頭に「”こんにちは”をあなたの国ではなんというの?」というシーンがありましたよね?
あれは「母国語の素晴らしさを、みんなに伝えることが出来るようになる」という目的でやっていることです。

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